「あんステ」三毛縞斑を演じる横井翔二郎がアニメや芝居を好きになった理由「いい意味で人生が狂いました」【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

「あんステ」三毛縞斑を演じる横井翔二郎がアニメや芝居を好きになった理由「いい意味で人生が狂いました」【インタビュー】

「『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Meteor Lights~」で三毛縞斑を演じる横井翔⼆郎にインタビュー。

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三毛縞斑役・横井翔二郎
三毛縞斑役・横井翔二郎 全 3 枚 拡大写真
 2015年4月にリリースされたスマートフォン向け人気ゲームアプリ『あんさんぶるスターズ!』。本アプリを原作とした舞台シリーズは2016年6月に初演が開催され、これまでにメインストーリーで3タイトル、『エクストラ・ステージ』で4タイトル、ライブ公演で1タイトルを上演。原作通りのキャラクターの再現性と舞台ならではのストーリー展開、そして観客を巻き込んだライブパフォーマンスで、人気を博している。

 そんな舞台シリーズの最新作「『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Meteor Lights~」が、2021年4~5月に、東京・兵庫・東京凱旋公演が上演予定。本舞台では、正義の戦隊ユニット・流星隊がメインを務め、ソロユニット・MaMと伝統芸能を重んじる和風ユニット・紅月も登場する。

 今回は、MaMとして活動する三毛縞斑(みけじままだら)を演じる横井翔⼆郎さんにインタビュー。本舞台の推しポイントに加えて、自身が感じるアニメやゲーム、2.5次元舞台の魅力について、お話を聞いた。

「『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Meteor Lights~」キービジュアル

アニメによって、いい意味で人生が狂った


――アニメやゲームを原作としたさまざまな舞台に出演される横井さん。仕事に関わる前からこれらに触れる機会はありましたか?
 ゲームは高校生くらいまではよくプレイしていました。アニメは……高校生の頃に『涼宮ハルヒの憂鬱』を観たことがきっかけで、人生が狂いましたね(笑)。もちろん、いい意味で。

――人生が狂った!それまでもアニメはご覧になっていたのですか?
 いえ、正直言いますと、あまり触れてこなかったジャンルでした。

――それでは、何がきっかけで『涼宮ハルヒの憂鬱』を観るように?
 高校生のとき文化祭で、男の先輩たちがキャラクターのコスプレをしながらエンディング楽曲のダンスを出し物として踊っていたんです。正直、「ナニコレ」と衝撃を受けました。ただ、踊っている先輩たちの目がキラキラしてすっごく楽しそうだったんです。それが、どうしても気になって。家に帰ってから『涼宮ハルヒの憂鬱』を調べて、アニメの1話を観たら、ものすごく引き込まれたんです。それからアニメを全話視聴し、声優さんたちが出ていらっしゃるイベント映像も全部見て、小説も購入。観た瞬間に自分の価値観が一気に変わりました。

――その後も、アニメには触れてきた?
 はい。サラリーマンをやっていた時代、同期からオススメされた『マクロスFRONTIER』を観て感動したことをよく覚えています。その少し後に放送されていた『けいおん!』は、聖地巡礼をするくらいハマりました。当時、給料は「コンビニで展開していたアニメグッズが当たるくじ」のために使うものだと思っていたくらいです(笑)。目当てのキャラクターのフィギュアが出るまで引き続けたなぁ。「よし、今日は5枚だけ買うぞ」と思って、当たらなかったら、「……やっぱりあと3枚だけ」みたいに追加しちゃう。もう家はフィギュアだらけでした。

――グッズも集めるくらいハマっていたんですね!
 そうなんです。当時のアニメは今でもよく見返しています。特に『BLACK LAGOON』。アニメはもちろん、マンガ・ノベライズ作品も集めて、何度も繰り返し観ています。最近はアニメを観られる時間も減ってきちゃいましたが、それでも好きという気持ちに変わりはないですね。……なんか、のっけからこんな感じですいません。

――いえ、お話を聞いていて楽しいです。ちなみに、アニメのどういったところに魅力を感じて惹かれるようになったのでしょうか?
 これまで観てきたアニメ作品は、目的が「商売」ではなく、ちゃんと「作ること」だと感じたんですよね。もちろん、最終的には「商売」に繋がってくるとは思っていますが、その前に、原作者の方たちが作ってきたものを何とかしてアニメにしたい、という気概を感じるんです。アニメを観るようになった当時はそんなこと思ってもいませんでしたが、今思い返すと、僕はそういう「キャラクターたちをどうにかして動かしたい」っていう作り手の心に惹かれたんだと思います。

