ぷろだくしょんバオバブ・クレアボイス・フルパワープロダクションの3社による声優育成プロジェクト「Produce Harmony」。本プロジェクトへ参加するレッスン生にどんなことを学んでいるか、どんな成長ができたか話を伺った。
ぷろだくしょんバオバブ・クレアボイス・フルパワープロダクションの3社による声優育成プロジェクト「Produce Harmony」。本プロジェクトは、今後の声優業界の発展に寄与できる人材を広く集める目的が合致した3社によって発足されたものだ。声優・アニメーション監督・プロデューサー・脚本家・音響監督・ボイストレーナーなど、幅広い分野で活動している方々を講師として迎え、新たな才能を生み出していくことを目指している。
「Produce Harmony」公式サイト「Produce Harmony」公式X
[取材・文=M.TOKU]
◆「Produce Harmony」で学べることとは?
本プロジェクトでは、台本の読解力を身に着けることを目的とした「台本読解トレーニング」、声優にとっての基礎となる発声・活舌などを学ぶ「ボイストレーニング」のほか、現役の声優・音響監督・プロデューサー・監督などを招いての「アフレコ演習」、そして現場で活躍してきたプロたちによる特別レッスンなどを実施。数々のプロダグラムを通じて、実践で役立つ知識やスキル、そして心構えを学んでいく。
加えて、実績ある3社が立ち上げたこともあり、作品オーディションを受ける環境も整っており、アフレコ現場を実際に経験しながら成長する機会もあるという。
今回、アニメ!アニメ!では「Produce Harmony」のプロジェクトに参加するレッスン生の現場へ潜入。本プロジェクトへ参加するウエダさん、シラセさんは、2026年以降に放送となるアニメ作品への出演が決定。本番のアフレコスタジオで収録に挑んだ。現場ならではの緊張感ある空気が漂っていたが、アフレコを終えたばかりの2人は達成感のある面持ちだ。そんな2人に「Produce Harmony」に参加したことで成長できたこと、培われた“心構え”についてお聞きした。

◆役者は、“まずは演技を楽しむことから”
――最初に、お2人が「Produce Harmony」に応募した理由・きっかけを教えてください。
ウエダ:実は、アニメ!アニメ!さんの(フルパワープロダクションを立ち上げた)松岡超さんと(合同会社ENJYU代表の)井上伸一郎さんの対談記事で「Produce Harmony」について知ったんです。
現場の第一線で活躍されている方々から教えていただける機会があったり、実績を積んでいる三つの事務所が運営してくださったりするということがわかり、魅力を感じて応募しました。
――なんと! ありがとうございます!
シラセ:私は、数々の声優さんのマネジメントを担当された松岡さんがフルパワープロダクションという事務所を設立されること、そして養成所も立ち上げることをLINEのオープンチャットで見かけたんです。
その募集が終わってしまっていて、また機会がないかと思っていたところに「Produce Harmony」が始まると聞いて、これはチャンスだと思いました。
――「Produce Harmony」には、どんなレッスン生の方々がいますか?
ウエダ:男女問わず、年齢や経験もバラバラな方が参加しています。
シラセ:私はクラスのなかで最年少ということもあり、最初は周りとの接し方をかしこまり過ぎてしまって……。壁を作ってしまい、それが掛け合いでも出てしまうときもありました。
――レッスンのなかで印象に残っているアドバイスはありますか?
ウエダ:松岡さんに言われた「役者なんだから、まずは演技を楽しむことから入ろうよ」という言葉が印象に残っています。「Produce Harmony」は、プロの世界で活躍されている方々に指導していただけるのですが、皆さんによく見られようと思うあまり、うまく演じようと考え過ぎてしまったんです。そこを見透かされました。
役者はやはり、まずは演技を楽しまないと、伝わるものも伝わりづらくなってしまうんです。レッスンを受ける中で、表現することに対しての心構えが大きく変わりました。
シラセ:かけ合いをするレッスンでよく言われるのが、原稿と向き合っていて、「相手と会話できていない」ということ。先生たちに見られていると、失敗しちゃいけないと思って、すごく緊張してしまうんです。そうすると、かけ合う相手の声や感情が聞こえなくなってしまい、演技が崩れてしまうことが多くて。先生に教えていただくなかで、まだ少し緊張はしてしまいますが、以前よりは楽しもうという気持ちでお芝居ができるようになりました。
――レッスンを受けることで、技術的なことだけでなく、そういうマインドの面の変化もあったんですね。
シラセ:あとは座学の授業で教えてもらった「自分について深く理解しないと、他人を演じることはできない」というのも、すごく印象に残っています。不思議なもので、他人を演じているにも関わらず、無意識のうちに自分の価値観や気持ち、クセが入っちゃうことがあるんです。だからこそ、自分を理解して、自分の要素を抜いて演じないと、演じ分けができなくなるって教えていただきました。それからは、例えば読書するときにも自分が何をどう感じているのか、意識するようになりました。
◆レッスン生も先生も“熱意”があるから得られること

