「DAYS」つくしと一緒にサッカー学べる! サッカー初心者が「始めることに遅いも早いもない」を努力で証明【ワールドカップ連載コラム Vol.5】 | アニメ!アニメ!

「DAYS」つくしと一緒にサッカー学べる! サッカー初心者が「始めることに遅いも早いもない」を努力で証明【ワールドカップ連載コラム Vol.5】

ついに開幕となった「北中米ワールドカップ2026」。各国の代表が“優勝”を懸けて火花を散らすこの大会をより楽しむために、アニメの中の名試合を振り返ってみてはどうだろう。本連載では、名作から新定番まで、心を熱くさせるサッカーアニメ全8作品を紹介していく。第5回は、サッカー初心者・柄本つくしが名門高校で成長していく物語『DAYS』だ。

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ついに開幕となった「北中米ワールドカップ2026」。各国の代表が“優勝”を懸けて火花を散らすこの大会をより楽しむために、アニメの中の名試合を振り返ってみてはどうだろう。本連載では、名作から新定番まで、心を熱くさせるサッカーアニメ全8作品を紹介していく。第5回は、サッカー初心者・柄本つくしが名門高校で成長していく物語『DAYS』だ。

テレビアニメ『DAYS』

サッカーアニメと言えば『DAYS』を浮かべる人も多いだろう。「始めることに早いも遅いもない」ということを証明してくれるサッカー初心者の主人公の姿に何度も心を動かされた。

『DAYS』とは、安田剛士が描く本格派サッカー漫画を原作とした作品。柄本つくしと風間陣との出会いをきっかけに、名門・聖蹟高校サッカー部の仲間たちと汗と奇跡の青春を描いた物語だ。

名門サッカー部には、幼い頃からサッカーをしている人がほとんどだ。小学生や中学生の時には、「うまい」「天才」といわれていた人も、名門では通用せず、埋もれてしまうことも多い。

さらに、数多くの部員を抱えているチームでは、1軍とそれ以外で分けられることもある厳しい世界だ。そんな厳しい世界に、つくしは「サッカーがしたい」という純粋な気持ちを持って、高校から飛び込んだ。今回は、そんなつくしの成長と活躍を描くテレビアニメ『DAYS』の魅力を改めて紹介していく。

「走れる」という武器

どんなスポーツでも、スタミナは重要だ。決まった試合の時間、走りきるにも相当な努力が必要になる。見ているだけの客席からでも「走れる」という選手はよく目に映る。ピッチの端から端まで駆け抜けるそのスピードに何度驚かされただろうか。

ピンチの時もチャンスの時も「ここにいてくれたら」と思う場所に走りこむ選手がいる瞬間、会場は大きな歓声に包み込まれる。体格がよく、華やかなプレイで目立つスター選手も良いが、泥臭く、最後まで諦めない選手は、いつだってチームを支えている。

そんな泥臭さを持つのが『DAYS』の主人公・柄本つくしだ。つくしはサッカーをしたこともない素人だったが、風間からフットサルに誘われたことで、つくしはサッカーの魅力にハマっていく。

入部当初、つくしはサッカー部のみんなから下に見られていた。けれど、つくしはそんな視線を気にする暇もない。自分が下手であることを自覚しつつ、「サッカーが楽しい」「もっとみんなと一緒にいたい」という気持ちだけで、ひたむきにサッカーと向き合う。その結果、いつしか自分にできる「走る」という武器を磨いていくことになる。

その一生懸命な姿に、チームメイトだけでなくライバルたちまで心を動かされていく。

合宿で迎えた初試合、つくしは緊張しながらも、ただひたすら走り続けた。泥臭く、パスは甘い。ポジションも関係なく、走って、走って、それでも走る。とてもサッカーとは言えない出来だったかもしれない。

それでもチームメイトは、つくしに「今度(甘いパスを)やったらぶっ殺す!」と言いながら、「頭を使え!」「要領よくサボる癖をつけろ!」「任せるところは任せろ!」と、愛のあるアドバイスをいくつも投げかける。

つくしに振り回されながらも、チームメイトたちはまるで初心を思い出したかのように、楽しそうにピッチを駆け回る。そして、試合に勝ったとき、相手チームがつくしを馬鹿にしてきたときには、「こいつに負けたんだよ」「俺たちの自慢の仲間にな」と言ってしまうほど、つくしのことを認めていた。

風間もその一人。「天才」と呼ばれる風間は、チームメイトに恵まれず、サッカーを純粋に楽しむことができずにいた。しかし、つくしに出会ったことで、風間は再びサッカーを楽しめるようになったのだ。

