東京・池袋で現在行われているアニメーション 呪術廻戦展「懐玉・玉折」「渋谷事変」。2025年12月5日よりスタートし、池袋は展示会に行った人々が持つショッピングバックで溢れている。そんな好評開催中のアニメーション 呪術廻戦展「懐玉・玉折」「渋谷事変」をレポートする。

本作は、芥見下々の人気マンガをアニメ化。驚異の身体の能力を持つ少年・虎杖悠仁が、ある日、呪いに襲われた仲間を救うため、特級呪物“両面宿儺”の指を食らい、己に呪いを宿してしまうことから始まる。「懐玉・玉折」では虎杖の恩師である五条やその親友・夏油傑の過去が、「渋谷事変」ではハロウィンでにぎわう渋谷を舞台に、五条の封印を目論む呪詛師や呪霊たちと虎杖、五条ら呪術師との大規模な戦いが描かれている。また、現在、全国の映画館では、「渋谷事変」の特別編と「渋谷事変」の続編となる「死滅回遊」第1話&第2話が放映され、大ヒットを記録している。
アニメーション 呪術廻戦展「懐玉・玉折」「渋谷事変」では、入口をくぐるとすぐに、『呪術廻戦』の主人公・虎杖悠仁の特大フィギュアに出会える。高専の制服に身を包み、素人目でも隙のない構え。そして、今から戦いに向かう気迫に一瞬、飲み込まれそうになる。その一方で、顔立ちと元々持っている優しい雰囲気にどこか温かみさえ感じる。
きっと原作からのファンやアニメファンはすぐさま写真を撮りたくなるだろう。友人の付き添いで来場しただけの人であっても、きっと感嘆の声を上げるような仕上がりだ。

そこを抜けると「懐玉・玉折」「渋谷事変」の順番で、展示が進んでいく。「懐玉・玉折」では、現代の最強呪術師・五条が過ごしていた青春の日々を現した、淡くも、鮮明に印象付ける青い空間が待ち受けている。一枚一枚丁寧に仕上げられたアニメーションの原画やアニメのカット。どの瞬間にも目を奪われ、歩みはどんどん遅くなる。

そしてたどり着いた先にいるのは、学生時代の五条、夏油、家入、七海健人、灰原雄のパネル。彼らが集合している教室では、机に座り、写真を撮ることもできる。実際に虎杖悠仁の声優・榎木淳弥も座り、「細かな傷もある」と机に傷あることを発見。細部までしっかりと五条たちが過ごした残穢(証拠)を見つけてみるのもいいだろう。

原作でもアニメでもこのまま幸せな空間で、みんな幸せに過ごしてくれと願ったが、展示会でもそうはいかない。呪術展を見届けるためには、前に進まなければいけない。覚悟を持って前に進むと、渋谷へとつながる改札が出現。これから「渋谷か...」と正直、心が穏やかでない。
天を仰ぐと、改札上の標識にも遊び心があるマークを見つけることができた。思わずほっこりし、改札を抜けると、雰囲気はさらに変わり、高専から、渋谷へと舞台を移す。

おどろおどろしい色に、どんどん絶望が迫ってくる。呪霊がこれでもかと乗り込んだ電車、目がしっかりと動く五条が封印された特大の獄門疆や、漏瑚VS宿儺、そして伏黒恵が命を懸けて出した最強の式神・魔虚羅への恐怖を感じる空間も存在する。
その他には、キャラクターたちの名言と紹介が書かれている展示パネルや、等身大パネルも設置されている。ずらりと並んだ等身大パネルは圧巻であり、ぬいと共に撮影したり、近くで一緒にツーショットを決めたりできるので、推し活には最適&癒やしスポットだ。

最後にアニメ5周年を祝うスポットが。明るい雰囲気の中、これまでのアニメを振り返る仕様に、「こんなこともあったな」とどこか懐かしさを感じる。
その瞬間、劇中に出てくるキャラクター・“東堂葵”を思い出した――。
とあることをきっかけに虎杖を気に入り、いつの間にか、虎杖との過去を脳内で作り上げ、虎杖を「ブラザー」と呼んでいる東堂。東堂による脳内記憶は「存在しない記憶」と言われ、SNSで話題に上るなど、ファンに親しまれてきた。「渋谷事変」でも虎杖を救い、導く男・東堂の疑似体験がまさか展示会でできるとは思っていなかった。

いや、そうではない。入り口で虎杖悠仁のフィギュアと出会ったときからもうすでに始まっていた。東堂葵の「存在しない記憶」への既視感が。会場を巡るたびに、虎杖に対して「流石はブラザー(虎杖悠仁)」と何度も頭に浮んでいたのだ。東堂の「存在しない記憶」は確かに存在していた。

手に汗握る迫力ある展示物に、ほっこりとする展示物。ただ楽しむのもよし、筆者のようにキャラクター目線で巡りながら、ハラハラドキドキするのもよし。いろいろな角度から楽しめる、呪術廻戦の世界を表現したアニメーション 呪術廻戦展「懐玉・玉折」「渋谷事変」は、池袋にて開催中。
アニメーション 呪術廻戦展「懐玉・玉折」「渋谷事変」
会期:12月5日(金)~12月29日(月) 全日 日時指定入場制
開場時間:10:00~19:00
[12月5日(金)、6日(土)、7日(日)、13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、27日(土)、28日(日)は20:00まで。入場は各日閉場の30分前まで]
会場:池袋・サンシャインシティ ワールドインポートマートビル4F 展示ホールA
(c)芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会



