米OTAKONから締め出される 版権物同人活動(1/29)
アメリカの大手アニメコンベンションとして知られるOTAKONは、今年から同人作品発表のアーティスト・アレイで、著作権者の許諾を受けていない同人作品の販売を認めない方針だという。
OTACONは、毎年8月にアメリカ東部のボルチモア市で開催される全米有数の大規
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OTACONは、毎年8月にアメリカ東部のボルチモア市で開催される全米有数の大規模なアニメコンベンションである。これまでも他のイベントと同様に、アマチュアからプロまでの幅広いアーティストが自作を紹介するアーティスト・アレイ・セクションを設けてきた。
今回、問題とされたのは、このうち既存のアニメやマンガ・音楽作品を基に制作されたイラストやマンガ、音楽の同人作品である。日本でいう版権物の同人活動と呼ばれる部分にあたる。
OTAKONの事務局は、今年からこうした作品は、著作権者の許可を受けていなければ販売は認めないとしている。近年、米国のコンベンションでは海賊版DVDの持ち込み禁止など、著作権遵守により強い処置が取られる傾向にある。
今回は、同人作品についてもより厳しい基準を適用したといえるだろう。今回はOTAKONだけの動きであるが、こうした動きは今後も他のイベントに広がる可能性は高い。
ただし、現在、明確に禁止しているのは既存の作品をベースにした作品の販売活動のみである。著作権を取っていない同人作品の展示については、現在検討中であるとしている。また、コスプレについても、特に触れていない。
日本とアメリカ、ヨーロッパなどのアニメ・マンガイベントの最も大きな違いは、日本は同人誌即売が中心なのに対して、欧米はゲスト講演やコスプレショーなどが中心なことである。実際に、日本ほどマンガ同人誌の活動が活発な国はないであろう。
この理由は不明だが、そのひとつに海外ではアニメやマンガのキャラクターの権利保有者が、同人誌活動に対して日本より厳しい姿勢を持っていることにあるのでないかとの指摘もある。
作品の生まれた日本で同人誌活動による作品・キャラクターが、ほとんど黙認されている一方で、海外でそれらが禁止されるという状況は興味深い。そして、いわゆる版権物の同人誌なしでも海外の同人活動が活発になるのか、それとも、日本の同人誌イベントの盛況は日本だけの特異な存在で終わるのかも気になるところだ。
/OTAKON
《追記1月30日》
海外の大手アニメ情報サイトのアニメニューズネットワークによると、OTAKONによる版権物同人作品の販売禁止は検討段階で、決定事項ではないという。
これは、同サイトがオタコンの主要スタッフに確認したもので、最終的な方針は今後発表されるとしている。
/アニメニューズネットワーク
ANNの記事
/Addendum:Otakon Fanart Policy(OTAKONのファンアート方針:追加)
《追記2月3日》
新たにOTAKONの正式発表が出された。コメントによれば、コンベンションでの2次創作活動を全面的に禁止する意図はない、またアーティスト・アレイでの販売活動は法律家の検討の元で新たなガイドラインを作成するとなっている。
まだまだ流動的だが、コスプレや販売を伴わない作品発表は認められるようだ。
オタコンのコメントについては、『英語で!アニメ・マンガ』さんの翻訳が参考になります。
/英語で!アニメ・マンガ /アメリカで2次創作物に未来はあるか?
《animeanime》