「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」ハサウェイとアムロ、シャアとの関係は? 「機動戦士ガンダム」しか知らない昭和世代の映画「閃光のハサウェイ」鑑賞ポイント | アニメ!アニメ!

「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」ハサウェイとアムロ、シャアとの関係は? 「機動戦士ガンダム」しか知らない昭和世代の映画「閃光のハサウェイ」鑑賞ポイント

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』は、アムロとシャアの戦いを目の当たりにしたハサウェイ・ノアが、父ブライトの影響や連邦政府の腐敗への失望を経て、理想と現実の狭間で葛藤する姿を描いている。

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『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』 全 8 枚 拡大写真

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』は、アムロとシャアの戦いを目の当たりにしたハサウェイ・ノアが、父ブライトの影響や連邦政府の腐敗への失望を経て、理想と現実の狭間で葛藤する姿を描いている。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』キービジュアル

アムロとシャア、2人の英雄が残した巨大な理想と呪縛

1月30日に公開された『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』の第2章となる『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』が話題を呼んでいる。これまで多くのガンダム作品が映像化されているが、昭和世代の中には1979年に放送されたTVアニメ『機動戦士ガンダム』で時が止まったままという人も少なくないのではないだろうか。そんな往年のガンダムファンが気になるのが、当時の主人公アムロ・レイやその宿敵だったシャア・アズナブルと本作との関わりだろう。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』場面写真

『閃光のハサウェイ』の主人公はハサウェイ・ノア。「ノア」という名前にピンと来た人は正解だ。彼はアムロの戦友でホワイトベースの艦長を務めたブライト・ノアの息子である。ハサウェイは、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で描かれた「シャアの反乱」と呼ばれる第二次ネオ・ジオン抗争において、アムロとシャアの激突を間近で目撃している。地球連邦政府の腐敗に絶望し、“隕石落とし”によって地球に住む人類を全滅させようとしたシャアと、最後まで「人類はそこまで愚かではない」と未来への希望を信じたアムロ。幼いハサウェイにとって、アムロのニュータイプとしての可能性や、どんな困難でも諦めない姿勢は理想像だったが、結局はシャアの思想を受け継ぐ形で“世界を変える”ため、地球連邦政府に反旗を翻すテロリスト「マフティー・ナビーユ・エリン」と名乗ることになるのだ。

『逆襲のシャア』にて、アムロとシャアは共に生死不明のまま物語から退場しているが、本作の劇中終盤ではハサウェイの脳裏にアムロの声が響く場面がある。アムロの真っ当さとシャアの絶望的な純粋さ。その板挟みになりながら、どちらの道も選べず、あるいは両方を背負おうとして精神を摩耗させるハサウェイの姿は、まさに2人の英雄が残した負の遺産に囚われた“呪縛”そのものである。

昭和ファンを熱くさせる懐かしい登場人物も

昭和世代のファンにとって、本作には胸を熱くさせる要素が随所に散りばめられている。その最たるものが「ノア家」の面々だ。ハサウェイの父であるブライト・ノアは、本作の時代背景においても連邦軍の重鎮として存在感を示している。

ミライ・ノア(CV:新井里美)

また、ハサウェイの母であるミライ・ノアも初代ガンダムに登場したキャラだ。かつてのホワイトベースの操舵手であり、ブライトを精神的に支え抜いた彼女の気高さは、息子であるハサウェイの性格形成にも大きな影響を与えていたのかもしれない。年を取ったブライトとミライの登場シーンを見れば、昭和世代には何とも言えない懐かしさが胸にこみあげてくることだろう。

かつての艦長は今…ノア家と宇宙世紀の歩み

ブライト・ノアを中心としたノア家の歩みは、そのまま宇宙世紀の激動の歴史と重なる。ホワイトベース隊の奮闘に始まり、その後もブライトはさまざまなガンダムシリーズでの戦いにおいて、常に地球連邦軍の良心を象徴する存在であり続けた。

ブライト・ノア(CV:成田剣)

ハサウェイもまた、その父の背中を見て育ち、幼少期から戦火に身を投じる運命を辿った。第二次ネオ・ジオン抗争では、初恋の少女クェス・パラヤを失うという悲劇を経験し、その心の傷を抱えたまま大人になった。ブライトが軍人として連邦軍から高い評価を得ている一方で、ハサウェイがその連邦の腐敗に絶望し、反政府組織のリーダーとなっていく構図は、一家族の物語としてはあまりにも皮肉で残酷な対比となっている。

純粋すぎる青年はなぜ「マフティー」としてテロリストの道を選んだのか

ハサウェイがテロリスト「マフティー」としての道を選んだ理由は、連邦政府の深刻な腐敗にある。政府は特権階級による地球の私物化を進め、強引な「人狩り(マン・ハンター)」によって一般市民を宇宙へ強制移住させていた。植物観察官候補生として地球の自然を愛していたハサウェイにとって、汚染され続ける地球と、それを加速させる特権階級の横暴は看過できないものであった。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』場面写真

彼は、合法的な手段ではこの強固な腐敗構造を打破できないと判断し、武力による粛正という過激な手段を選択する。しかし、ハサウェイは根っからの革命家ではない。根底にあるのは、クェスを救えなかった後悔や、アムロやシャアが見せた理想への渇望である。指導者としてのカリスマ性と天才的なモビルスーツの操作能力を持ちながら、本質的には繊細で意固地な青年だ。理想と現実の狭間で苦悩し続けるハサウェイが辿り着く結末を、ぜひその目で見届けてほしい。



機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
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(C)創通・サンライズ

《竹内らんま》

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