「3D世紀」刊行 立体視映画の100年がまるごと1冊に、歴史や技術を解説
10月31日にボーンデジタルから刊行された書籍『3D世紀 驚異!立体映画の100年と映像新世紀』は、こうした3Dの全てを明かすものだ。その取り扱う領域の広さ、内容の深さから、3Dについて関心がある人はもちろん、映像関係者必携の1冊になっている。
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3Dの言葉が広がる一方で、その技術や歴史は必ずしも知られていない。実際に、3Dには100年もの歴史があり、このなかで多くの技術が生まれ、作品が創られてきた。
10月31日にボーンデジタルから刊行された書籍『3D世紀 驚異!立体映画の100年と映像新世紀』は、こうした3Dの全てを明かすものだ。その取り扱う領域の広さ、内容の深さから、3Dについて関心がある人はもちろん、映像関係者必携の1冊になっている。
大口孝之さん、谷島正之さん、灰原光晴さんによる共著で、この第一人者が並んだ。そして、700本以上の3D映画を画像資料882点の632ページで余すところなく伝えている。価格は3990円(税込)である。やや値段ははるが、カラー満載のボリュームは、むしろお買い得に見える。
本書は第1部の映画(映像)史、第2部の制作記、第3部の技術解説という3つの切り口で大別されている。
映画(映像)史は、大口孝之さんが1950年代の第1次立体映画ブームから語っていく。世界各地の事象だけでなく各年代における取り組みについても解説された肉厚なものになっている。大口さんは10月26日に文京学院大学で開催された「CGWORLD 2012 -クリエイティブカンファレンス-」でも講演していた。
このほか映画制作記ではアジア初のデジタル3D映画となった『戦慄迷宮3D』について本作のプロデューサーである谷島正之さんが自ら述懐する。技術解説では現在も3D映像技術者として活躍する灰原光晴さんが、自身の3D体験を交えながら原理と技術を分かりやすく解説する。
立体視としての3Dが改めて認知されることになったのは2009年の『アバター』であることは言うまでもないが、本書を手に取れば3Dが映画技術の誕生直後から現代まで連綿と繋がっているのを再認識することになるだろう。
「ナチス・ドイツと立体映画の関係は?」、「旧ソ連で開発された裸眼立体映画とは?」、「文化大革命前夜の中国にも立体映画が?」、「女王陛下の立体映画、英国祭のテレキネマ」など、政治にまで関わっていた3Dの奥深い側面にもドップリ浸かれる1冊だ。
[真狩祐志]
『3D世紀
驚異!立体映画の100年と映像新世紀』
/http://www.borndigital.co.jp/book/2010.html
著者: 大口 孝之、谷島 正之、灰原 光晴
定価: 3990円(税込)
サイズ:A5版(148 x 210mm) 総頁数:632ページ
発行・発売: ボーンデジタル
《animeanime》
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