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ティザービジュアル
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は、1979年にスタートした日本ロボットアニメの金字塔『機動戦士ガンダム』第15話「ククルス・ドアンの島」を、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙』の劇場公開40年を経て映画化した作品だ。
ひと際異彩を放ち今でもファンの心に残り続けるこの伝説のエピソードと共に、お馴染みのホワイトベースの仲間たちやモビルスーツを最新アニメーションで描く。
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キャラクター設定画
今回、ドアンが島で養う、カーラやマルコスら“20人”の子どもたちの設定画が公開に。
あわせて、安彦監督が、TVアニメ『機動戦士ガンダム』第15話「ククルス・ドアンの島」がもつテーマの重要性や、TVシリーズより子どもの人数が増えた理由などを明かした。
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』は、6月3日ロードショー。
■安彦良和監督が語る「ククルス・ドアンの島」がもつテーマの重要性とは?
安彦監督が今回、第15話「ククルス・ドアンの島」を映画化するに至った経緯には様々な偶然と必然が交わっていると“ザクの日”の会見でも話していたが、改めて映画化する理由には、第15話のエピソードがもつテーマが関係しており、『機動戦士ガンダム』がもともと持っていた根幹的なテーマが「ククルス・ドアンの島」に凝縮されていると語る。
安彦監督「映画化の話が来たわけじゃなくて、僕からお願いしたんです。TVシリーズの第15話『ククルス・ドアンの島』は意外と引きがあって、何よりいい話なんだよなという印象があったんですよね。ただ、不遇の作品にはなってしまっていた。ずっと気にはなっていたんですよ。それを偶然思い出すきっかけがあって、サンライズの先代の社長と現社長がたまたま同じ場所におられたときに、直に映像化の提案をしたら「いいですよ」と快諾してもらったんです。映画のストーリーは基本的にTVと同じで、ラストはセリフ回しも同じなんです。とても印象深いラストで、よく言われる「愛するものを守る」といった絶対正義のテーマに対して、「本当にそうですか?」と疑問を投げかけている。第15話の脚本を手掛けられた荒木(芳久)さんがどういう意識でお書きになったのかわからないけど、非常に大きなテーマを秘めたエピソードだと思います。僕はファーストガンダム、『機動戦士ガンダム』という作品は、とても大きな状況の中に放り込まれた〈小さな者達〉のドラマとよく言うんですよね。ホワイトベースのクルーたちも名もなき〈小さな者達〉で、彼らは翻弄され大役を担わされながらもその中で頑張る。それが『ガンダム』のスタイルだと思うんです。富野由悠季監督は原案段階で『漂流記』と呼んでいたんです。それがさらに象徴的に表れているのが『ククルス・ドアンの島』なんです」
――戦争で親を亡くした子供たちはククルス・ドアンに引き取られ、肥沃とは言えない島を耕し、貧しいながらも助け合って暮らしている。屈託のない笑い声が飛び交うが、それぞれ心の傷を抱えている。
安彦監督にとって、ドアンと、この20人もの戦争孤児の織りなす物語を描くことが、ファーストガンダムの魅力の1つであり、本作で最も力をいれたポイントにもなっているという。
本作で描かれる新要素のひとつである“子供たちが20人も登場する設定”はTVアニメの4人から一新したものだ。
安彦監督は「TVの回でもいっぱいいたと思っていたら、ロランという女の子を入れても4人しかいない。でもそれだと絵にならないんですよね。要するに私設孤児院みたいなものですから。それで脚本の根元歳三さんに「子供は20人は登場させてください」と言ったんです。これは非常にめんどくさいと承知しながら、総作監もやってくれている田村(篤)さんにキャラクターデザインをお願いして。そうしたらあっという間に20人分が上がってきて(笑)。それはもういいキャラで、あれはありがたかったですね」と、より物語に深みを出すために子供の人数を増やしたと明かし、共に本作を作り上げてきたスタッフとのエピソードを振り返る。
安彦監督「話の中心になるドアンは、TVアニメだと南の島でトラウマを抱えながらも4人の子供と暮らしていましたが、映画ではまた違った印象になっていると思います。子供たちの生活感が出れば、当然ドアンも優しい生活臭のあるキャラになりますからね。そういう意味でも子供はいっぱいいなきゃダメということですね。彼の中にも相当深いトラウマがあると思いますよ。20人の戦災孤児を引き取っているわけですから、それぞれに厳しい現場があったはずで、そのひとつひとつがトラウマになっているはずなんだよね」
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