聴く人に元気をくれる、"歌"。歌う人にとってもそれは同じこと。歌うことによって自分自身を表現する喜びを知り、自分らしく生きる力をもらう。歌が持つそんなパワーを教えてくれるアニメーション映画『SING/シング』が、3月17日に公開される。観た人の心に残るのは、全編に渡って流れる60曲以上の世界的ヒットソング。人々の人生を彩ってきた名曲たちが、登場キャラクターそれぞれの人生を代弁する。オリジナル版ではハリウッドスターたちが声と歌を務める本作だが、日本語吹き替え版も必見だ。誰もが認める実力派の俳優・声優たちが、キャラクターをより活き活きと動かし、歌を聴かせてくれる。あなたにきっと元気を与えてくれる、映画『SING/シング』の魅力、たっぷりと解説します!
動物だけが住む世界にある、大人気の劇場ムーンシアター。素晴らしい歌を聴かせるトップシンガーが舞台に立っていたけれど、それはもう過去の話だ。潰れかけたムーンシアターの再建を夢見るコアラの支配人バスター・ムーンは、劇場を復活させるためにある決断をした。それは街をあげての歌唱オーディションを開催すること! 優勝賞金を目指して集まった多くの応募者の中から決勝に進んだのは、6名の候補者。本当は歌うことが大好きなのに様々な事情が邪魔をして、自分を出せずにいるシンガーの卵ばかりだ。決勝戦に向けてレッスンを始めた候補者たち。一方バスターは友人であるヒツジのエディと共に、ボロボロの劇場を修復することに。ステージに立つのは初めての候補者たちは、決勝までにパフォーマンスを完成させることができるのか。そして多額の借金を抱えたバスターの運命は……。『ミニオンズ』や『ペット』を生んだイルミネーション・スタジオとユニバーサル・スタジオによる、極上のエンターテインメント・アニメーション!
この作品の見どころ(聴きどころ?)は、何といっても音楽。実に60曲以上のヒットソングが使われており、実際にキャストたちが感情たっぷりに歌っている。人生をあきらめかけていたブタの主婦ロジータは、ケイティ・ペリーの『ファイヤーワーク』を披露。「まだチャンスがある」と歌いながら、歓喜の花火を打ち上げる。自信過剰な性格が災いを呼んでしまうネズミのマイクが熱唱した『マイ・ウェイ』は、彼の人生そのもの。感動と笑いが入り混じるのも彼らしい。このように世代を超えた楽曲が使われていることも大きな魅力だ。ジェニファー・ハドソンが歌うザ・ビートルズの名曲『ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト』が、「知っている曲も初めて聴く曲も楽しんでほしい」という制作チームのメッセージを象徴しているのではないだろうか(ジェニファー・ハドソン本人もまた、オーディション番組出身の歌姫!)。それぞれのキャラクターの背景が浮かび上がってくる名曲たち。歌の歌詞をじっくり読んでみると、より理解が深まるに違いない。
マシュー・マコノヒー、スカーレット・ヨハンソンなどハリウッドスターが声を当てている本作だが、日本語吹き替え版も負けてはいない。エンターテインメントを愛してやまないコアラの劇場支配人バスター役は、芸人、監督、俳優とマルチな才能を発揮している内村光良。どんなにつらくても前向きなバスターの声と演技は、バスター役にぴったり。恋人にフラれてしまったヤマアラシの少女アッシュには、長澤まさみ。失恋の悲しみと音楽への思いをパンクロックに思いきりぶつける歌声は必聴だ。バスターが劇場に憧れを抱くきっかけとなった歌手で、エディの祖母でもあるヒツジのナナは大地真央。貫禄ある芝居で存在感を見せつける。さらに歌手の夢を捨てきれないゴリラのジョニーをスキマスイッチの大橋卓弥、内気であがり症だがパワフルな歌声を持つゾウのミーナをMISIA、お調子者で陽気なブタのグンターをトレンディエンジェルの斎藤司さんが演じる。
輝く場所を求めて歌唱オーディションにかける動物たち。人気の声優たちが、彼らをよりイキイキと動かしてくれる。25匹の子ブタたちの子育てと家事に忙殺されているブタのロジータ役は、声優で歌手の坂本真綾。秘めていた熱い想いを思いきり爆発させてくれる。山寺宏一が熱演するネズミのマイクは、物語をかき回す注目のキャラクター。フランク・シナトラなどの歌い方を研究しレコーディングに臨んだという歌にこだわりが感じられる。支配人バスターの右腕(?)であるトカゲのミス・クローリーには田中真弓。少年役が多い彼女だが、本作ではおっちょこちょいなおばあちゃんという新境地を見せる。そのほかバスターを支える親友のヒツジのエディを宮野真守が好演。谷山紀章、水樹奈々なども魅力的なキャラクターで出演しており、声優ファンも必見だ。
バスターの大親友であるヒツジのエディを演じた宮野真守さん。アーティストとしても絶大な人気を誇る宮野さんだが、演じたエディは歌うシーンのないキャラクター。しかし作品のどこかに、宮野さんが歌うシーンがあるという。一体どういうことなのだろうか? 日本語版ならではの見どころや、役の意気込みなど話を訊いた。
■ヘアメイク:Yoppy(C+)
■スタイリスト:横田勝広(YKP)
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ステーショナリーセット
3名様
動物だけが暮らすどこか人間世界と似た世界――取り壊し寸前の劇場支配人バスター・ムーン(コアラ)は、かつての栄光を取り戻すため世界最高の歌のオーディションを開催することに。主要候補は6名。極度のアガリ症のシャイなティーンエイジャーのミーナ(ゾウ)、ギャングファミリーを抜け出し歌手を夢見るジョニー(ゴリラ)、我が道を貫くパンクロックなティーンエイジャーのアッシュ(ヤマアラシ)、25匹の子ブタ達の育児に追われる主婦のロジータ(ブタ)、貪欲で高慢な自己チューのマイク(ハツカネズミ)、常にパーティー気分の陽気なグンター(ブタ)。人生を変えるチャンスを掴むため、彼らはオーディションに参加する!
吹替え版/演出:三間雅文
日本語吹替え版音楽プロデューサー:蔦谷好位置
日本語歌詞監修:いしわたり淳治
出演(吹替え版):
内村光良/MISIA/長澤まさみ/大橋卓弥(スキマスイッチ)/斎藤司(トレンディエンジェル)/山寺宏一/坂本真綾/田中真弓/宮野真守/大地真央
石塚運昇/谷山紀章/水樹奈々/木村昴/村瀬歩/柿原徹也/重本ことり/佐倉綾音
c Universal Studios.