はじめての手塚記念館
最近、関西に行く機会があり、前から行きたいと思っていた宝塚市立手塚治虫記念館に行って来た。手塚記念館に興味がある理由は2つある。1点目は今や伝説ともなった手塚治虫の業績自体への興味である。もう1点は観光施設としてのマンガコンテンツの機能についてである
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1点目の展示の内容は展示規模が思ったより小さく、手塚治虫の業績を掘り下げる点で十分とはいえず残念であった。一階の展示スペースがそうしたスペースにあてられていたが、展示品け観るのであれば2階の特別展も含めて30分もあれば十分という内容である。手塚治虫の遺品や価値のある初版本といった展示はあるが、手塚作品の世界や創作活動の軌跡を詳しく知りたいといった場合は物足らなさを感じるに違いない。
しかし、2階で開催されていた特別展『ブラックジャック展』は、「BJはなぜ無免許なのか」、「BJを愛した女性たち」といったテーマ別に豊富な原画を用いて作品をうまく解説した好企画であった。むしろ、作品ごとにこうしたな常設展を出来たらら面白いのでないかと感じた。
一方で、子供なら上映会やアニメ制作の体験教室、さらにマンガの閲覧コーナーといったものを目一杯利用すれば、かなり楽しめそうである。どちらかと言えば、大人が手塚を懐かしむために行く施設というよりも、子供のためのレクリェーション施設としての目的が強いのでないだろうか。単純な記念館よりそうしたものが人々から求められており、正しい方向性なのかもしれない。
まさにこの点が、マンガ・アニメコンテンツが観光施設になりうるかといった点に繋がる。こうした施設が国内外からの観光客にアピールするには、単なる個人の業績の展示施設だけでは物足らない。それだけでは、来客の満足度は低くなるであろう。
今回の手塚記念館のようにエンテーテイメントを重視することが個人業績の記念といった視点以上に求められるのかもしれない。あるいは、ジブリ美術館のようにジブリ作品に留まらず、一般的には知られていない内外の作品の紹介や研究活動の支援を行うといった展開も考えられるだろう。
手塚やジブリのような記念碑的な存在には当てはまらないが、同時代性の強いマンガやアニメといったコンテンツの記念館は数十年先には今ほどの人気がなくなり、経営が苦しくなる可能性が強い。そのためにもこうした施設は、単なる作品や個人の記念だけでは留まらない別の機能への広がりが必要とされている。
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