長年にわたって愛されてきた人気マンガ『ゴルゴ13』の作者、そして日本のマンガ、特に劇画の基礎を築いたさいとう氏だけに、マンガ業界の大物が集まる華やかなパーティーとなった。
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会に先立って行われた鏡開き、乾杯には、北見けんいち氏、黒鉄ヒロシ氏、高井研一郎氏、ちばてつや氏、つのだじろう氏、永井豪氏、藤子不二雄A氏、古谷三敏氏といった日本のマンガ界を支えてきた大物マンガ家が並んだ。
また出版人を代表して小学館の相賀昌宏社長が乾杯の音頭を取り、リイド社の斎藤發司社長の手からさいとう氏に、鷹をモチーフにしたクリスタル製の彫刻が記念品として贈呈された。
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非常に華やかな中で行われた『ゴルゴ13』の40周年記念だが、さいとう氏自身は当初はあまりそれを意識していなかった。
さいとう氏によれば、今年40歳になる知人が「僕は『ゴルゴ13』と同じ年なんです」というのを聞いて初めて意識したという。「『ゴルゴ13』の連載開始時に生まれた子供が、こんな年になったのだ」と感じたそうだ。
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さいとう氏と同時代を生きてきた藤子不二雄A氏は、そんなさいとう氏に対して「ひとつの作品が40年も続くことは大変なこと。読者の支持もなければ続かない」とその業績を讃える。
特に『ゴルゴ13』の凄いところは、この40年間に連載の原稿を落としたこともなければ、一度も休載をしたことがないことだ。小学館の相賀社長も挨拶の際に、さいとう氏の素晴らしさのひとつとして特に強調していた。
しかし、さいとう氏は「40年間続けられたのは、プロフェッショナルだから」と受け流す。「昔、先輩のなかに人気が出ると原稿を落とすことがステイタスのように考えている人達がいたのに対して反発を感じた」という若い頃の経験を語った。
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では40年間、単行本150冊まで続いた『ゴルゴ13』は、今後のどのように展開するのだろうか。実はさいとう氏によれば最終回の構想はもう決まっているという。始まりと最後だけ決まっていれば、途中を描いていくのは楽だと笑う。
パーティーの会場の一角には、単行本やDVD、CD、フイギュア、ゴルフクラブからパンツまで、様々な『ゴルゴ13』グッズが展示されていた。また、今年は『ゴルゴ13』のテレビアニメ化もされている。
さいとう氏の描く『ゴルゴ13』の連載はまだまだ続きそうだ。それと伴に、こうした様々な『ゴルゴ13』の世界はまだまだ広がるだろう。