ゲーム内経済学とその意義:レポート
オンラインゲーム開発やマーケットなどの問題点などが議題に多いAOGC(アジアオンラインゲームコンファレンス)2006東京の中で、(財)金融情報センターの山口浩氏の講演「ゲーム内経済学とその意義」は異彩を放っていた。
ゲームそのものというよりも、MMOPRGの世
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ゲームそのものというよりも、MMOPRGの世界を一般的な経済学の分野からのアプローチを試みていたためである。講演の内容は、アカデミックな経済学の講義のようだった。
しかし、それが全く場違いということはなく、むしろオンラインゲーム業界で現在問題になっているRMT(リアル・マネー・トレード)の発生理由などをうまく説明していた。
山口氏はオンラインゲーム内のアイテムの価格が変動することを、貨幣の需供バランスの考え方から必然的に起こるものだと考える。また、ゲームの外でのお金のやりとりが発生するRMTをゲームの世界と現実の世界の貿易と見立てる。
そのうえで、RMT問題の存在は、ゲームデザインに起因するものであり強権を持って禁止するのは効果的でないと考える。同氏によれば、その解決方法は課金方式の変更やRMTを認めるサーバーの設置、RMT業者のゲーム内への取り込みなどである。
こうした経済学のオンラインゲームへの応用は、ほかにも効用(満足感)を得るための資産配分と時間配分のモデルなど随所に見られた。
広がりのある講演内容に対する時間の不足とモデルに合わせるためにやや強引に感じた説明もあった。しかし、人的コミュニティからなるオンラインゲームにはこうした社会的、経済的分析も今後は必要となってくる。
そうした意味で、この講演は問題を投げかけるという意味でも大きな役割があったといえるだろう。
/AOGC2006東京
「ゲーム内経済学とその意義」
2月10日 東京・日本教育会館
山口浩
《animeanime》