■「これからも僕は坂田銀時役です」―『銀魂』とともに歩んだ20年を振り返る
――アフレコは皆さん一緒にできたのでしょうか?
杉田:掛け合いのあるキャラクターとは可能な限り一緒に収録できるように、スケジュールを区切って調整してもらえました。
阪口:万事屋の3人はほぼ一緒に録れたのですが、やっぱり『銀魂』は掛け合って楽しい作品だなと、あらためて感じられたアフレコでした。『銀魂』ならではの、畳みかけるような会話劇。あのテンポ感は1人では絶対に出せませんから。
杉田:掛け合いは相手との呼吸や、その場の空気があって初めて成立するものですからね。だからこそ、現場の空気づくりはすごく大事だと思い、先ほど言ったような「入りやすい(≒掛け合いやすい)空気感」を作れたらと。そのために、自分がどう立ち回れば良いかを、ずっと考えていました。
釘宮:『銀魂 THE FINAL』を迎えてからも、度々コラボやイベントがあり、さらに『銀八先生』も挟んだので、3人で掛け合う機会は多かったんですけどね。ですが、やはり本編の物語を再び3人で掛け合いできるという喜びはすさまじく、私も「楽しい!」という気持ちが大きいアフレコになりました。

――本作の見どころといえば、大迫力のバトルシーン。銀時は鳳仙、新八と神楽は阿伏兎と激闘を繰り広げます。そのシーンの感想をお聞かせください。
杉田:これもしっかりフィルムに込めたので、劇場で見ていただくのが一番良いかと思います。2009年に一度TVアニメで放送された内容ですが、物語も映像の迫力もまったく古さを感じず、『吉原大炎上』にしかない良さが表れたシーンになりました。今2009年版について触れましたが、当時と比較する必要はありません。人はその日の体調や気分によって感じ方が変わりますし、年齢を重ねたことでまったく違う印象を抱くかもしれない。“今”本作を見て、「良い」と感じてもらえたらうれしいです。
阪口:原作や以前のTVシリーズを見た人はわかっていると思いますが、神楽と阿伏兎のシーンの熱量はとんでもありません。このバトルを止めに入る立場として、覚悟を持ってアフレコに挑みました。本編と同じような緊張感が現場にも漂っていて、僕も気を抜かないように気を付けていたのですが……いざアフレコがスタートすると、2人の全力のバトルに見とれてしまって。演じている(阿伏兎役の)大塚芳忠さんとくぎみーも、全力の芝居をぶつけ合っていて、圧倒されました。
釘宮:私自身も「全力でぶつかるしかない」という気持ちで臨んだアフレコでした。ただ、私も絵のクオリティに見とれてしまう瞬間があって、当時も「バトルシーンのクオリティがすごい!」と話題になっていましたが、今作もものすごいことに。シンプルに一言で言うと「最高にジャンプしてる」という感じ(笑)。「そういえば『銀魂』って週刊少年ジャンプで連載されていた作品なんだ」と思い出しました(笑)。
阪口:実はそうなんだよね(笑)。
釘宮:神楽と阿伏兎ももちろん、銀時と鳳仙、そのほかのバトルシーンもすべて痺れるくらいかっこよくて、ひたすら世界観にのめり込んでしまいました。

――本作は『銀魂』連載開始20周年プロジェクト最後の大トリとなります。プロジェクトを通して過去エピソードを振り返ることがあったと思うのですが、『銀魂』に関わる中で皆さんの一番印象に残っている出来事を教えてください。
釘宮:これまでいろんな媒体でもお話ししているものになるのですが、私はやっぱり『銀魂』のオーディションが忘れられません。銀時、新八、神楽の3人の掛け合いで、それぞれ「〇〇役の〇〇です」と名乗ってから本番に入る流れだったのですが、その時の銀時役の方が「坂田“ぎんじ”役の~」と間違えて言ってしまって。それを私が訂正してあげるつもりだったのですが、銀時と新八が混ざって「銀八ですよ!」と言ってしまうという(笑)。オーディションも笑いで始まった『銀魂』でした。
阪口:ひどい話だけどね、主人公役がキャラクターの名前を間違えるという(笑)。そして、その時の新八役が僕で、「銀時だよ!」とツッコんで僕の『銀魂』の歴史もスタートしました(笑)。
――『銀魂』を象徴するような出来事ですね(笑)。そんな阪口さんは、一番思い出に残っていることは?
阪口:オーディションも忘れられないですが、同じくらい印象に残っているのが「ジャンプフェスタアニメツアー2005」。オーディションでは感じられなかった作品の雰囲気が感じ取れたのですが、「とんでもない作品がアニメ化するな」というインパクトが強すぎて。同時に「これは本当にゴールデンで放送できるのか?」と思ったことを覚えています。そして案の定、左遷されるという(笑)。全体を通して印象的な出来事が多くて、『銀魂』に関わって最初から最後まで「面白かった」という思い出しかありません。

――杉田さんはいかがでしょうか?
杉田:『銀魂』は、ありがたいことに僕にとっての代表作の一つとなりました。どこへ行っても「銀時だ!」と言われるようになり、恋愛ゲームに出たら「銀時が恋愛ゲームに出ている」と言われるようになり……。別にいいんですけどね(笑)。以前、なにかのイベントで「自分は死ぬまで坂田銀時役です。いや、死んでもかな」と言ったことがあります。それは考えて「言おう」としたわけではなく、自然に、スッと発してしまったコメントでした。
釘宮:おぉ!
杉田:いや、『銀魂』って大体イベントの最後に「良いこと言え!」という圧が来るんですけどね(笑)。
阪口:プレッシャーかけられてるんだ(笑)。
杉田:でも、「何か良いことを言おう」と構えずとも、自然と言葉に想いを乗せられるのが『銀魂』なんです。そのおかげで、ほかの番組で「杉田さんは良いコメントをされる方なんでしょ?」なんて言われたこともありましたが(笑)。それは作品が優れていただけで、僕も過大評価されている部分があると思いました。『銀魂』に関わってから、そんな機会が多くなったなって。だから、これからも言い続けると思います。「これからも僕は坂田銀時役です」。

『新劇場版 銀魂 -吉原大炎上-』
2月13日(金)より大ヒット上映中!
【STAFF】
原作/スーパーアドバイザーゴリラ:空知英秋
監督:安藤尚也
監修:藤田陽一
脚本:岸本 卓
キャラクターデザイン/総作画監督:竹内進二
デザインワークス:中村ユミ
色彩設計:歌川律子
美術監督:和田千帆
CG監督:谷口顕也
撮影監督:五明真利
編集:白石あかね
音響監督:長崎行男
音楽:Audio Highs
主題歌:SUPER BEAVER「燦然」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
アニメーション制作:BN Pictures
配給:ワーナー・ブラザース映画
バンダイナムコピクチャーズ バンダイナムコフィルムワークス アニプレックス
【CAST】
坂田銀時:杉田智和
志村新八:阪口大助
神楽:釘宮理恵
月詠:甲斐田裕子
晴太:三瓶由布子
日輪:井上喜久子
鳳仙:銀河万丈
神威:日野 聡
阿伏兎:大塚芳忠
猿赫:山口勝平
桂 小太郎:石田 彰
近藤 勲:千葉進歩
土方十四郎:中井和哉
沖田総悟:鈴村健一
山崎 退:太田哲治
お登勢:くじら
キャサリン:杉本ゆう
たま:南央美
(C)空知英秋/劇場版銀魂製作委員会



