上坂すみれ「うる星やつら」インタビュー「高橋留美子ファン」からラムちゃん役へ | アニメ!アニメ!

上坂すみれ「うる星やつら」インタビュー「高橋留美子ファン」からラムちゃん役へ

秋アニメ『うる星やつら』より、ラム役・上坂すみれさんのインタビューをお届け。

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ラム役・上坂すみれ
ラム役・上坂すみれ 全 22 枚 拡大写真
PVが公開されるや否や「びっくりするほど新キャスト陣に違和感がない!」と話題の『うる星やつら』新アニメシリーズ。10月よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送がスタートする注目の本作より、ラム役を射止めた上坂すみれさんのインタビューをお届け!

キャラクターの印象から、いちファンとしてピックアップする大好きなエピソード、学生時代のファン活動など「高橋留美子ファン」として、そして「ラム役」として現在の意気込みを語っていただいた。

[取材・文:気賀沢昌志 撮影:吉野庫之介]



「モノマネをしない」演技の落としどころ


――平野文さんより「すみれさん、私たちの敬愛する高橋留美子先生のるーみっくわーるどへようこそ!」とアニメ公式サイトにコメントが寄せられていました。実際に高橋留美子先生の「るーみっく わーるど」の一員になっていかがですか?

上坂:私なんてまだ仮所属の身です。放送がはじまり、皆さんに「おもしろい」と言ってもらえて、やっと本所属になれるのかな。でも大好きな平野さんにそう言っていただけると、現実とは思えないくらい嬉しいですね。

――上坂さんはラムをどんなキャラクターと捉えていますか?

上坂:実際にいたら溢れ出るヒロインオーラで圧倒されそうですよね。でも建前もなくフレンドリーな女の子ですから、一回話せばラムちゃんの方から仲良くしてくれそうだなと思います。コスプレ友だちになってくれるかな(笑)。





――諸星あたるはいかがですか?

上坂:私がはじめて『うる星やつら』に触れたのは高校生の頃でしたが、当時は「ラムちゃんという最高にかわいい“嫁”がいるのに浮気するなんて!」と思っていました。

でも大人になって改めて見返してみるとガラッと印象が変わりましたね。ラムちゃんを邪険にする一方で、ラムちゃんに異性が急接近するとヤキモチを焼いたりして。そんなところにキュンとするようになりました。それにラムちゃんに危機が迫ると、なんだかんだ言いつつも駆けつけてくれるんですよね。たとえボロボロになっても。そこも「かっこいい主人公」そのものでした。





――あたるの素直じゃないところはニヤニヤしてしまいますよね。ところで今回の再アニメ化を知っていかがでしたか?

上坂:オーディションの案内ではじめて知りましたが、すごく衝撃的でした。平野さんや古川さん(古川登志夫)の印象が強いですし、「それを一新する再アニメ化とは?」と、なかなかイメージできずにいました。それで懐かしさもあり、本棚から原作コミックを引っ張り出してみたらおもしろくて今度は練習が進まず……(笑)。実際のオーディションは、ラムちゃん、しのぶ、サクラさんの3人で案内が来ていました。

――誰が一番、手応えがありましたか?

上坂:手応えというか……あったのはむしろ不安ですね。ラムちゃんが一番不安でした。

しのぶやサクラさんはキャラクター像を比較的つかみやすいんです。でもラムちゃんは表情豊かで、エピソードによっては立ち位置も変わりますから、結局最後まで正解がわかりませんでした。ですから今でも合格理由がわかりませんし、不思議なめぐりあわせを感じています。ただ演じるのは楽しかったです。





――諸星あたる役の神谷浩史さんは、上坂さんのラムの声を聞いて初めて「あたるになれた」と感じたそうです。

上坂:それは私も同じでした! 神谷さんの声を聞いて「あたるだ!」って(笑)。ですから神谷さんがいれば、私も大丈夫だと思いました。

あとは内田真礼さんが今作でしのぶを演じられているんですけど、真礼さんにも「しのぶだ!」って(笑)。しのぶ以上にしのぶと言うか、イメージ通りすぎておもしろかったです。

――平野さんのイメージがある中で、どのような落とし所を見つけたのですか?

