中国国際アニメ・マンガフェスティバル説明会 レポート | アニメ!アニメ!

中国国際アニメ・マンガフェスティバル説明会 レポート

 本年6月1日から5日まで中国の浙江省・杭州市で中国初の国家レベルのアニメ・マンガのイベントである第1回中国国際アニメ・マンガフィスティバルが開催される。今回、このイベントのための説明会がアジアITビジネス研究会の主催で開催された。
 このイベントの開催は

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 本年6月1日から5日まで中国の浙江省・杭州市で中国初の国家レベルのアニメ・マンガのイベントである第1回中国国際アニメ・マンガフィスティバルが開催される。今回、このイベントのための説明会がアジアITビジネス研究会の主催で開催された。
 このイベントの開催は、浙江省・杭州市が9つの省との競争で獲得したものである。主催者が中国の放送業の元締めである中国国家広播電影電視総局ある点や、スポンサーにNETEASEやSINA.COM、中央電視台、SOHU.COMなど大手のメディアが名前を連ねているなど、これが国家的なイベントであることを感じさせる。
 イベントは企業による展示場スペースや物販ブース、さらにフォーラムやコスプレショーといった内容から構成される。5日間のうち前半3日間がビジネスのためのビジネスデイとなり、後半2日間が一般に開催される。昨年、杭州市で民間が開催したアニメイベントの来客が7、8万人だったことから、今回は20万人ぐらいを見込んでいるという。イメージとしては東京国際アニメフェアの中国版に近いようだ。

 今回の説明会はこのイベントの説明会であったが、私にはあまり魅力的映らなかった。観光として行くのであれば非常に面白そうだが、ビジネスとしてはどうであろうか。
 要は中国企業なり中国国家が日本に具体的に何を求めているのかよく判らないためである。日本アニメの大手放送局での放映や、正規のマンガ出版がほとんど認められない現状で日本企業が中国に進出した時にどういった利益があるのかがよく見えない。
 これはキャラクター商品の販売についても同様で、品質の高いニセモノ・模倣品が市場に出回っており、それが本格的に取り締まれない状況で、日本企業が自社製品に宣伝をかけることにどの程度メリットがあるのだろうか。
 唯一、現実的なのは、アニメ制作や商品開発における日中の合作である。しかし、今回の説明では実際に合作、合弁をした時の日本側のメリットが十分説明されなかった。こうした点をもっと説明出来れば、中国市場の魅力も伝わったに違いない。

 結局、日本企業にとってのメリットは、将来の巨大市場に他社に先駆けて市場を取るという不確かな未来への可能性である。しかし、先行して市場を取ることは、コンピュターのOSやネットポータルサイトのような寡占型のビジネスに当てはまっても、アニメやマンガのような市場に無数の作品(製品)が並立する商品には当てはまらない。
 例えば中国の自動車市場では近年、先行投資を行って大きなシェア持っていたフォルクスワーゲンが急激にシェアを落とし、後発組のホンダや現代が躍進している。商品さえよければ、売れるかどうかは進出した時期とはあまり関係ない。
 体力のある大企業が未来への投資として中国に進出しビジネスノウハウを蓄積するのは大切であろう。しかし、それ以外の企業が一発当てよう、あるいは将来のために中国進出することには懐疑的である。

『第1回中国国際アニメ・マンガフェスティバル説明会』
講師:佐々木潤二氏
主催:/アジアITビジネス研究会 

/第1回中国国際アニメ・マンガフェスティバル
主催:中国国家広播電影電視総局、浙江省人民政府
会期:2005年6月1日~5日(1日~3日ビジネスデイ、4日~5日一般デイ)

《animeanime》

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