――本日はお2人とも2026年以降に放送となるアニメ作品のアフレコに参加したとお聞きしました。実際に第一線で活躍中の先輩方とのアフレコ。参加してみていかがでしたか?
ウエダ:僕は今回が2回目のアフレコ参加になるのですが、前回の現場で、プロとして活躍されている先輩方は、リアクションなど台本上にないセリフも細かく演じられていると感じたんです。なので、今回は僕も少し意識しながらそれに取り組もうと心がけていました。
また、感情的になるシーンでは、身体を動かしたり、表情がコロコロと変化したりする先輩もいらっしゃって。「声優って、こんなに表情筋を使うんだ」という発見が今日のアフレコでありました。これまであまり意識したことがなかったので、自分を見つめ直す機会になりましたね。
シラセ:レッスンのアフレコ演習でも「尺に合わせてセリフを言わないと」って、いつも考え過ぎちゃうんです。そうすると、文字だけを追って気持ちがうまく表現できないということがあって。ただ、今日の現場で先輩方が演じている姿を見て、どちらかと言うと“流れ”を大事にしていると感じました。自分がズレたら後ろの人に迷惑かけちゃうのかもと思っていたのですが、皆さん流れの中でわりとスッとかけ合われていたんです。細かいところは最終的に微調整いただけることもわかったので、あまり気にしすぎず感情がしっかり乗るように演じるのが大切なのかなと思いました。
――「Produce Harmony」ではどのようなことを学んでいますか?
ウエダ:クラスごとに分かれているのですが、僕がいるクラスは3人の先生が1週間ごとにローテーションで教えてくださっています。アフレコ演習をやったり、発声・滑舌のレッスンを重点的にやったり、先生が用意してくださった台本を読んだり、いろいろなことをやっています。1日のレッスン時間はだいたい2時間半くらいですが、レッスンが終わったあとに先生が時間を取ってくださって、その日のレッスンで気になったことを聞きにいくことも多いです。

――レッスン以外でも、いろいろなアドバイスをしてもらえるんですね。
シラセ:はい。最初のころは先生のところへ聞きに行く人も少なかったのですが、回数を重ねるごとに少しずつ関係も深まっていって。今では質問するための行列ができています。
ウエダ:レッスン中もレッスン後のアドバイスでも、第一線で活躍されている先生方から実践的な学びを得られるんです。例えば、「この言い方はあまりマイクに乗らない」など、実例を交えたお話をしていただいたことがありました。レッスンを受けるたびに新しい気付きがあって、日々成長を実感しています。
シラセ:先生たちは、できていないことをちゃんと伝えてくださるんです。「まあ、いいんじゃない?」みたいな濁し方をすることはなく、「それはダメ」とハッキリ言ってくださるので、自分のできていないところがわかりますし、「次は同じことを言わせないようにしないと」って気持ちにもなるんです。
――学ぶモチベーションも高まりますね。
シラセ:実はレッスンが始まったばかりの頃、「声優になりたい!」と夢をもった高校生のときの気持ちが少しブレてしまっていたんです。というのも、アルバイトなどで社会に出るなかで人の顔色をうかがうようになって……。
レッスンでも「楽しそうじゃない」「伝わってこない」と言われ、泣いて帰ることもありました。ただ、熱心に指導してくださる先生方や必死に頑張るクラスメイトたちの姿を見て、「私もレッスンを受けている間はちゃんと向き合いたい」と思うようになって。少しずつ自分を出していくことがダメなことじゃない、思ったことを楽しく出していこう、頑張ろうという気持ちになったんです。“声優になる”という本気度に火が付きました。
――熱意を持ったクラスメイトや先生がたくさんいらっしゃる。
シラセ:熱意は皆めちゃくちゃ高いです。
ウエダ:レッスンが終わったあと、時間がある人たちで部屋を借りて芝居の練習をすることもあって。ライバルとは言いませんが、切磋琢磨して高め合いながら、声優になる夢を皆で追いかけています。「Produce Harmony」はそういうプロジェクトです!
◆「Produce Harmony」で夢への一歩を!
「Produce Harmony」は現場で活躍するプロたちが、実際の経験を踏まえたレッスンやアドバイスをしてくれるプロジェクト。技術的なことだけでなく、心構えやマインドの面でも学べることは多い。続くオーディションは2025年12月25日より募集開始。ぜひ「Produce Harmony」で夢への一歩を踏み出してみては?
「Produce Harmony」公式サイト「Produce Harmony」オーディション募集要項

ぷろだくしょんバオバブ、クレアボイス、フルパワープロダクションによる次世代の声優育成を目的としたプロジェクト。本プロジェクトでは声優業界で実績豊富な3社が協力して養成所を運営し、声優としての活躍を目指す皆さまを全力でサポートいたします。
■応募期間
2025年12月25日(木)~2026年1月30日(金)
■募集対象
中学1年生~30歳くらいまでの男女
■オーディション日程
大阪:2026年2月7日(土)
東京:2026年2月8日(日)
詳細につきましては、公式ホームページや公式Xをご覧ください。