上坂:監督がオーディションでおっしゃっていたのですが、まずモノマネはすべきではないと。ただ反対に、「つかず離れずの距離」を求められているようで難しくもありました。ですから原点に立ち返り、原作に触れることでラムちゃんという存在を紐解き、そこからヒントを得ようと思いました。

その結果として、感情をセーブしない役作りで天真爛漫さを表現したり、感情の組み立てで私なりの演技をめざしたりしました。ただ「~だっちゃ」という独特の言い回しについては、平野さんのイメージを思い浮かべながら演じている部分があります。

――PVを拝見すると、ちゃんと上坂さんと神谷さんの演技なのに、どこか平野さんや古川さんの雰囲気もある不思議な感覚でした。演者はキャラに似るというか……。

上坂:あのPVは第1話の収録後に録ったものです。第1話の収録はさまざまなすりあわせがありましたが、第1話でしっかり作り込んだ分、PVの収録は一発OKでした。

PVも台本が用意されていて、ラムちゃんが連呼する「ダーリン」と、あたるが連呼する「ラム」は、すべて「甘える感じの“ダーリン”」とか「最高に嬉しい“ダーリン”」とか注釈がつけられているんです。いろいろなパターンを収録しましたが、PVで聞けるのはそのうちの一部です。





あの日、日焼けしてしまった大切なフィギュア


――ところで上坂さんは、高校生の頃からの『うる星やつら』ファンだったとか。

上坂:初代のアニメは、CSで放送されていたものをよく観ていました。それがきっかけで中野ブロードウェイの本屋さんに通い、お小遣いで少しずつ原作コミックを集めました。カラー原稿を収録した愛蔵版や、高橋先生の短編集など、先生の作品は一通り揃っています。

――コミックス以外に集めたものはありましたか?

上坂:大学生になってからフィギュアも買いました。当時は、制服バージョンや虎縞ビキニバージョンのラムちゃんを、星型の台座でディテスプレイできるフィギュアがあったんです。秋葉原に通っては「今日もまだある」と棚を確認しつつお金をためて、ようやく「お迎え」しましたね。それを勉強机に置いて大学の勉強をしたのですが、置き場所が悪かったのか日焼けしてしまって……(笑)。あとはカプセルトイのシリーズも集めました。



――いち時期、『うる星やつら』の立体物をいろいろなメーカーが出していた時期がありましたね。その頃に自分も原作コミックを読み返したのですが、買い食いをめぐる教師と生徒の攻防戦がめちゃめちゃ面白かったです。上坂さんのお気に入りエピソードはいかがですか?

上坂:ラムちゃんのお見合いの回ですね。その時に着ていたチャイナ服が衝撃的にかわいかったです。ただのパーティーだと騙されて張り切るラムちゃんと、真相を知って阻止しようとするあたるが素敵でした。あとは海水浴回で見せてくれた水着姿!「普段の虎縞ビキニよりドキッとするぞ!」と思いました(笑)。

ランちゃんがレイさんにキスされるエピソードも良かったですね。レイさんは食いしん坊で、ランちゃんの頬についたあんこを食べたかっただけなんですけど、それをキスと勘違いするランちゃんの乙女モードがかわいかったです。一回しか登場しないゲストキャラもいましたが、高橋先生のキャラクターはゲストキャラも魅力的なんですよ。

――それらのエピソードも新シリーズで観てみたいですね。それでは最後に読者へメッセージをお願いします。

上坂:アフレコが始まるまではプレッシャーがとても強かったのですが、いざ収録が始まると、楽しくて夢中でアフレコをしていました。神谷さんをはじめ、みなさん楽しそうにかけ合いをしているんです。私がはじめて『うる星やつら』のアニメを見て素敵だなと思ったのは、キャストの皆さんがめちゃめちゃ楽しそうに演じていて、何年経ってもその「楽しさ」が伝わってくる部分でした。私も楽しさを伝えられたらと思うので、緊張はしますけど、これからも楽しんで収録に挑みます!



(C)高橋留美子・小学館/アニメ「うる星やつら」製作委員会

《気賀沢昌志》

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