実らない努力もある

名門サッカー部は人数が多い。筆者の出身はサッカー大国と言われていた静岡。サッカー人口も多く、高校もわりと有名なサッカー部があった。1軍、2軍、3軍まであり、レギュラーになれる人は一握りで、その一握りでプロになれる人はどのくらいいたのだろうか。

『DAYS』でも、その厳しさはしっかりと描かれている。中でも印象的なのは、インターハイのメンバー発表のシーンだ。

風間の名前が呼ばれ、つくしが「すごいな」と驚いている間に残りは1枠。つくしは、笠原という先輩のメンバー入りを祈っていた。しかし、呼ばれたのは自分の名前だった。選ばれなかった笠原の前で、つくしは思わず泣き出してしまう。それでも笠原は、悔しいはずなのに、つくしの努力が評価されたことを素直に喜び、シュート練習に付き合うことを申し出る。

それは誰にでもできることではない。笠原はつくしよりも長くこの強豪校で努力を続けてきた。しかも3年生。インターハイが最後の大会だった笠原の努力は、並大抵のものではなかっただろう。それでも、その努力が必ず報われるとは限らない。だからこそ、選ばれなかった悔しさをつくしにぶつけず、笑顔で背中を押した笠原の姿が切なく、胸に残るシーンとなっている。

全国を懸けた戦い…負けがチームを強くする

「最強チーム」「優勝候補」と呼ばれるチームが、必ず勝つとは限らない、それが現実だ。そんなリアルを描いているのが『DAYS』である。

つくしの所属する聖蹟高校は、インターハイ東京都予選の決勝でライバル校・都立桜木高校に敗れてしまう。主人公チームが必ず勝つわけではない、その“現実の痛み”を丁寧に描いているのが、この作品の真骨頂だ。

試合後には、落ち込むつくしやチームメイトの姿が描かれる。誰もが悔しさを抱えながら、自分の実力不足を痛感し、敗因をつくった責任を感じていたつくしの背中を、仲間たちが押す。

そこから、チームは選手権大会へ向けて再び動き出す。敗北を知ったからこそ、彼らは強くなるために強豪校が集まる合宿に参加し、それぞれの課題と真正面から向き合う。磨いた技と絆を胸に、聖蹟高校は再びピッチへ、選手権大会東京都予選に挑むのだ。

『DAYS』は、勝利の喜びだけでなく、敗北の痛みと再生の過程を丁寧に描いている。挫折を経て成長していく彼らの姿があるからこそ、この物語はより熱く、リアルに響く。

いくつからサッカーを始めてもいいということ、続けることの大切さ、そして「サッカー」が素晴らしい球技であることを教えてくれる。どんななきっかけであれ、全てのサッカーファンやサッカー選手を全肯定してくれる、この作品はこれからも多くの人に愛され続けるであろう。

テレビアニメ『DAYS』はワールドカップも楽しめる

この作品には、どこかワールドカップにも通じるものがある。『DAYS』は登場人物たちの関係性や成長だけでなく、サッカーの戦略や戦術も丁寧に描いている。

たとえば、DF(ディフェンダー)に焦点を当てた回では、「自分がされて嫌なことは何か」という分かりやすい問いかけから守備の重要性を説明していく。

また、FW(フォワード)を取り上げた回では、「一番やってはいけないのはボールを取られることだ」と語り、そのうえで、FWにとって一番嫌なプレーである“ボールを取られること”を実行するために、主人公・つくしに「積極的にボールを奪え」と指示が出される。

弱気なつくしに対して、仲間は「俺たちDFは最初のFWだ。常にその意識を持ってゴールを守れ。それが鉄則だ」と声をかける。

先輩や仲間、監督たちは、サッカー初心者のつくしに戦術やポジションの役割を丁寧に説明してくれる。その優しい語りかけが、サッカーを知らない視聴者にも優しく、わかりやすくなっている。。それこそが『DAYS』最大の魅力、「初心者にも優しい」作品であるゆえんだ。

現在開催中のワールドカップでも、日本代表は強豪国との戦いを控えている。本日行われたオランダ戦では2-2の接戦、引き分けとなった。この国の誇りを懸けた一戦に、サッカーファンは夢中になるだろう。

その一方で、「今さら」「ルールがよく分からない」と距離を置いてしまう人も少なくない。

そんな人にこそ、『DAYS』はおすすめ。作品の中でルールや戦略をさりげなく説明してくれるので、初心者でも安心してサッカーの面白さに触れられるのだ。

この機会に、『DAYS』を観て、主人公・つくしのようにサッカーを純粋に楽しんでみてほしい。きっとワールドカップの試合も、いつもより少し深く見えるはずだ。






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(C)安田剛士・講談社/「DAYS」製作委員会

《村田真琴》

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