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それだけに「ノイタミナ」の対する関心は高く、関係者やメディアが集まった発表会場は立ち見が出るほどの満員となった。そうしたなか披露されたのは、2011年1月の新番組『フラクタル』、『放浪息子』、4月新番組『C』、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』、そして事前には告知されずサプライズとなった7月新番組『うさぎドロップ』と『NO.6』である。
このうち1月新番組、4月新番組は豪華なゲスト陣が出演し、2011年の「ノイタミナ」のスタートを盛り上げた。登壇は『フラクタル』から山本寛監督、原案 東浩紀さん、声優 花澤香菜さん、『放浪息子』はあおきえい監督、『C』は中村健治監督に総作画監督・アニメキャラクターデザイン橋本敬史さん、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』は長井龍雪監督、キャラクターデザインの田中将賀さんらである。
また、『放浪息子』のオープニングテーマを担当するダイスケさん、エンディングを担当するRie fuさんのふたりも登場し、ミニライブを披露した。さらに初公開のPVやスタッフ、新ビジュアル、ストーリープロットの紹介など、最新情報の一挙公開に会場が沸いた。
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『ノイタミナ』は2005年4月に、フジテレビが新しいアニメをコンセプトにスタートしたアニメ放映枠だ。その成功は、個性的な作品を矢継ぎ早に送り出すことで放映枠自体のブランド化に成功したことである。
国内での深夜アニメでは、毎期、新作タイトルが大量に放映される。そのため良作でありながら埋もれてしまうことも多い。放映枠をブランディングすることで作品の注目度を挙げることは、1クール、十数話という短いシリーズが多い「ノイタミナ」にとって大きな効果があった。
これはオリジナル作品にも言える。今回の発表会では、2011年の「ノイタミナ」の特徴としてオリジナルの増加が挙がった。2011年の全8作品のうち5作品が完全オリジナルになる。
オリジナル作品は知名度が低いうえが故に、放映前の認知度の向上やプロモーションで苦戦しがちだ。「ノイタミナ」のブランドがこれを補完することで、プロモーション効果が期待出来るから実現可能と言えないだろう。
一方、そうした「ノイタミナ」は、2010年4月に大きな転機を迎えた。それまで、1シーズン1作品だったのが1シーズン2作品の一時間枠に拡大した。作品数が拡大したことで、関わる企業も増え、作品のバリエーションも広がる。
今回2回目となつたラインナップ発表会も、こうした作品拡大を背景に、より効果的なプロモーションを目指したものだ。クリエイターや作品の多彩さをアピールすることで、「ノイタミナ」のパワーをさらに拡大する。昨年のAR(拡張現実)を取り入れた発表会に続き、今年はゲスト陣によるトークショーのネット中継というユニークな試みを行った。「ノイタミナ」の新たな試みは、まだまだ続くようだ。
「ノイタミナ」 公式サイト /http://noitamina.tv/
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