声優YouTube戦国時代…響が運営する「HiBiKi StYle」の戦略とは?「箱推しのファンを増やす」 【仕掛け人×紡木吏佐】 2ページ目 | アニメ!アニメ!

声優YouTube戦国時代…響が運営する「HiBiKi StYle」の戦略とは?「箱推しのファンを増やす」 【仕掛け人×紡木吏佐】

声優事務所・響が運営するYouTubeチャンネル「HiBiKi StYle」より、同チャンネルの企画から制作まで手がける“仕掛け人” 戸高明友美さんと、所属声優であり多彩な出演動画でファンを魅了する紡木吏佐さんにインタビュー。

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声優YouTube戦国時代…響が運営する「HiBiKi StYle」の戦略とは?「箱推しのファンを増やす」 【仕掛け人×紡木吏佐】
声優YouTube戦国時代…響が運営する「HiBiKi StYle」の戦略とは?「箱推しのファンを増やす」 【仕掛け人×紡木吏佐】 全 15 枚 拡大写真

ここから後半パートでは、出演者である紡木さんの目線から、HiBiKi StYleの特徴やYouTubeと声優との関係について語ってもらう。

「ついにお呼ばれされた!」と思ったHiBiKi StYleデビュー


――現在、HiBiKi StYleで様々な動画に出演されている紡木さんですが、最初はどのような形で番組に出演したのでしょう?



    紡木吏佐
    代表作:『BanG Dream!』チュチュ、『バミューダトライアングル ~カラフル・パストラーレ~』フィナ、『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-』秋風塁、『D4DJ』出雲咲姫、『アサルトリリィ BOUQUET』安藤鶴紗(2020年10月放送予定)など


紡木:私が響に所属したときにはすでにHiBiKi StYleが始まっていたので、すぐに自己紹介動画の出演依頼をいただいた記憶があります。もともと先輩たちが動画に出ていたので「ついにお呼ばれされた!」と思いました。


――振り返って、最初の番組出演はどうでしたか?

紡木:当時は日常的にYouTube動画を見ていなかったので、どこまで素を出していいのかわからず迷っていたし、初めて出演した動画は、第一印象は大事なのでどう振る舞おうかと考えていまい、しおらしいテンションだったと思います(笑)。

ただ、回を重ねるごとに素が漏れ出していったなぁと。なにしろファンのみなさんが「おもしろい」、「楽しい」と言ってくださったので「私はそのままの方がいいんだ」と思えました。
その結果、ファンの方に「やべーヤツ」とコメントをもらえるほど、“リミッターが外れて”今に至ります(笑)。


■企画はみんなが楽しくなれるように


――HiBiKi StYleでは声優さん自身が企画を出すパターンもあるとうかがいました。紡木さんがこれまでに出した企画には、どのようなものがありましたか。

紡木:「#おうち時間」シリーズで私が担当した動画は、自分で企画を出しているのですが、真っ先に提案したのは、ペットのフェレット、ちくわちゃんの紹介動画です。


――拝見しましたが、ちくわちゃん、とても可愛いかったです。

紡木:でしょー! 実はちくわちゃんのかわいさを世の皆様に見ていただきたい、と常日頃から思っていたんです!

戸高:ちくわちゃんの動画は一番乗りで企画が送られてきたんです。
「#おうち時間」シリーズは緊急事態宣言が出ている時期だからこそ出さなければ、と思っていたので普段よりスピーディーに進めていることもあり、立案から配信まで2週間程度で一気に仕上げましたね。

紡木:同じ「#おうち時間」シリーズでいうと、料理動画は以前バレンタインデー用に作ったクッキーが大失敗だったので(笑)、お菓子作りのリベンジをしようと思って企画しました。


事前に戸高さんから「なんでも挑戦していい」と言われていたんですが、やりたいことをいろいろ提案してみたら本当に全部許可がおりました(笑)。

戸高:料理動画は1時間もある大作が送られてきたのですが(笑)、約15分の尺に編集しています。

紡木:編集ではいつも動画のテロップでツッコミを入れてくれてありがたいです(笑)。


――最近はメイク動画もアップされていましたね。


紡木:コスメがとっても好きなので、自分の使っているおすすめのコスメを紹介したかったんです。

それと、実は普段ファンの方からプレゼントをいただくとき、ネタ系のものが多くて……。もちろん嬉しいのですが「私には女の子らしいイメージがないのでは……?」と少し心配でした。だからこそコスメ好きな一面をアピールするために動画を撮ろうと思いました(笑)。

実際にやってみて、メイク動画系YouTuberさんのようにコスメをカメラに向けるなど、新しいことに挑戦できて楽しかったです。

■「やべーやつ」は誉め言葉


――YouTube動画に出演するときに心がけていることはありますか。

紡木:強いて言うなら「己のままに」です。
HiBiKi StYleデビューしたばかりのころはどこまでが許容範囲かの線引きもわからなかったので、一度口にしそうになった言葉を抑えたこともありました。

少しずつ素を出すようになると、「そんなに怒られないし止められないんだな」と気づいて。みなさんが広い心で受け止めてくれるおかげで、「私は私だ!」と自然体のまま出演できるようになったんです。

