7月に入り、夏真っ盛り！ 夏アニメが続々と放送が始まる中で、一際目を引くのが往年の名作コミックのアニメ化だ。
初のアニメ化となる作品、既存作とは違った座組みで制作される作品、既存作の続編となる作品など、一口に“名作コミックのアニメ化”といっても、そのあり方は実に多様だ。今回は、それらの作品から注目作をピックアップして解説していくのでチェックしてもらいたい。
■るろうに剣心 －明治剣客浪漫譚－
1994年に『週刊少年ジャンプ』にて連載が開始、シリーズ累計発行部数7200万部を突破した和月伸宏によるコミック『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。1996年にもアニメ化された本作が新作アニメとしてかえってくる。
幕末に人斬り抜刀斎の異名で恐れられた伝説の剣客・緋村剣心が、不殺を決意して激動の明治を生き抜く姿が描かれる本作。アニメキービジュアルには剣心とともに歩む仲間である神谷薫、相楽左之助、明神弥彦の姿はもちろん、斎藤一、四乃森蒼紫、鵜堂刃衛といった剣心の前に立ちはだかる強者たちの姿も確認できる。
本作で剣心を演じるのは斉藤壮馬。異名とは裏腹に普段は温和な雰囲気という、二面性を併せ持つキャラクターをいかに演じていくかも注目したい。
■BLEACH 千年血戦篇-訣別譚-
『週刊少年ジャンプ』にて、2001年に連載スタートとなった久保帯人によるコミック『BLEACH』。2004年からはアニメ放映も行われ、全366話をかけて「死神代行消失篇」までが映像化されていた。そんな本作の最終章「千年血戦篇」のアニメが2022年10月から放映スタート。その第2クールにあたるのが本作だ。
第1クールでは滅却師からの急襲をなんとか退け、来たる決戦に向けて準備を進める死神たちの姿が描かれると同時に、主人公・黒崎一護の出生の秘密も明かされた。果たしてこの先で待つ激闘を、死神たちは生き抜くことができるのだろうか？
監督は映画『夏へのトンネル、さよならの出口』や『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』でも知られる田口智久。その迫力ある画面作りにも期待したい。
■大奥
『西洋骨董洋菓子店』や『きのう何食べた?』でも知られるよしながふみのコミック『大奥』。2012年には『大奥〈男女逆転〉』と題して実写映画化され、その続編のテレビドラマも放送されるなど高い人気を誇る。その初めてのアニメ化となるのが本作だ。
作品の舞台はパラレルワールドの江戸時代。人口が女子の1/4まで減少した男子は、子種を持つ貴重な人材として宝物扱いされていた。その中で、公家は自身の御威光を示すため美男3000人を囲う女人禁制の城・大奥を作る。男女の役割が逆転し、女将軍に仕える“男たちの世界”を中心に歴史改変SFストーリーを展開していく。
美男のキャストには宮野真守、梶裕貴、関智一らが名を連ねる。その卓越した演技にも注目して楽しみたい。
■スプリガン
『週刊少年サンデー』で1989年から1996年にかけて連載され、シリーズ累計発行部数1000万部を突破した、たかしげ宙原作、皆川亮二作画によるコミック『スプリガン』。Netflixオリジナルアニメシリーズとして既に配信されていた本作がテレビ放送されることとなった。
現代をはるかに凌ぐ科学力を持ちながらも滅びることとなった超古代文明。その技術で作られた遺産の数々は、巨大財閥アーカムによって守護されていた。このアーカムに所属するS級エージェント・スプリガンの活躍を描くのが本作だ。
監督を務めるのは、この春に第2期が放送された『機動戦士ガンダム 水星の魔女』でも知られる小林寛。その手腕にも注目だ。
長きにわたって、幅広い世代に愛されてきた名作コミック。そこに現代の映像技術が加わることで、いかなるアニメ作品となるのだろうか。物語ももちろんのこと、その演出にも注目しながら鑑賞していきたい。
（C）和月伸宏／集英社・「るろうに剣心 －明治剣客浪漫譚－」製作委員会
（C）久保帯人／集英社・テレビ東京・ｄｅｎｔｓｕ・ぴえろ
（C）2021 たかしげ宙、皆川亮二・小学館／スプリガン Project
