収録されるのは劇場デビュー作『ほしのこえ』から最新作『秒速5センチメートル』までの全劇場作品に加え、長野県限定で流された信濃毎日新聞のCF作品『大切なことを伝える』までからの400点以上の背景美術画である。
それぞれの背景は、作中と同じデータを使い、可能な限りトリミングをしないで収録した。また、CG効果を加える前の美術画そのままの収録も行っている。このほか新海監督を含む10人の美術スタッフへのインタビューや制作環境を取材しその映像技法の魅力に迫る内容となっている。
新海誠監督の美術画集が発売されることは、その作風を考えれば不思議なことではないだろう。新海監督作品の魅力の一つは背景美術の美しさである。
新海誠監督は、劇場デビュー作の『ほしのこえ』からその作品の背景の美しさが注目を集め、専門誌でも特集が何度も組まれたほどである。元々、こうした背景美術の素晴らしさはゲームメーカーでムービーを作っていた頃から定評があった。
新海監督は実写を元にCGで光や空気感を加減して、独自の世界観を作りだす。そうした完成度の高さは、多数の新海風の作家が出てきても追随を許さない。
今回の画集は新海監督の魅力をじっくり眺めることができる絶好のアイテムとなるだろう。
また、このほか4月18日に劇場2作目の『雲のむこう、約束の場所』と3作目の『秒速5センチメートル』のブルーレイディスクが発売になり、HD DVD版も初回限定で生産が行われる。
新海監督は、背景の美しさをより引き出すためハイビジョンの解像度で制作を行っている。そのため家庭でより美しく再現したいファンからは、次世代ディスクでの発売の希望が早い段階から集まっていた。こちらも目が離せないアイテムである。
新海誠 美術画集 空の記憶
新海誠
コミックス・ウェーブ・フィルム アフタヌーンKCピース
2800円(税込)
発行: 講談社
4月25日(金)発売
新海誠 個人サイト /http://www2.odn.ne.jp/~ccs50140/
コミックス・ウェーブ・フィルム /http://www.cwfilms.jp/
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(c)Makoto shinkai/CoMix Wave Films