年明けから新型コロナウイルス感染症の影響により放送延期や、イベントの中止などアニメ業界にとっても波乱が起きた年でした。そんな中でも、かつて放送された名作の再放送なども行われ、新しい作品の魅力だけでなく、過去作品の魅力も再発見できたのでは…。
そこでアニメ!アニメ!では、2020年を振り返り「2020年1番○○なアニメ」をピックアップ! 編集部が選ぶイチオシの作品を連載形式で紹介していきます。
『ランウェイで笑って』
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『ランウェイで笑って』キービジュアル
私が選んだ『ランウェイで笑って』は、“好きなことを仕事にする”を考えさせられたアニメであり、全く知らなかった世界に興味を持たせてくれたアニメです。
昨年購入した服はヒートテック3枚だけという、ファッションに興味のない筆者でしたが、本作の視聴をきっかけに、おしゃれな黄色のセーターを購入するほどになりました。
概要・ストーリー
身長158cmの藤戸千雪の夢は、パリコレモデル。モデルとして致命的な低身長を理由に、周囲は「諦めろ」と言うが、それでも折れない。そんなとき、家族を養うためにファッションデザイナーの夢を諦めようとする都村育人に出会う。これは一途に夢を追って走り続ける、2人の物語。
オススメポイント
主人公2人が、「貧乏」であることや「低身長」であるという自分の力だけではどうすることもできない状況に対して、とにかく根性で乗り越えていく展開は、まるでスポ根アニメです。
「好きなこと」を「仕事」に昇華させる難しさや、プロの世界の厳しさを高校生にはやや厳しすぎないかと感じるほど、真正面から突きつけてくる大人たちの発言。主人公たちは、その言葉に、ただ落ち込み諦めるのではなく、いま自分たちに出来ることを必死に取り組む姿には胸を打たれます。
予告編を見たときには、ファッションがテーマということもあり、少女漫画っぽい作風だなという印象でした。しかし、本編での、仕事を通じ、ライバルたちと切磋琢磨しながら主人公たちが成長していく姿は、まさに少年漫画の王道スタイルそのもの。原作が少年誌連載だということを後から知ったときには納得でした。
本作はいわゆる「お仕事もの」。ランウェイモデル・藤戸千雪とファッションデザイナー・都村育人、2つの職業の視点でストーリーが展開されていきます。ファッション業界は縁のない世界で、ランウェイで笑ってはいけないなんてことを全く知らなかった筆者。主人公たちが夢に向かってひたむきに頑張る姿を通して、ファッションに対しても興味をもつきっかけになりました。
『ランウェイで笑って』は、好きなことを仕事にしたいと考えている人たちにぜひ見てほしいアニメです。2人の熱量に刺激されて、自分の仕事にもきっと全力で向き合えるようになるはずです。
(C)猪ノ谷言葉・講談社/ランウェイで笑って製作委員会