普段あまりアニメを見ない筆者であるが、「ブルーロック」実写映画化が決まったことで、予習も兼ねアニメを見始めたところ、自分でも信じられないくらいハマってしまったのである。
今回は個人的に刺さった要素を順番に紹介していく。
デスゲームから始まる斬新設定 でも意外と王道の胸熱ストーリー

「ブルーロック」でのデスゲーム的要素は有名だが、それすら知らず見始めたため、序盤に登場する“オニごっこ”は、「サッカー版のバトルロイヤル!イカゲーム!!」と興奮。原作者は「神さまの言うとおり」も手掛けた金城宗幸。登場人物たちを極限状態に追い込む手法はさすがである。
“オニごっこ”の後の“一次選考”は5チームによる総当たりのリーグ戦が行われるわけだが、選手たちは自分だけが生き残ろうと、とにかくカオス極まりない状態に陥る。それでも、徐々にチームがまとまり始め、キャラクターたちがそれぞれに友情や絆を築いていく展開は胸が熱くなるのだ。クセが強い作品と思っていただけに、この王道のスポ根要素がベースにあるのは結構嬉しい。
バトル作品さながらのアクション描写、究極の身体表現
パス、ドリブル、シュートなどがキャラクターの得意技にとどまらない、まるで各々の武器、特殊能力のように視覚的に描かれている点は、まるでヒーローものやアクション作品を見ているようで見応えがある。
そして個人的に最も魅せられたのは、キャラクターたちの身体表現と肉体の躍動感。ボールを蹴り出す際の筋肉の動き、身体のしなやかさが非常に上手く描かれており、常にうっとりしてしまうのである。
まるで少女漫画? 主人公がモテモテ&愛すべき“こじらせキャラ”
「ブルーロック」に恋愛要素は一切ないと思っているが、どこか少女漫画のようなところがある。
主人公・潔世一がモテモテに見えるのだ。一見、潔はサッカーにおいて突出した選手に見えない(実際は特殊な才能を持っている)が、最初に懐いた蜂楽廻をはじめ、國神錬介や千切豹馬など、徐々に彼中心のチームが出来上がっていく。ここまでならただの人たらしの主人公にすぎないのだが、潔を一気にヒロイン的立場に押し上げたのは、人気と実力で他を圧倒する凪誠士郎と糸師凛の存在。
凪は潔に触発され、おしどり夫婦のような関係だった相棒・御影玲王をあっさり捨て、潔のところに行ってしまう。兄の糸師冴を倒すためだけにサッカーをやっているような凛も、潔に対する対抗心なのか、彼を選ぶ。これらは学校で冴えない主人公が、突然校内トップクラスのイケメンたちにアプローチを受ける構図に似ている。
凛が潔に「お前は俺の一番近くで 俺が世界一になるのを見届けろ」「お前は俺だけを見てろ」と言い放つシーンは、好きな子への独占欲からくるセリフに聞こえてしまい、“キュン”を通り越して“悩殺”レベルでかっこいいと思ったくらいだ。
そして、さらに魅力的なのが、“こじらせキャラ”の存在。その筆頭と言えるのが、玲王であるが、自分にとって「宝物」だった凪を失ったことで、想像を絶するダメージと喪失感を抱えることになる。未練たらたらで悩む玲王を見ると、思わず応援したくなるのだ。
もう一人のこじらせキャラ、それもまた凛なのである。玲王のこじらせはまだかわいいもので、凛の冴に対するそれは手に追えないレベル。これが後にとんでもないことになるのだが、それはこの後に続く。
驚きのホラー演出と屈指のホラーキャラ

アニメ2期で描かれる「ブルーロック VS. U-20 JAPAN」は、U20日本代表に負ければブルーロックは消滅という、まさにブルーロックの真髄「生きるか死ぬか」の試合だ。これまでの集大成とも言えるU20戦は、作画も最高レベルで見応えMAXだが、1番の注目は冴と凛の兄弟対決だろう。
ここで凛は、冴に対する異常な執着と一人でサッカーができない(自分以外チーム一丸となっていく)状況に、ついにキャラ崩壊を起こす。瞳孔が開き、口から出た舌からはヨダレがダラダラ…いわゆる「ベロ凛」が爆誕するのだが、ここからの演出がめちゃくちゃ怖く、もはやホラーである。クールでかっこいいキャラをここまで崩すかという超衝撃の場面(実際このシーンで凛ファンを辞める視聴者が結構いたとかいないとか…)。
ここにきて予想もしなかったホラー展開がぶち込まれたことは、本当に驚きである。
ちなみに、「ブルーロック」公式キャラクターブックによると、凛の“好きな映画”は「ホラー系全般(特に『シャイニング』)、“休日の過ごし方”は「ホラーゲームorホラー映画漬け」となっている。凛がホラー好きになった理由は「小説 ブルーロック 戦いの前、僕らは。」で明かされているが、これがまたちょっと切ない(ここでは割愛)。
「ブルーロック」とW杯2026
キャラクターが繰り出すバトルアクションさながらのプレー、技が見どころであることはすでに触れたが、今季のW杯で実際にそれらが見られる可能性がある。
サッカー経験者(一応FW)である筆者には、ブルーロックで登場する様々な技が非現実的に映ることが多かった。しかし、アニメ20話で凪が魅せる「二段式空砲直蹴撃(にだんしきフェイクボレー)」に似たシュートを、同時期のFA杯リバプール戦で三苫薫が華麗に決めた映像を見た時は、震えが止まらなかった。調べてみると、他にも蜂楽のドリブル技、凛のコーナーキックから直接ゴールを決める縦直下回転直接弾など劇中登場する凄技を披露する動画がたくさん出てくる。
どんなに憧れ努力しても、かめはめ波を放ったり、呼吸の型を繰り出したり、領域を展開することは現実には不可能である。しかし、「ブルーロック」においては、そんな憧れの技を実際に再現したり、W杯でも目にすることができるかもしれない。
そして何より、フィクションと言えど「ブルーロック」の延長線上にはW杯があるという事実。U20戦が終わった時点では、まだ10代の少年たちの物語、世界とすら戦っていない段階だが、それでも日本がいつかW杯で優勝するという夢を抱かせてくれるのだ。
(C)金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会



