プロダクションIG新作は土曜夕方
5月9日に東京大学安田講堂で「東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム」公開講座の一環としてプロダクションI.Gの石川光久社長、押井守監督らを中心とした『アニメーションの最前線を語る』と題された講演が開催された。あわせて10月よりMBS
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今回、注目すべきなの『Blood+』が土曜日6時というアニメ番組のゴールデンタイムといえる時間に放映されることである。この時間帯は『機動戦士ガンダムSEED』シリーズや『鋼の錬金術師』といった大ヒット作品を送りだして来た時間帯である。
この時間に、マニアには受けても一般には知名度が低いプロダクションI.Gの作品を持ってきたことは一見すると冒険にみえる。しかし、その背景には深夜帯でヒットを続ける『攻殻機動隊Stand Alone Complex』シリーズの実績があるだろう。さらには、プロダクションIGのビジネスの方向性の大きな転換もある。昨年の大作劇場アニメ『イノセンス』の公開後、プロダクションIGはこれまでのハイクオリティーだがマニア向けと思われていた会社のイメージを一新しつつある。
それは最近のキリンレモンのCMアニメやテレビ朝日スーパーベースボールのオープニングアニメの制作を手掛けたことや、米国カートゥーンネットワーク向けの『IGPX』の制作に見て取れる。手堅いけれど広がりに欠けると思われていたマニア向けの作品からさらに大衆市場、海外市場に向かうことで拡大を図っていこうとしているようだ。
しかし、その拡大の中にもこれまでのI.Gのテーストは色濃く残っており、I.Gのカラーを残したうえでこうした市場に参入したいという考えがあるようだ。それは、土曜の6時に敢えてマニア向け作品であった『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の展開作品を選んだことでも理解出来る。
1980年代後半より日本のアニメはマニア向けと大衆向けとの極端な分化が進み、ムーブメントとして社会を巻き込んだヒットアニメが生まれ難くなっている。『Blood+』が放映される時間帯で先に放映された『機動戦士ガンダムSEED』や『鋼の錬金術師』は、そうした分断の一部突き崩することで大ヒット作品となり得た。『Blood+』が、こうした流れをさらに決定づけるのかが気になるところだ。
そして、マニア向けの会社と思われてきたたプロダクションI.Gがマニア向けも大衆向けも制作出来る新しいタイプのアニメスタジオに脱皮出来るかも注目である。
/Blood+公式ページ
/プロダクションI.G
《animeanime》