『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』劇伴に込められた「メロディよりもサウンド」…澤野弘之が語る作曲術と思い出のBB戦士【インタビュー】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』劇伴に込められた「メロディよりもサウンド」…澤野弘之が語る作曲術と思い出のBB戦士【インタビュー】

大ヒット上映中の映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』。ハンス・ジマーを意識したその“大人の劇伴”の秘密を澤野弘之さんが語ります。

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映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
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◆『閃光のハサウェイ』だからできたアプローチ

――『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』で新しく挑戦した音楽的な部分はありますか?

挿入歌ですね。ただ挑戦と言うほどのものではありません。今作では物語の演出上、挿入歌の重要性が前作から大幅に上がっていましたから、それをどう表現するのか、あらゆる角度から検討しました。

『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』本予告に使用されている[Alexandros]の川上洋平さんとSennaRinのデュエット曲「ENDROLL」は男女の心情を表現したバラードになっています。こうしたコラボができたのは、『閃光のハサウェイ』というシリーズだからだと思います。

――「ENDROLL」を収録したオリジナルサウンド・トラックが2月4日にリリースされます。CDだけではなくLPでも発売されるのですね。

実は前作でもLPをリリースしていたんですよ。音の部分での良さはもちろんのこと、LP盤はアナログレコードですから直径が30センチほどあり、コレクションとして飾るのにもいい大きさですよね。

――確かにおしゃれですね。ちなみに第3章へ向けて、「次はこういう音楽を作りたい」みたいな想いはありますか?

さすがに第2章の作業が終わったばかりですからね(笑)。あえて言うなら、第3章は3章で、これまで追っかけてくれた皆さんが「あの曲がこういうアレンジになるんだ」と、『閃光のハサウェイ』3部作をより深く音楽で感じられるようなアレンジをお届けしたいと思っています。

――実は今回の取材の前に、澤野さんが音楽担当として関わった『機動戦士ガンダムUC』を見返してみたんです。すると、『閃光のハサウェイ』シリーズとはまた少し違う音楽に聞こえたのですが、澤野さんとしては『閃光のハサウェイ』シリーズをどのように捉えているのですか?

そこはあまり差別化を意識しすぎないほうが良いのかなと思っています。それに差別化が必要なら、制作サイドは僕ではない誰かにオファーしたと思うんです。

――なるほど。

今回は『機動戦士ガンダムUC』と違って「大人のガンダムにする」という明確なコンセプトがありますから、そこで自然と表現の差別化ができたのではないでしょうか。『機動戦士ガンダムUC』では比較的どの曲もメロディを立たせていますが、『閃光のハサウェイ』シリーズでは、いわゆる「ハリウッド的」な音楽を意識しています。その部分は制作サイドからも求められていたイメージだったのですが、たとえばクリストファー・ノーラン監督の映画でおなじみのハンス・ジマーさんのような、メロディを排除してサウンドで押していくみたいなスタイルにしています。

ただしメインテーマに関してはメロディックなものが欲しいと制作サイドのオーダーがありましたから、そこはテーマ性が感じられるメロディにしました。

――それで「『ガンダムUC』とは違う」と感じたのですね。私もアメコミ映画やSF映画が好きで、劇場で「ハンス・ジマーっぽいな」と思うものはだいたいハンス・ジマーさんです。あの「作品の“感情”を音にしました」みたいなイメージは、確かに『閃光のハサウェイ』シリーズの雰囲気とマッチします。

前作の時点で「宇宙を感じさせる音楽を意識して欲しい」と制作サイドからオーダーがありましたから、その時に「宇宙」と「ハリウッド」を結び付け、思い浮かんだのが『インターステラー』や『ブレードランナー』でした。

あの、シンセサイザーの要素が散りばめられたようなサウンド感ならSF感が演出できますし、そこにオーケストラに加われば壮大さも表現できると思います。そこは前作でとくに意識した部分でした。

――すべてが「聴きどころ」かと思いますが、とくに注目してほしい音楽的なシーンは?

やはり挿入歌です。前作でも主題歌とオープニング用の歌唱曲を作りましたが、挿入歌はバトルを意識したもの、オープニング曲はミステリアスなボーカルでしたから、今作の挿入歌とはアプローチが絶対的に異なっています。今作の挿入歌が流れるシーンは映像とともにお客さんの心に残ってくれるとうれしいですね。

◆ガンダムの思い出は…武者Zガンダム

――先ほど、取材開始前にロビーの方から澤野さんの話し声が聞こえてきたのですが、ガンプラについてすごく楽しそうに話していらっしゃいましたね。

聞こえてましたか(笑)。 Ξ(クスィー)ガンダムの完成品のフィギュアが置いてあって、「こんなのあったっけ?」と思い、ついスタッフと話し込んでしまいました(笑)。

――ガンプラは作られるのですか?

最近はご無沙汰ですが、『機動戦士ガンダムUC』のときは久しぶりに買って組み立てたりしました。それとは別に、クシャトリアがめちゃめちゃかっこいいなと思ったのですが、作るのが大変そうだったのでプロの方に作ってもらいました(笑)。

――確かに難しそうですよね(笑)。世代的にはどのガンダム作品なのですか?

実はガンプラよりもBB戦士なんですよ。僕らの子どもの頃は、「武者ガンダム」や「騎士ガンダム」がスタートしたまさに“元年”でしたから、めちゃめちゃ流行っていました。とくに思い入れがあるのが武者頑駄無です。武者Zガンダムも作りましたし、とにかくいろいろと作りましたね。

――私もサムライや忍者が好きなので武者頑駄無も大好きでした。ただ本当に欲しかったのは、マンガの「プラモ狂四郎」に初めて登場した時のリアル頭身バージョンです。しかも「真武者頑駄無」ではなく元祖の方の。

リアル頭身のフィギュアは僕も完成品のナイトガンダムを持ってました。ガンダムに鎧を装着するギミックのやつです。

――ありましたね! それでは最後の質問になりますが、読者へ向けてメッセージをお願いします。

前作からすでに約5年が経過しました。だからこそ皆さんが待ち望んでいる気持ちはよく分かります。音楽の部分を含め、映画館で映像をめいっぱいお楽しみいただければと思います。どうかよろしくお願いします!


機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
¥2,546
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)


『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』

2026年1月30日 全国ロードショー

【STAFF】
原作:富野由悠季、矢立 肇 監督:村瀬修功 脚本:むとうやすゆき キャラクターデザイン:pablo uchida、恩田尚之、工原しげき キャラクターデザイン原案:美樹本 晴彦 メカニカルデザイン:カトキハジメ、山根公利、中谷誠一、玄馬宣彦 

メカニカルデザイン原案:森木靖泰、藤田一己 美術設定:岡田有章 美術監督:大久保錦一 色彩設計:すずきたかこ、久保木裕一 ディスプレイデザイン:佐山善則 CGディレクター:増尾隆幸 撮影監督:大山佳久 特技監督:上遠野学 編集:今井大介 音響演出:笠松広司 録音演出:木村絵理子 音楽:澤野弘之 企画・制作:サンライズ 製作:バンダイナムコフィルムワークス 配給:バンダイナムコフィルムワークス、松竹

【CAST】
ハサウェイ・ノア:小野 賢章、ギギ・アンダルシア:上田 麗奈、ケネス・スレッグ:諏訪部 順一、レーン・エイム:斉藤 壮馬

(C) 創通・サンライズ

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《気賀沢 昌志》

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