公開初日の7月17日には、東京・TOHOシネマズスカラ座で初日舞台挨拶が行われた。この日登壇したのは、米林宏昌監督、鈴木敏夫プロデューサーのほか、映画で声の出演をした志田未来さん、神木隆之介さん、大竹しのぶさん、竹下景子さん、三浦友和さんとという豪華俳優陣、そしてその美声を買われてフランスから映画音楽に参加したセシル・コルベルさんである。劇場を埋めつくした観客の前で、映画に対する思い入れを披露した。
『借りぐらしのアリエッティ』はスタジオジブリの劇場映画では、2008年公開の『崖のうえのポニョ』以来2年ぶりとなる。イギリスの児童文学作家メアリー・ノートンの『床下の小人たち』を原作とした本作は、少年、少女、ファンタジー、自然といったこれまでスタジオジブリ作品の王道を踏襲している。多くのファンが待ち望んでいた作品と言っていいだろう。
一方で、これまでにない挑戦もある。今回監督に起用された米林宏昌監督は37歳、本作が初の監督作品だ。スタジオジブリにとっても、史上最年少の監督となる。宮崎駿監督の企画・脚本を見事に映像化した。
米林監督は作品について、「床上の3人と床下の3人、そしてもう1人、もの凄く少ない人数の映画です。映画を作るうえで存在感のあるキャラクターを考えていました。存在感のある俳優さんばかりで、存在感がある演技になりました。素晴らしい声をありがとうございます」と、大物ばかりの出演者にお礼を述べた。
主人公アリエッティを演じた志田さんは、「タイミングが合わなくてすごく難しかった」と当初は苦労した様子。それでも「小さい頃からジブリ作品で育ちましたから」とうれしい様子。
大竹しのぶさんは、「絵の中の人に合わせるお芝居は新鮮でした。はまってしまいました」。こちらもかなり入れ込んだようだ。「二人の子どもたちはジブリ映画で育って、セリフも全部覚えるほど」と作品への馴染み深さを紹介。
子どもと一緒にジブリ作品を観てきた竹下景子さんも、「家族も喜んでくれました。家での株があがりました」と本作に出演出来たことを喜んだ。
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『借りぐらしのアリエッティ』 公式サイト
/http://www.karigurashi.jp/