最初に、ゲームの開発と発売を行うレベルファイブの日野晃博社長が挨拶を行った。同社は『ドラゴンクエストVIII』『ドラゴンクエストIX』のなど、数々のRPGシリーズの開発元としてファンからの信頼が厚い。
また、昨年発売した『レイトン教授』シリーズは累計173万本のリリースを記録した。日野社長は「子ども向けを最も意識し、子どもたちを唸らせるような徹底的なチューニングを行った」と自信を覗かせる。
ゲームはRPGパートとアクションサッカーパートに分かれている。RPGパートでは廃部寸前である雷門中の弱小サッカー部のキャプテン、円堂守が選手を集め、育成していくストーリーである。
アクションパートではDSのタッチペンを使った戦略的なフォーメーションができるほか、「ファイアトルネード」といった児童向けマンガらしい必殺技が盛りだくさんの内容である。登場キャラクターは1000人以上で、RPGパートで集めたキャラクターは通信対戦で使うことができる。
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プロジェクトは5月15日のコロコロコミック6月号からスタートする。マンガを執筆するのは、やぶのてんや先生。連載初回は、別冊で68ページという大型のものになる。その後、8月22日にゲームが発売される。その後にアニメの放送がスタートし、カードゲームの発売が控えている。
またこのプロジェクトでは、大ヒットコンテンツ『ポケットモンスター』をプロデュースした企業がパートナーを組む。
小学館キャラクター事業センターセンター長の久保雅一氏、コロコロコミック編集長の佐上靖之氏、アニメ制作を行うOLM社長の奥野敏聡氏、トレーディングカードゲームをプロデュースする三井物産メディア事業部映像コンテンツ事業室室長の森内譲氏が登場した。
久保氏は「ゲームを中心に、コロコロ、おはスタ、テレビアニメが連動して行くが、これだけでは成功の方程式とは言えない。重要なことはそれぞれのメディアが連携を取ることで、地道で具体的な作業となる。メディアの責任者のモチベーションの高さを高い所でキープすることが企画の合否を決めるポイントと認識している」と語った。
佐上編集長は「男の子にと勝つことや諦めないこと、努力をし続けるといった普遍的なテーマを盛り込めた手応えがあるマンガができあがった」とアピールした。
OLMの奥野社長はアニメの概要について説明を行った。監督は『モンキーターン』の秋山勝仁さん、シリーズ構成は「ポケモンシリーズ」の冨岡淳広さんである。
アニメのキャラクター設定画や美術設定も公開された。キャラクターはゲームと比べ、シャープなデザインになっている。また、スタジアムは3DCGで制作される。また、劇場版やスピンオフ作品も視野に入れているという。
三井物産は『デュエルマスターズ』の展開で成功を収めたパートナーである。森内氏はトレカ市場について説明を行った。国内はおよそ650億円で安定しており、北米でも同規模があるとされる。そしてトレカを成功に導くのは原作の力、メディアサポート、トレカ自身の面白さであると語り、現在テストを入念に行っていると説明した。
スペシャルゲストには元サッカー日本代表で、現在はJFAアンバサダーとしてサッカーの普及活動を行っている小倉隆史さんが登場した。
小倉さんは始動しているサッカー少年達に実際にゲームをプレイしてもらったVTRを紹介した。VTR内での子どもたちは「最初、操作が難しかったが慣れると簡単」や「必殺技が楽しい」といった反応を示し、好評を博した。
その後の日野社長のトークセッションでは、小倉さんたちが少年の頃、某サッカーマンガが一世を風靡し、世界中でサッカーの裾野が広がったように、ゲームをきっかけにして実際のサッカーと相互に親しむ機会をもたらしたいといった内容が語られた。
最後に、サプライズとして据え置き型ハードのゲーム『イナズマイレブン ブレイク!!』のムービーが公開された。現在、開発の初期段階としながらも家庭用機ならではのグラフィックや新たな楽しみ方を予感させる。対応ハード、発売日とも現在は未定である。
久保氏が「過去に一緒に仕事をしたことのある仲間で、これまでにやってきた企画は外したことがありません」と語るように、サッカーという世界規模を見据えたポケモン級のヒットを予感させる大型企画である。コンテンツ業界全体が、今後のこのプロジェクトに要注目である。
『イナズマイレブン』公式サイト /http://www.inazuma.jp/