アングレーム公式セレクション発表 各部門に日本マンガ作品
そのアングレームが2010年の開催に向けて、公式セレクション(SÉLECTION OFFICIELLE)、ユースコレクション(SÉLECTION JEUNESSE 2010)、遺産賞候補作品(SÉLECTION PATRIMOINE 2010)を発表した。いずれのカテゴリーにも日本マンガの翻訳出版作品が含まれている。
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特にイベントに合わせて発表される公式セレクション、その後のセレクションをもとにした各賞の選考は、近年、日本のマンガが多数選ばれることもあり、日本でも注目が増している。現在は、この分野では世界で最も知られるイベントである。
そのアングレームが2010年の開催に向けて、公式セレクション(SÉLECTION OFFICIELLE)、ユースセレクション(SÉLECTION JEUNESSE 2010)、遺産賞候補作品(SÉLECTION PATRIMOINE 2010)を発表した。いずれのカテゴリーにも日本マンガの翻訳出版作品が含まれている。フランスでは依然日本のマンガに高い関心が集っている。
今回の公式セレクションは58作品である。一見は数が多く見えるが、このリストの中からほとんどの賞が選ばれる。実際はさほど多さを感じさせない。日本マンガからは3作品の名前を挙げられた。間瀬元朗さんの『イキガミ 1巻』、本宮ひろ志さん『まだ、生きている・・・』、そして福谷たかしさんの『レジェンドどくだみ荘伝説』である。
間瀬元朗さんの『イキガミ 1巻』は、人の死を知らせる職業につく主人公のSFマンガ、死を宣告された人間たちを描く。2008年に映画化もされている。
本宮ひろ志さんは『俺の空』、『サラリーマン金太郎』などで知られるが、『まだ、生きている・・・』はサラリーマンのリストラをテーマにした異色マンガである。アングレームは、マンガに対して文学性、芸術性、シリアスさを求めている面が強く、そうした選択がこの2作品からも伺われる。
アングレームのもうひとつの特徴は、日本の古い作品の掘り起こしである。1980年代に人気を呼んだ福谷たかしさんの『レジェンドどくだみ荘伝説』はそうしたひとつであろう。
また、ユースセレクションは、子供向けの作品が対象になる。今回は20作品がリストアップされた。 ユースセレクションにも日本の作品が複数挙がっている。
手塚治虫さんの『鉄腕アトム アンソロジー2巻』、真島ヒロさん『FAIRY TAIL 9巻』、さらに島田洋七さんの原作を石川サブロウさんが作画した『がばい 佐賀のがばいばあちゃん』である。
50年以上前の作品である『鉄腕アトム』、現在進行形の『フェアリーテール』、そしてタレントが原作となる自伝的作品と海外ならではのユニークなセレクトになっている。
また、未来に残したい作品として選ばれる遺産賞には、8作品のうち2作品が日本からの作品となった。石ノ森章太郎さんの『サイボーグ009』と手塚治虫さんの『おれは猿飛だ』である。遺産賞はその賞のテーマから、現在の作家というよりも、既にキャリアを十分築いている巨匠が選ばれることが多い。
日本の二人の作家も伴に故人であり、日本のマンガ史に名を残す巨匠だ。こうした作品が賞の候補に挙がることは勿論だが、むしろ作品が翻訳出版されてフランスできちんと読まれているということが日本のマンガ関係者、ファンにとってもうれしいことでないだろうか。
アングレーム国際コミック(バンド・デシネ)フェスティバル
(Festival International de la Bande Dessinée)
/http://www.bdangouleme.com/
[公式セレクション(日本マンガ)]
『イキガミ 1巻』 間瀬元朗
『まだ、生きている・・・』 本宮ひろ志
『レジェンドどくだみ荘伝説』 福谷たかし
[ユースセレクション(日本マンガ)]
『鉄腕アトム アンソロジー2巻』 手塚治虫
『FAIRY TAIL 9巻』 真島ヒロ
『がばい 佐賀のがばいばあちゃん』 原作:島田洋七 作画:石川サブロウ
[遺産賞(日本マンガ)]
『サイボーグ009』 石ノ森章太郎
『おれは猿飛だ』 手塚治虫
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