今回、アニメ!アニメ!ではBlu-ray&DVDの発売を記念して式波・アスカ・ラングレー役の宮村優子さん、北上ミドリ役の伊瀬茉莉也さんにインタビューを実施。新規の映像特典を含めてBlu-ray&DVDの見どころを語っていただきました。
[取材・文:杉本穂高 撮影:吉野庫之介]

2年前を思い出し「無事に公開できてよかった」
――2021年3月8日『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開から、早いもので2年が立ちました。2年前の公開を改めて振りかえってどんなお気持ちですか。
宮村:2年前はコロナ禍の真っ最中だったことで公開が何度も伸びてしまったので、仕方ないこととはいえ、申し訳ないなあと思っていました。でも、世の中の皆さんが心待ちにしていただいていて、先延ばしになってしまった分、きっと公開が始まれば楽しんでもらえるはずだと思っていました。結末を知っていて、私はそういうことをうっかりしゃべっちゃうことがあるので(笑)、早く公開してくれないかなってずっと思っていましたね。

伊瀬:私も2年前はやっと無事に公開されたという安堵に近い気持ちを覚えました。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は本当に待望の最終章でしたから、ファンのみなさんも長くお待ちくださっていたものですので、期待値も相当高かったと思います。そんな皆さんの気持ちに応えられる、最後を飾るにふさわしいものが完成して、キャスト一同もスタッフのみなさんも早く観て欲しいと思っていたので、無事に公開できて本当に良かったですね。

――2年前には、キャストの皆さんが勢ぞろいしての舞台挨拶もありましたね。アフレコ時は、コロナ禍の只中でしたので、分散収録だったと思いますが、キャストのみなさんで集まれたのは、あの舞台挨拶の時が初めてだったんでしょうか。
宮村:そうですね。本当にあの時ぐらいしか集まれませんでしたね。
――今回、Blu-ray&DVDには映像特典として「EVANGELION:3.0(-46h)」が収録されています。この台本を読んだ時の印象を教えてください。
伊瀬:まず、新規で新しい収録があると聞いて「どんな話になるんだろう」と思いましたが、それがミドリの物語になると知ってすごくびっくりしました。しかも、彼女の幼い時の話で、髪の毛がピンク色である秘密が明かされて、「そういうことだったのか」と衝撃を受けました。あと、ミドリがヴィレに入る以前、アスカに助けられていたことも驚きでした。
――宮村さんの方は、もう1つ「EVANGELION:3.0(-120min.)」の収録もされています。
宮村:そうですね。「(-120min.)」の方は、坂本真綾ちゃん演じるマリとのやり取りが描かれた入場者特典の冊子に掲載された漫画がもとになっていますけど、最初にこれを収録すると聞いたときは、まず声をつけられるのが嬉しいなと思いました。完全新作である「(-46h)」のについては、今まで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』と『ヱヴァンゲリオン新劇場版:Q』の間の空白の14年間は本当にいろんなことがあったと思うんですけど、想像するしかなかったんですよね。それに対して、1つのエピソードが明らかになったことで、いろいろな理解が深まるなと思いました。


――『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の時、空白の14年間について、こういうことがあったという話は聞かされていたのでしょうか。
宮村:あの当時は全く知らなかったです。(伊瀬さんに)ミドリちゃんがどうしてヴィレに入ったのか、聞かされてました?
伊瀬:全く知らされてなかったです。ただ、具体的なバックボーンは知らなくても、台本の台詞の端々にシンジへの深い執念が感じられたので、ニアサードインパクトの時、家族に何かあったんだろうな、その関係もあってヴィレに入ったんだろうなと推察していました。
宮村:ニアサードインパクトって、きっとすごく多くの人を巻き込んだから、物語には登場しないけど亡くなられた人も実はいっぱいいたんですよね。そんなたくさんいたであろう、巻き込まれた人を代表しているのがミドリちゃんなんでしょうね。
アスカがミドリちゃんを助けていたことを、もちろん私も今回はじめて知りましたが、この14年は、とにかくいろんなことがあって、おそらく彼女の双肩に相当な重責がかかっていたということ、そんな日々をすごく頑張っていたんだってことが伝わってくる内容だと思いました。もう、とにかく激務をこなしていくしかない、大変な状況だったんだとは聞かされてはいましたけど、そんな空白の穴を一個でも演じられたのは嬉しかったですし、きっと、アスカはミドリちゃんがヴィレに入ってきてくれて嬉しかったんじゃないかなって思います。
伊瀬:そうですね。ミドリはアスカの頑張ってる姿を見て、自分も仲間に入りたいと思ったんじゃないかと想像しました。

――最後に、今回Blu-ray&DVDを購入される方に向けてメッセージをお願いいたします。
宮村:私は、空白の14年間のことが明らかにされることはないんだろうなと諦めていましたから、今回の収録はすごく嬉しかったし、この特典映像を観てもらうと、より深く本編を味わえるようになると思います。みなさんが応援し続けてくれたからこそ出せたものだと思いますし、今後も応援してくれれば、また誰かの過去が明かされるかもしれません(笑)。ですので、これからもみなさん、応援よろしくお願いいたします。

伊瀬:公開からすでに2年が経過して、劇場に何度も足を運んでくださった方、あるいは配信でご覧になった方もたくさんいると思います。でも、このパッケージで観返すとまた新たな発見があるはずですので、このBlu-ray&DVDも何度も観ていただきたいです。映像特典もすごくボリューミーです。新規の物語の他にも歴代の予告などもたくさんあって、そういうのを観ていると、公開当時やその前の思いが蘇ります。
私、宇多田ヒカルさんの「One Last Kiss」が流れる予告を観ていたら泣いてしまって。宇多田さんの歌詞も相まって、シンジがすごく頑張っている姿に励まされました。本編だけでなく、特典映像も何度でも観る価値があるものですので、余すところなく楽しんでいただけたらと思います。
