今期話題の『となりの怪物くん』の特別試写会が京都の立命館大学で開催 その2
■ 更なる地域とのコラボレーションには、これまで以上の工夫が必要 ■ 第2話のサプライズ上映で客席に大きなどよめきが。アニメと地域とのコラボレーションという潮流について、横山プロデューサーは『デュラララ!!』シリーズで、池袋が舞台という作品性に合わせ・・・、
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
一方、最近の、アニメと地域とのコラボレーションという潮流について、横山プロデューサーは、自身が関わってきた、『デュラララ!!』シリーズで、池袋が舞台という作品性に合わせ、乙女ロードや、アニメショップ周辺で、キャラクターのコスプレイヤーを稼働したプロモーション施策を行った。そこには大きな効果があると実感した。
また、地域や場所によって連動の仕方もケースバイケースという点は認めつつも、「ファンの意識も移り変わりが速いので、この先もずっと同じ宣伝施策が通用するかは分からない」と指摘。
これについては、黒崎宣伝プロデューサーも同意見だったようで、「作中の中でどの程度その地域が取り上げられているかによって、連携の仕方も変わる。学校が舞台だったらその作中のキャラクターに成りきれるかもしれないが、地域コラボレーションが地域にとっては大きくなりすぎているがゆえに飽和状態になりつつある。従って、切り口や、取り組み方の度合いなども精査しなければならない時期にきている。」とご当地アニメの課題を示した。
女性向けアニメについては、原作モノであれば原作に忠実であることは重視しつつも、「キャラクターの萌え度は意識する」と横山プロデューサー。これに対し黒崎プロデューサーは、「萌え度を冷静に捉え、あまりそれにも意識したプロモーションをしてしまい作品イメージから乖離しすぎないように注意を払っていると」と宣伝の立場から指摘した。
最後にアニメビジネスを成功させるための必要な要素をそれぞれの立場から言及。横山プロデューサーは、「映像作品、特にアニメーションは何百人ものスタッフの手によってつくられるもの。作品内容のバランス、宣伝展開のバランス、両方がうまくかみ合ったときに成功が見えてくる。」と分析。
一方、黒崎宣伝プロデューサーは、「日々タイトルごとに試行錯誤している」と、アニメをビジネスとして成功させることの難しさを示しつつも、「50%はその作品が好きだという情熱が必要であるものの、後の50%は一歩引いた冷静さも重要」と分析能力の重要性を説いた。
なお、アニメ好きしか業界で働けないのかといった質問に対しては、双方が否定。ただし、黒崎宣伝プロデューサーが、「出会ったプロモーション関係者の中には、人前でプロモーションをする全ての作品のコスプレを来て登場する人がいたが、それはさすがに真似出来ない」とその心情を吐露。それに対し、「やれば似合いますよ!」と横山プロデューサー。
これに対し黒崎宣伝プロデューサー「では明日から、この年でも高校生の制服を来てイベントに出ます!」と高らかに即答し会場の笑いを誘っていた。
■ 第2話のサプライズ上映で客席に大きなどよめきが
トークショウが盛り上がりを見せる中で、司会から突然のスペシャル企画についてのアナウンス。なんと、まだ未公開の第2話を放送するというのだ。これには参加者も想定外だったようで、観客席は、拍手と歓声で多いに賑わった。
ストーリー展開としては、原作の中でも人気の夏目あさ子と佐々原 宗平が登場。夏目あさ子は、原作どおりの可愛らしさで男性ファンを魅了しそうだ。また、佐々原宗平は、ワイルドな雰囲気を醸し出す吉田春とは打って変わって健全で明朗なイメージ。このように作中の主要キャラクターが顔を合わせて行く状況が描かれている。未公開エピソードを見る事が出来たファンは喜びを隠しきれない様子。イベントが終了し、照明がついてからは暫しざわめきが続いた。
なお、この試写会イベントは、映像学部の学生たちとアニプレックスとの共同による『となりの怪物くん』キャンペーンの一環。今後、5名の学生たちを中心に、大学内食堂でのコラボメニューや、大学内書店でのキャンペーンなども予定されている。
今回、このような形で学生との共同プロモーションを進めて来た理由として、「アニメの宣伝の定石化が進む中、凝り固まった考えでは思いつかない斬新なアイデアが欲しかった」と黒崎宣伝プロデューサーは指摘する。『となりの怪物くん』をきっかけとした学生たちの新たな取り組みに期待したい。
《animeanime》
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