大人になったら何になりたかった?
――本作の予告編では「大人になったら何になりたい?」とどれみが聞いています。みなさんが子どもの頃に抱いていた夢はなんでしょうか。
千葉:舞台役者をしていた兄の影響で、子どもの頃から役者になりたいと思っていました。
小学生時代に見に行った芝居で、兄が愛に関する曲を歌っていたんです。当時の私からすれば少し恥ずかしかったのですが、楽しそうに演じる兄が忘れられず「私も同じことがしたい!」と思って。だから今の私がいるのは兄のおかげです。

松岡:もともとは人見知りでおとなしい子どもだったんですが、「このままだと世の中を渡っていけない」と心配した母が、児童劇団の養成所に連れて行ってくれたんです。それがきっかけで、9つの頃から子役として活動していました。
そのため、「将来は芸能関係のお仕事でご飯を食べていく」と漠然と考えていました。
だから小学校のクラスメイトと将来の夢を語っていたとき、みんなはお花屋さんやケーキ屋さんみたいなかわいい夢を挙げているのに「芸能関係の仕事がなくなって、にっちもさっちもいかなくなったときは結婚する」と達観したことを言っていた記憶があります。(笑)。
秋谷:私は子どもの頃遊んでばかりいて、将来の夢についてそれほど考えていませんでした。
でも、子どもが好きだったので幼稚園の先生を目指すようになり、勉強の末、幼稚園教諭の免許を取得しました。でも残念ながら免許を持っているだけで、活用したことはありません。
それでも『どれみ』のおかげで全国の子どもたちと接する機会に恵まれましたし、幼稚園の先生を目指したことも無駄ではなかったかな、と思います。
――ありがとうございます。最後に映画を楽しみにしているファンへのメッセージをお願いします。
松岡:本作の主人公は、今まで『どれみ』を見てくれていたみなさんです。ぜひ「私が主役なんだ!」と思って見てほしいです。
登場人物の誰かに自分を投影させてもいいですし、自分だったらどう行動するかを考えてみるのもいいと思います。20年経った今、成長したみなさん自身とともに映画を楽しんでいただけると嬉しいです。
秋谷:スタッフやキャストのどれみ愛しか感じない作品に仕上がっていて……。(感極まりつつ)なんで私、泣きそうになってるんだろう(笑)。
松岡:私もさっき、すごく涙を我慢していました!
秋谷:『どれみ』を好きな気持ちが映画からたくさん伝わってくるので、思い出しただけでも泣けてきてしまいました。
千葉ちゃんも冒頭で言っていましたが、音楽面でも、当時見ていた方はより楽しめる仕掛けがあります。「あのシーンでかかっていた曲だ!」と思い出がよみがえるはずです。
『どれみ』は身近に起きることが題材になっているので、悩みや沈んだ気持ちがあったとしても、この映画を見ればなにかヒントが見つかって幸せになれると思います。ぜひ劇場で楽しんでください!

千葉:『どれみ』はみんなが好きになってくれたおかげで、今も大切にしてもらえている作品です。20周年を機に当時のスタッフが結集して、みんなのための映画を作りました。
由貴ちゃんも言っていたように、自分が作品の中に入って主役になった気持ちで見ていただけると、さらに楽しめると思います。
映画で初めて『どれみ』の世界に入る方も、敷居を感じなくて大丈夫です。『どれみ』の方向性は放送当時も今も、魔法ではなく人間の力で物事を解決していくこと。つまり現実と一緒なんです。
日々の中のひっかかりを解決するヒントにもなるので、映画を見ていただけると軽い気持ちになって、毎日を楽しく生きていけるのではと思います。
◆◆◆
20年分の思いがあふれ、メッセージを語るキャスト陣の目には涙が。同窓会のような和気あいあいとした雰囲気の中にも、作品やファンへの愛がにじみ出るインタビューとなりました。
キャスト陣も太鼓判の『魔女見習いをさがして』。子どもの頃の気持ちを思い出しながら、新たな物語をスクリーンで味わってみてはいかがでしょうか。

(C)東映・東映アニメーション