――そんな熱い想いを持っていらっしゃる横井さん。アニメやゲーム原作の舞台に出演する際にも、原作は意識されますか?
 芝居のスタイルは人それぞれですが、僕個人としては原作を意識しないと、いわゆる2.5次元舞台と呼ばれているものをやる意味がないと思っています。血と汗の結晶である原作を舞台化するという意気込みのもとやっているのだから、少なくとも、忘れてはいけない。だからこそ、研究もします。リスペクトの気持ちは絶対に忘れません。ただ、モノマネをするというつもりもなくって。それだと、原作を見た方がいいですからね。舞台化の意味は、そこにいる人間たちが芝居をやって、それを届けることだと思うので。

――舞台に立つ前に原作のことを調べるほか、例えば声優さんがいるような作品であればその方の声を聞くことも?
 ありますね。今回僕が演じる三毛縞斑は、鳥海浩輔さんがキャラクターボイスを担当されています。なので、斑としての声を沢山聞いて勉強していますね。これは、2.5次元舞台における役作りのひとつだと思っています。


エンタメは残さないといけないもの


――ここまでアニメのことを中心にお話を聞いてきましたが、続いてお芝居についても教えてください。元々、ご興味はありましたか?
 高校生の頃、「日本でいちばんデカいところを見ないで人生を終えたくない」と思っていたんです。「見る」というのは、遊びに行くということではなく、そこに暮らして、空気などを肌で感じるということ。だから、とにかく上京したいと思っていたんです。学校を辞めて上京しようとも思っていたのですが、当時の担任の先生に止められて、まずは卒業をして就職をしました。
 そうして、サラリーマンとして働くようになったある日、東京へ遊びに行ったんです。そしたら、スカウトをされまして。その時に、「よしっ、このタイミングだ」と決心しました。当時はお芝居をしたいとかそういう気持ちはなく、上京する理由のひとつくらいにしか思っていませんでしたが……。

――お芝居をやりたくて上京した訳ではなかったんですね。
  実はそうなんです。それで、スカウトされてからしばらく経ったある日に、当時のマネージャーから「いいから舞台に立て」と言われまして。しかも本番まで2週間しかないという、なかなかハードなスケジュール。まだHOW TOが分からない僕は、声の出し方や動き方など、言われた通りのことをがむしゃらにやっていました。
 そんな状態で迎えた本番。スポットライトを浴びた瞬間、頭のなかに雷が落ちてきました。客席はガラガラでしたが、それでも「これだ!」という気持ちになったんです。まだお芝居の仕事をやるようになってからそれほど日は経っていませんし、おおげさかもしれませんが、僕はお芝居をするために生まれてきたんだろうなと思っています。

――そして、雷が落ちてきたその日から、お芝居を続けている。
 ただ、執着があるという訳ではないんです。この道で成功するだけが、僕の幸せではないと思っているので。実際に「そろそろ潮時かもしれない。この作品のオーディションに受からなかったら辞めよう」と思ったタイミングもありました。ただ、ご縁があって、オーディションに受かることができて。その時に「これは、芝居をやれってことなんだろう」と思ったんです。その作品は、歌・踊り・殺陣など、僕にとって経験のないことばかりでしたので苦戦しましたが、「これでまた人生が変わるかもしれない」「これを乗り越えたらたくさんの拍手が待っている」という気持ちで、毎日を過ごしていました。

――執着はないというお話でしたが、やはり、お芝居が大好きだから、今でも続けられているんですね。
 そうだと思います。カーテンコールの拍手が魔法をかけてくれるんですよね。悔しい想いをすることもありますが、楽しいですし、幸せですし、何より舞台を見て、感動してくれる人がいる。それだけでやり続ける意味は十二分になるかな。

――新型コロナウイルスの感染拡大で、舞台はもちろん様々なイベントが延期・中止となりました。誰かと接することがなかなかできなくなったそんな状況を救ってくれたのは、やっぱりエンタメだったと個人的には思っています。それがエンタメのチカラであると。
 本当にそうだと思います。僕もレコードを聞くのが好きなのですが、特に自粛期間はそれが心の支えでした。もしかしたら、世の中になくていいものかもしれないけれど、なくなったら生きていけない人は間違いなくいる。だからこそ成立しているし、無くなってはいけないし、残さないといけないものなんだろうなと、若輩者ながら思っています。



三毛縞斑の強さに惹かれています


――そういうエンタメのひとつでもある「『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Meteor Lights~」。出演が決まった時の気持ちを改めて教えてください。
 予想もしていなかったので、すごくビックリしました。「僕でいいんですか!?」と思ったくらいです。改めて、色々なことに感謝しました。だって、色々なご縁が繋がって、いまここに立てている訳ですから。お芝居を続けていてよかったです。決まった時、とても幸せな気持ちになりました。

――演じる役についても教えてください。
 三毛縞斑は、作中唯一のソロユニット・MaMとして活動しています。何よりお祭りが好きで、お祭り・町おこしなどがあれば駆けつけるんです。また、目先のことは見ていなくて、常にもっと奥深くの終着点を見つめているような人間だとも感じています。それゆえに、楽しいことが大好きだと言っているんですけども、無慈悲な瞬間があったり、空気をあえて読まなかったりする時がある。恐らく、それが自分の生き方だと思っているんじゃないかな。そんな彼に、悲しさや寂しさを感じることもありますが、何よりもその強さに惹かれています。まだまだ彼のことを理解していきたいですね。

