コミコン進出、次はネット企業? YouTubeが期間中、映像紹介ラウンジオープン
コミックス出版社は勿論、映画会社、放送局、玩具会社、ゲーム会社とさまざまエンタテイメント企業が姿を見せるコミコンに、2012年はまた新たな企業が姿を見せた。動画配信・共有サイトの大手YouTubeである。
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動画配信・共有サイトの大手YouTubeである。YouTubeは、コミコンの会場から歩いて10分程のダウンタウンの中に「The YouTube Fan Lounge」というスペース設けている。
ビルの1階フロアをまるまる借り切ったこのスペースは、かなりの大きさだ。YouTubeが製作する独自番組の紹介や、番組に関連したライブ配信のスペースを設けるなどエンタテイメント性に溢れている。そして、かなりお金をかけている様子だ。
ピックアップする番組は、アメコミの巨匠スタン・リーが出演する「Stan Lee’s World of Heroes」や「Geek & Sundry」、「Nerdist」、「Blackbox TV」などだ。コミコンをかなり意識したラインナップになっている。
かなり力を入れたスペースだが、この「The YouTube Fan Lounge」はコミコンの正式企画ではない。近年はコンベンション会場の企業スペースはいつも完売状態、新規出展企業は何年にもわたるウェイティングリストになっている。大型スペースを確保することはかなり難しい。
そこで最近は、会場の外に非公式のイベント会場を設けるケースが増えている。任天堂やセガ、EA、IGN、Xboxなど…、非公式であるがゆえにその数や規模も不明だ。
特徴的なのはゲーム関連企業が多いことだ。過去十数年間のコミコンの歴史は、コミックから始まったイベントに映画・テレビ業界、玩具業界、ゲーム業界が次々に雪崩込んできたものだ。そのもっとも新しい参入者ゲーム会社が、会場の外に押しだされているわけである。
そして、2012年のYouTubeである。コミックス・出版、映画・テレビ番組・アニメーションは、急激な勢いでデジタル化が進んでいる。各企業のメディアミックス戦略には、必ずデジタル配信が絡められる。コミコンでの様々な発表でも同様だ。
ところがコミコンの会場には、HuluもアマゾンもNetflixも見当たらない。しかし、業界の新たなトレンドであるデジタルコンテンツ・配信企業がコミコンに関心を持っても不思議ではない。2012年のYouTubeの動きが、今後さらに広がるのか?エンタテインメントコンテンツとデジタル配信との関係から興味深いところだ。
[数土直志]
《animeanime》
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