これが噂の中国製デスノート
中国のおたくの世界で『デスノート』の人気が凄まじい。勿論、人気があるといっても海賊版市場の話である。先頃、中国・上海に行ってきたのだが、現地で出回っている商品の種類や数から察すると、この作品が中国大陸のアニメ・漫画ファンの間ではアニメ化されていない
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私見になるが、海賊版商品の出回り具合から判断すると現在の中国でのアニメ・漫画人気は『NARUTO』が断トツの一番で、それに次ぐグループが『鋼の錬金術師』、『機動戦士ガンダムシリーズ』、『テニスの王子様』それに『デスノート』といった感じであった。
中国での『デスノート』というと、最近この作品をモデルに中国で製作された『デスノート』なる商品の話題が思い出される。商品は名前と死に方をノートに書き込まれるとその内容の通りの方法でその名前の人が死んでしまうという物語にちなんだもので、『DEATH NOTE』と名付けられた黒いノートである。中国では子供が遊びとして人の名前をノート書いて教育上良くないのではないか、過剰は反応はかえっておかしいのではと大論争を呼び起こした商品である。(下記産経新聞の記事参照)
この中国版『DEATH NOTE』を上海で入手した。ノートは黒いビニールの表紙にDEATE NOTEと書かれており、ノートの中は中国と英語でノートの使い方(人の殺し方?)が何ページも亘り丁寧に説明されている。ページを開くと、物語の進行に合わせて既に死亡者リストが記入済みである。1ページ目の音原田九郎から始まって、LIND・L・TAILO、恐田奇一郎などなど。さらには、丁寧に作られた化粧箱には死亡筆記・100%完全逐原・死亡筆記降臨人間・Cosplay必番珍品などと書かれておりおたく心をそそる。悔しいかな、恐ろしく出来がいい。細部のディテールとアイディアの両方に高いクオリティーを感じられる優れものである。
勿論、この商品も正式には中国大陸市場での商品展開を行なっていない『デスノート』の海賊版である。しかし、その商品としての品質とアイディアに中国の計り知れないパワーを感じる。上海で確認出来た海賊商品にはBANDAIならぬBENDIのフリーダムガンダムといったいかにも偽物的なものも少なくない。しかし、一方で『NARUTO』の手裏拳を再現したものや、テニスの王子様に出てくるラケットケースをそのままミニチュア化したペンシルケースなど日本では存在しない製品の中には日本の商品企画アイディアを越えているようなものも多い。
こうした商品開発における現地企業の一生懸命さはライセンスの存在を悪意でなくごく自然に無視している現地事情から生まれている。ライセンスがないゆえ競争が激しく、商品の競争力が価格もしくは商品そのものの魅力のどちらかに極端に偏るのだろう。
実際に、今回の『デスノート』の価格は上海の某所で20元(約270円)からおよそ30元(約410円)であった。この価格設定は、極端に小売価格の安い海賊版DVDや漫画に較べると現地価格でも絶対額でも決して安くない。価格でなく商品自体で競争をしているケースだと考えられる。それは所謂マニアを相手にビジネスを行なっているためだろう。
こうした、マニア人口は中国の経済成長と伴に今後も大きく成長するに違いない。難しいと思われている中国での著作権ビジネスであるが、マニア市場に限ってみれば、こうした中にビジネス展開の可能性があるのではないだろうか。
/デスノート公式サイト
産経新聞から関連記事 /中国で「死のノート」に賛否両論 日本の漫画が発火点
《animeanime》