
今回初の舞台挨拶の檜山さんは「まさか板津役で舞台挨拶するとは思わなかった。嘘だろう!おい!」と表現。そして、公開から一ヶ月半もたった挨拶はあまりないパターンと驚いた。
板津役の檜山さんが登場するのは訳がある。今回は「AR(拡張現実)舞台挨拶」となっているためである。これは『東のエデン』の中で登場した「東のエデンシステム」を、劇場で再現するという大胆な試みだ。そこで劇中で、「世間コンピューター」を完成させた板津=檜山修之さんの出演となった。
ところが実際の檜山さんは、パソコンはソリティアしかやっていないと、普段はPCとあまり縁がないという。「さっぱり分からない。ついていけない」発言も。劇中のセリフは、役者としての技術で表現しているそうだ。そして、ARの実現を体験しながら、役者は面白いと舞台挨拶を楽しんでいた。
神山監督、木村さん、檜山さん、そして観客を驚かせた今回のAR舞台挨拶を実現させたもうひとつの主役が、「AR三兄弟」である。AR三兄弟はARを利用して様々な作品創作を行うユニット。今回は特定の物体をカメラで捉えるだけで、それに対して書き込まれた情報を画面に表示する「東のエデンシステム」を開発した。
このシステムは1月7日から吉祥寺パルコの「東のエデンプレミアショップ」で公開中だが、今回は劇場の大スクリーンに映し出した。AR三兄弟の解説で次々とスクリーンに現れる数々のシステム、インタラクティブな情報のやりとりなどに、満員の劇場は驚きの声で溢れた。
木村良平さんも、こうしたやりとりに参加。「これはすごい。すごい感動しました」とやはり驚きを隠せない様子だった。
神山監督はアニメ、SFで描いたことが、早くも現実化することに、作品で描いた時代はもうすぐそこに来る、このまま行けばさらに先に進むのではないかと満足な様子。
そして、今回の舞台挨拶に、「これだけの人が来てくれる。心から感謝します」と話す。これからもいいものを作って行きたいので、さらに『東のエデン』を広げてくれればうれしいです、と言葉を結んだ。

『東のエデン劇場版I The King of Eden』
2009年11月28日(土)公開
『東のエデン劇場版II Paradise Lost』
2010年3月公開
/http://juiz.jp/blog/
配給: アスミック・エース
原作・脚本・監督 神山健治
キャラクター原案 羽海野チカ