会場には、映像甲子園に参加した高校生たち、デジタルクリエーターズコンペティションを受賞した若手アーティスト、そしてデジタルコンテンツグランプリの受賞者が集まった。クリエイターの卵から最先端で活躍するプロフェッシナルが、一同に会した。
今年デジタルコンテンツグランプリにはアニメやキャラクター関係の受賞が多く、授賞式でもアニメファンにもなじみ作品やクリエイター、会社の名前が並んだ。
経済大臣賞は細田守監督の劇場アニメ『サマーウォーズ』、コンテンツ制作スタッフ賞の京都アニメーション、錦賞「富山観光アニメプロジェクト」のピーエーワークス、ビリッチ、ファンワークス、さらに審査員特別賞の『機動戦士ガンダム』RX-78-2ガンダム実物大18m立像などである。
また、審査員特別賞の人物表彰は、今年なくなられたアニメーター金田伊功氏が受賞している。授賞式では、アニドウ代表のなみきたかし氏が賞状を受け取った。
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経済大臣賞を受賞した細田監督はその挨拶で、「アニメーション映画は日本独特の発展を遂げた面白い世界です。アニメーションの世界の可能性を信じて作品を作っています」とその制作について語った。
また、「それでも作品の傾向は片寄りがちです。そのポテンシャルを十分発揮出来ていない。今回の受賞は同業者たちやアニメーションを作る人たちに、そうでなくてもやっていけることを示しました」と受賞を喜んだ。
映画のエグゼクティブプロデューサーの奥田誠二氏は、受賞について映画がマーケットでの成功と評価の高さで両立したことを素晴らしいと語った。
そして、「映画には現在、世界各地の映画祭から引き合いがある。これから世界中のマーケットでやって行きたい」「自分の身の周りを丁寧に描いた作品。世界中に伝えることが出来る」と『サマーウォーズ』の世界展開に意欲を見せた。
審査委員長の妹尾堅一郎氏は、『サマーウォーズ』は日本のデジタルコンテンツを磨き上げた境地と評し、さらにDCAJ会長賞を受賞した芸者東京エンターティンメントによる『電脳フィギア ARris』を従来の常識を超えたイノベーターと述べた。
今回のデジタルコンテンツグランプリは、今後さらに磨くべき伝統モデルが見えてきたこと、そして壊すべきモデルも見えてきたことを特徴とした。そのうえで、これはデジタルコンテンツもまた、歴史となり始めていることを示しているのだと語った。
デジタルコンテンツ協会 /http://www.dcaj.org/
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