『GONZO FESTA』レポート
GONZOの春の新作をファン向けに一足早く公開するGONZO FESTAが3月13日東京・新宿で開催された。イベントは、司会にカレイドスターのそら役の広橋涼さんらを迎え、ファンの熱気が漂う熱いイベントであった。また、各作品の主人公、ヒロインの声をあてる声優陣や制作ス
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イベントで紹介された作品は3作品、いずれも春からテレビ放映を開始するものである。その作品『バジリスク』と『スピードグラファー』は見所を編集した映像で、『トリニティブラッド』は第1話を紹介した。いずれも原作の内容も知らない話だったので、基礎知識なしで観られたので純粋に楽しめた。
3作品の中で物語として一番惹かれたのは、『スピードグラファー』である。少しフェティズムぽいネタを扱っているので、どの程度広く視聴者に受け入れられるは判らないが、特殊能力を持つジャーナリストといった設定は面白く、物語として新しい試みが多いように思えた。しかし、謎の美少女と物語に巻き込まれる男といった一歩間違うと陳腐になりかねない要素も見受けられた。物語をどこまで大胆に進められるかが今後の出来を左右しそうである。
その点『バジリスク』と『トリニティブラッド』は原作があるので、物語構成も人気も安心出来る作品であるだろう。上映された短い映像からの判断だけだが、良質の原作を丁寧にまとめあげたとの印象が強い。『トリニティブラッド』は、物語的に『ヴァンパイヤハンターD』と重なりが感じられたのが気になった。
これらの作品は、会場では多彩で幅広い作品と紹介されたが、むしろ観た感じはいかにもGONZO的な作品が集まったという印象が強かった。これら作品を観て感じるのは、GONZO作品の特徴の予算を十分かけて作ったクオリティーの高い作画、大人向けで複雑で高度な物語、広い意味でのSFであるという点である。
どの作品も一般向けというよりは、ハイエンドな作品を好むアニメファン向けである。クオリティーの維持に注意をすればマーケットはある程度確保されている作品と言える。また、こうした作品を好むファンは子供向けのアニメよりも、世界各国ごとの嗜好の違いが少なくグローバルな展開にも有利である。
こうした意味で、優れた原作を発掘し通常より多くの資金を制作にかけるGONZOのアニメはビジネス上も安心出来るものである。しかし、逆にこうしたアニメを好む市場の規模が限られており、この春にGONZOだけで3作品も制作されることに多少の不安を感じる。それは、他の制作会社のこういった作品も含めると供給過剰になり過ぎる懸念があるためだ。
GONZOは、今後は子供作品への展開も公表している。目先は来年公開予定の『ブレイブストーリー』がどの程度の支持を得られことにかかっているだろう。また、今回のイベントの中でも触れられた『カレイドスター』のような作品の展開をどの程度拡大出来るかも今後のGONZOの展開にとっては重要であろう。
/バジリスク公式サイト
/トリニティブラッド公式サイト
/スピードグラファー公式サイト
/GONZO
《animeanime》