「山田くんとLv999の恋をする」で水瀬いのりが表現する“女子大生”と“大人っぽさ” 。感情表現ひとつで変わるキャラクターの印象

「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」の第6回大賞に選ばれた『山田くんとLv999の恋をする』がTVアニメ化。TOKYO MXほかにて、毎週土曜24時30分～放送中だ。

本作はマンガアプリ「GANMA!」にて連載中の作品を原作とするネトゲ×ラブコメストーリー。予期せぬ失恋に落ち込む女子大生・木之下茜と、ゲーマー男子高校生・山田秋斗との「難攻不落」の恋を描く。

メインキャラクターのひとり・木之下茜を演じているのは、声優の水瀬いのりさん。SNSでは本作における彼女のお芝居に関して、「大人っぽくていい！」「いつものイメージとちょっと違う」などという声が挙がっている。そこで今回は、水瀬さんの経歴を振り返りつつ、「大人っぽい」と感じる理由について考察をする。

【本PV】TVアニメ「山田くんとLv999の恋をする」

キャラクターごとの幼さ・未熟さを表現

水瀬さんが声優としての活動を始めたのは、2010年頃。その後、数々の作品を声で彩ってきた。代表作のひとつとして挙げられる『ご注文はうさぎですか?』のチノ役では、クールでおとなしい、基本的に敬語で話しながらも、幼さも感じる中学生を見事に表現。

また、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』では黒髪ツインテールで幼い見た目のボクッ子ながらも、包み込むような愛に満ちたヘスティアを熱演した。劇場アニメ『ぼくらのよあけ』で、どこか達観しながらも感情的になる未熟さもある小学生の河合花香役を好演したことも記憶に新しい。

その他、『恋愛ラボ』棚橋鈴音役、『心が叫びたがってるんだ。』成瀬順役、『宇宙よりも遠い場所』玉木マリ役、『五等分の花嫁』中野五月役など、性格などは違えども高校生のキャラクターも多数演じてきている。

感情表現で感じる「大人っぽさ」

『山田くんとLv999の恋をする』で水瀬さんが演じる木之下茜は、都内の大学に通う女子大生。予定は彼氏を優先し、すぐに酒に飲まれるのが玉に瑕なタイプだ。決して妖艶なお姉さんだったり、仕事熱心なキャリアウーマンだったり、人生経験豊富でクールな大人女性だったりする訳ではない。

では、茜の「大人っぽい」要素は一体何なのだろうか。それは恋愛をしたり、友達と遊んだり、お酒を飲んだり、アルバイトをしたりして大学ライフを過ごす、等身大の女子大生っぽさにあると思う。「大人」ではなく、「大人っぽい」「大人への第一歩を歩み始めた頃」という表現のほうが正しいのかもしれない。

そんな「普通の女子大生」を水瀬さんがズバリ芝居で表現しているように感じる。例えば感情表現。泣いたり、怒ったり、喜んだりと喜怒哀楽の感情を露わにしつつも、実は「ギャー」と大声をあげて叫ぶようなことはあまりない。

本作でいえば、加隈亜衣さんが演じる中学生の多感な時期で、少し未熟な面も見られる佐々木瑠奈との差が分かりやすいだろう。茜も水瀬さんの感情表現の仕方が違えば、もっと幼く、デフォルメされたキャラクターっぽく見えていたかもしれない。監督やスタッフの方々のディレクションを経て出来上がった水瀬さんのお芝居が、茜の“女子大学生感”を表現しているのだろう。

アニメは「声」を楽しむものではない。ストーリー、絵、音楽など様々な要素が相まって「面白さ」が完成すると私は思う。ただ、「声」や「芝居」はキャラクターの印象を左右する大切な要素のひとつではあるのは、きっと間違いないだろう。本作を含めて、数々の作品でキャラクターの魅力を昇華させる水瀬さんが今後の活躍も楽しみだ。

TVアニメ「山田くんとLv999の恋をする」キャラクターPV/木之下茜 Ver

TVアニメ『山田くんとLv999の恋をする』作品情報

■放送情報
TOKYO MX：毎週土曜24:30～放送
とちぎテレビ：毎週土曜24:30～放送
群馬テレビ：毎週土曜24:30～放送
BS11：毎週土曜24:30～放送
北海道放送：毎週土曜25:58～放送
静岡放送：毎週土曜26:13～放送
RKB毎日放送：毎週土曜26:30～放送
CBCテレビ：毎週土曜26:42～放送
MBS：毎週土曜27:38～放送
※放送日時は編成の都合等により変更となる場合あり

■スタッフ
原作：ましろ（コミックスマート「GANMA!」連載）
監督：浅香守生
キャラクターデザイン：濱田邦彦
シリーズ構成：中西やすひろ
音楽：ミト（クラムボン）ｘDÉ DÉ MOUSE
アニメーション制作：マッドハウス

■キャスト
水瀬いのり（木之下茜）
内山昂輝（山田秋斗）
花江夏樹（佐々木瑛太）
加隈亜衣（佐々木瑠奈）
飛田展男（鴨田たけぞう）
土屋李央（椿ゆかり）

（C）ましろ／COMICSMART INC.／山田くんとLv999の製作委員会