現存十数冊 幻の「UTOPIA 最後の世界大戦」を完全復刻
1953年に描き下ろした『UTOPIA 最後の世界大戦』の完全復刻本が、小学館クリエイティブより刊行された。本書は足塚不二雄名義で描いた
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本書は足塚不二雄名義で描いたもので、二人の単行本デビュー作、そして最初で最後の描き下ろし作品である。単行本化は、手塚治虫さんの紹介で実現したという。
『UTOPIA 最後の世界大戦』は、第三次世界大戦でS連邦が使用した氷素爆弾で凍りついた地球の100年後が舞台となる。100年後に蘇った少年は、科学文明の発達しユートピアとなった地球に出会うが、それはロボットに支配される偽りの世界だった・・・。
60年近くも描かれたSFには、現在のマンガ文化の原点をも感じさせる。藤子・F・不二雄さんと藤子不二雄Aさんの初期の仕事を知るうえで貴重な作品だ。
戦後初期に刊行されたマンガ単行本の多くは、現存数が極めて少ないものが多い。『UTOPIA 最後の世界大戦』は、そのなかでも数が少なく原本は世界に十数冊しか存在しないとされている。今回は、マンガ家松本零士さんが所有する本などをもとに、2色の本文を忠実に再現した。
作品自体は、これまでにも2度復刻されている。しかし、その際には表紙を藤子さんが新たに描き、また原本でカップリングされていた他の作家の作品『覆面団』を外したかたちとなっていた。今回は表紙に当初の大城のぼるさんが描いたものを採用、『覆面団』も収録する。まさに幻の本、そのままのかたちで、資料性の高いものとなる。
価格は税込3990円、B6ba版で箱入り、さらに32ページに及ぶ解説がつく。さらに初回本のみの購入特典として、作品に登場するオリジナルロボット型ペーパークラフトが封入される。
『UTOPIA 最後の世界大戦』
/http://www.shogakukan-cr.jp/utopia/
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