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好評配信中の『遊戯王 マスターデュエル』。その中には、実にたくさんのカードが登場します。今回注目したのは、“バニラ”と呼ばれる効果を持たないモンスターカード。そのテキスト欄には、効果の代わりにフレーバーテキストとして、彼らの変わった生態が記されていることもあるのです。
今回はそんなバニラモンスターカードの中でも、特に面白いフレーバーテキストを持ったカードを3つ厳選してご紹介します。
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夢に出てきそう!?インパクトのある見た目と設定「シェイプ・スナッチ」
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まずは「シェイプ・スナッチ」。生贄(リリース)が必要な星5のモンスターにも関わらず、攻撃力1200・守備力1700の低いステータスが特徴です。バニラモンスターの中でも一際弱いため、通常のデュエルで目にすることはほとんどないでしょう。
しかし、注目するべきはそのイラスト。一つ目の怪人が枠いっぱいに映し出されており、なかなかに不気味な印象を醸し出しています。妖しく揺らめく赤い背景に、緑のハットを被った黄色い怪人と、やけに原色が強い色味も不穏な印象を増長させていますね。ひと目見たら忘れられないインパクトです。
この怪人がシェイプ・スナッチ…なのかと思いきや、フレーバーテキストを読むと衝撃の事実が。「恐ろしい力を持つ蝶ネクタイ。何者かの身体を支配して襲いかかる。」と書いてあるではありませんか。
なんとこのモンスター、一つ目の怪人ではなく、彼がつけている蝶ネクタイが本体。そう言われてみると、低いステータスにも納得がいきます。
しかし、蝶ネクタイが本体だと知ってから見てみると、この怪人は誰なのか…。フレーバーテキストにも「何者か」としか書いてありません。イラストとフレーバーテキストが相まって不気味な印象を倍増させている、独特な雰囲気を持ったカードですね。
実は『グラディウス』のパロディ!?「イースター島のモアイ」
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モアイといえば、言わずとしれたイースター島にある人面の石像。現実に存在し、観光名所となっています。
しかし、遊戯王カードにおける「イースター島のモアイ」は、それとは少し違うようです。そのフレーバーテキストには「イースター島に存在する石像。口から丸いレーザーをはく。」と、その攻撃方法について記されています。
もちろん、現実のモアイ像はレーザーをはきません。それでは、このレーザーをはくモアイ像の元ネタとは…?
実はこれはKONAMIの横スクロールシューティングゲーム、『グラディウス』シリーズに登場する敵キャラクターのオマージュ。『グラディウス』のモアイ像の攻撃方法も、口からはき出す丸いレーザー「イオンリング」です。
遊戯王カードの販売元でもあるKONAMI。「イースター島のモアイ」はその繋がりから生まれた、わかる人にはわかるちょっとしたジョークが込められたカードだったようです。
5年越しにまさかのモンスター化!?「スカゴブリン」
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最後にご紹介するのが、「スカゴブリン」。しかし、このカードの話をするには罠カード「偽物のわな」について先に説明する必要があります。
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「偽物のわな」は1999年発売のパックで登場したカード。自分フィールド上の罠カードを破壊する魔法・罠・効果モンスターの効果を相手が発動した時に、このカードを代わりに破壊するという身代わりの効果を持っています。
特筆しておきたいのが、このカードに記されたゴブリンの表情。顔を歪ませ、こちらをあざ笑うかのような、腹の立つ笑顔を見せています。そのゴブリンが持った“スカ”の文字、そしてこちらの狙いを外す効果…と、腹立たしい要素が詰まった一枚です。
そして、「偽物のわな」が登場して5年後の2004年発売のパックで登場したのが「スカゴブリン」。「偽物のわな」でこちらをあざ笑っていたあのゴブリンがまさかのモンスターカード化を果たしたのです。しかし、そのフレーバーテキストを読んでみると、意外な事実が…。
そこには「完璧な『スカ』の文字を極めるため、日々精進するゴブリン。その全てを一筆に注ぐ。」と記されていました。そしてイラストには正座をして、真剣な表情で半紙に向かうゴブリンの姿が…。あの腹立たしい「偽物のわな」の裏側には、ゴブリンの弛まぬ努力があったということなのでしょうか。
まだまだ面白い設定のバニラモンスターがいるかもしれません。ぜひ探してみて下さい!