――稽古をしていくなかで理解を深めていく。
 稽古中に「なるほど」と感じる瞬間がありますし、実際に舞台に立って、相手と喋ってみることで、役を理解できることもたくさんあります。どんどん彼(斑)と仲良くなっていきたいですね。

――そんな斑を演じるうえで意識している点は?
 普段の僕とは違い、ベーシックのテンションがエネルギッシュなので、それを保つことを意識しています。陽のエネルギーをたくさん開放して演じなければいけないですね。

――演じていくなかで影響を受けて、横井さんもどんどん陽の面が出てくるかもしれません。
 舞台が終わったら、横井翔⼆郎(陽)になっているかもしれません(笑)。あとは、今回の舞台ではソロ曲をやらせていただくのですが、すごく踊るんですよ。絶賛稽古中ですが、これができてこそ三毛縞斑だと思うので、どんどん血を通わせていきたいと思っています。

――お芝居のことに続けて、今回の舞台の脚本を読んだときの感想も教えてください。
 めちゃくちゃ愛に溢れていると感じました。流星隊は本当に家族みたいですし、紅月もお互いを思い合っているこその関係性を築いている。斑は基本的には一人で行動していますが、今回の話では愛を感じさせるエピソードがあります。話としては、決して明るくはありません。ただ、見終わった後に暗くもならない作品だと思います。

――その他、作品の推しポイントを教えてください。
 三毛縞斑が旧流星隊の衣装を着る瞬間があります。物語上、非常に重要なシーンなので、それを舞台上でどうやって演じているのかは、注目せざるを得ないんじゃないかと思います。誠心誠意演じますので、ぜひ、楽しみにしていてください。

――最後に横井さんから、2.5次元舞台の楽しみ方や魅力をお話いただければと思います。
 なるほど、そうだなぁ。「この原作が好きだから」という作品があれば、舞台には興味がなくても、まずは一度観ていただきたいなと思っています。僕も初めて音楽ライブに行ったときはすごく怖かったですが、大丈夫です。観てもらえさえすれば「ぶちかます(楽しんでいただく)」用意はできているので。まずは一歩勇気を出して踏み込んでもらえたら、頭の中に雷が落ちるかもしれません。僕が『涼宮ハルヒの憂鬱』を見たときのように、一度飛び込めば、人生が変わるかもしれません。
 とはいえ、無理やり好きになる必要もないです。一度観ていただいて、興味を持ってもらえれば嬉しいですし、僕個人としてはそう思ってもらえる世界だと感じています。まずは「『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Meteor Lights~」から、一歩を踏み出してみるのはいかがでしょうか?

三毛縞斑役・横井翔二郎

【プロフィール】
横井翔⼆郎【よこい・しょうじろう】1月28日生まれ。鹿児島県出身。青年座映画放送所属。主な出演作は「劇団シャイニング from うたの☆プリンスさまっ♪『天下無敵の忍び道』」セシル丸役、舞台「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」太刀花ユキノジョウ役、『ナナマル サンバツ THE QUIZ STAGE O(オー)』深見誠司役 など。

『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Meteor Lights~ 作品情報
原作:『あんさんぶるスターズ!』(Happy Elements K.K)
脚本:赤澤ムック
演出:宇治川まさなり
音楽:Arte Refact
出演:守沢千秋 役:佐伯亮 深海奏汰 役:井澤巧麻/南雲鉄虎 役:中西智也 高峯翠 役:松井勇歩(劇団Patch)仙石忍 役:深澤大河 三毛縞斑 役:横井翔二郎 蓮巳敬人 役:宮澤佑 鬼龍紅郎 役:武子直輝/神崎颯馬 役:神永圭佑
公演日程・劇場:
【東京】4月10日(土)~4月25日(日) 天王洲 銀河劇場
【兵庫】4月29日(木)~5月9日(日) AiiA 2.5 Theater Kobe
【東京凱旋】5月13日(木)~5月16日(日) 品川プリンスホテル ステラボール

■チケット取扱い:e+(イープラス)にて販売
■チケット価格:
一般 8,000円(税込/全席指定) プレミアムチケット(パンフレット+限定グッズ付き)11,000円(税込/全席指定)
※劇場にて、公演パンフレットとプレミアムチケット限定グッズ(非売品)をセットにしてプレゼントいたします。
■チケット販売スケジュール: 一般発売 4月3日(土)10時~

(C) 2016 Happy Elements K.K/あんステ製作委員会

『あんステ』三毛縞斑を演じる横井翔二郎がアニメや芝居を好きになった理由「いい意味で人生が狂いました」【インタビュー】

《M.TOKU》

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