私の人生は「みんなハピネス」がモットーなので、自分もスタッフさんもファンも楽しめるのであれば最高だと思い、自分らしく取り組んでいます。


――ちなみに、HiBiKi StYle以外のYouTuberの動画を参考にするときはありますか。

紡木:ゲームが好きなのでゲーム攻略動画を見たり、東海オンエアさんの動画をよく見ていますが、勉強のためというよりは私自身が笑顔になりたくてチェックしています。

初めて見たYouTuberの動画は、友だちにすすめられた東海オンエアさんの「【超閲覧注意】3秒ルールの限界を検証!」。かなり衝撃的な内容で、シチュエーションがだんだんエスカレートしていくんですが、「人ってこんなことができるんだなあ」と、人間の可能性を感じました(笑)。

実際に同じ企画ができるか、と言われれば考えてしまいますが、YouTubeを通して普段なら絶対に経験しないようなことに挑戦できるのは楽しいです。

――ちなみに、「作品で役を演じる」という本来的な声優のお仕事だけでなく、動画出演などマルチに活動することは、声優を目指した頃から想定していましたか?

紡木:まったく想定していませんでした。中学2年生頃に声優を目指し始めたのですが、そのときは「演技がしたい!」という気持ちが強かったです。

もちろん当時から顔出しをして歌ったり踊ったりする声優さんはいたので、演じること以外にも活動の幅が広がっていることは知っていました。とはいえ、まさか自分が動画に出させていただく日が来るとは……今でも驚いています。

――コメント欄を通じてファンの方のリアクションを直に受け取れることもYouTubeならではですが、メッセージをどう受け取っていますか?

紡木:基本的に私の動画に対するコメントが「やべー」ばかりなんです(笑)。
最初は何が「やべー」のかわかっていなかったのですが、最近ではその言葉を見るとむしろ安心する(笑)。もはや誉め言葉です。

紡木さんの動画に寄せられたコメント例。ポジティブな意味で「やべぇ」が使われている

「いつも通りの私=やべー」だと思うので、変わらずに素を出せたことへの評価だと思っています。みなさんが動画で私を見て笑顔になってくれれば、それだけでありがたいです。


――ファンにとっては、アニメで演じる役と紡木さん本来の姿とのギャップも楽しめそうですね。

紡木:YouTubeのおかげで私自身を知っていただく機会が増えました。
以前はアニメの役がきっかけで私に興味を持ってもらうパターンが多かったのですが、最近では告知をすると「あの紡木吏佐が無口な役を演じるなんてできるのか?」など、アニメそのものに興味を持ってもらえます。

作品への入り口としておもしろいサイクルができたと思いますし、演じるときのモチベーションのひとつになりました。

――ちなみに、紡木さんのYouTube動画を初めて見る人におすすめの1本を挙げるとすれば?

紡木:どれがいいかなあ……。六本木の街ブラ動画は私の動画ソロデビューでもあり、思い入れが深いのでぜひ見ていただきたいです。


誰もツッコんでくれない状況で、どうしたらいいのかと頑張っている姿が映っています(笑)。

当時は散歩動画があまり多くなかったので、私も事前にイメージがつかめなくて。ただ歩くだけでおもしろくなるのかと心配だったのですが、「楽しかった」とのコメントが多かったので安心しました。

あとは、先ほども話題にあがったちくわちゃんの動画です! フェレットは世界一かわいい!


■めざせ、食レポマスター!


――いろんな企画にチャレンジされていますが、今後挑戦したい企画はありますか。

紡木:これまでも身体を張る企画からお料理まで多種多様な企画がありましたし、私の希望は基本的に聞き入れてくれるので改めて考えるのは難しい……強いて言うならあいあいさん(相羽あいな)にプロレス技をかけてもらいたいです!

街ブラ企画ですと、以前六本木をお散歩したので、セレブ感つながりで“お銀座”に行ってみたいです。六本木は縁がなさすぎて……あの撮影以来、一度も行けていません(笑)。

地元の沖縄だったら街ブラも完璧なのですが……! 東京にある沖縄料理屋さんをめぐる企画でもいいです!
でも食レポはそれほど得意ではないので、練習しないといけません……。以前、企画で食レポをしたときにコメントで「放送事故」と書かれたことがありました(笑)。スキルアップ動画のように、「食レポ上手になろう」シリーズをやってみたいです。

戸高:紡木さんは本当に素直で、どんな企画でもスポンジのように吸収して、自分の個性も交えて大放出してくれます。このエネルギーをファンの皆さんが求めていると思うので、紡木さんのパワーを発散できるような企画を今後も考えていきたいです。



■声優としての引き出しが増えた


――最近は声優のYouTubeアカウントが急増しています。紡木さん自身の経験を踏まえて、「今の時代、声優はYouTubeに進出すべきか」どう考えていますか。

紡木:偉そうなことは言えませんが……私自身はYouTubeで活動することによって得られたものがたくさんありました。
作品から私のことを知っていただくだけでなく、私を入り口に作品やキャラクターを知っていただける。みなさんの目に触れる機会が増えたのはありがたいです。

また、普通に生きていたら経験できなかったことにたくさん挑戦できたので、演技や人生の引き出しが増えたと思います。
たとえばバンジージャンプなんて、企画がなければ絶対にチャレンジしていなかった。アフレコでバンジージャンプのシーンがあれば、堂々と演じられる自信があります(笑)。


――今後YouTuberとして、そして声優としての展望を教えてください。

紡木:実は私自身、YouTuberという自覚があまりないんです。動画に出させていただいている身なので、ひとつひとつのお仕事に対して私なりに一生懸命チャレンジしています。見ている人に楽しいと思ってもらえるよう、これからもがんばっていきたいです。

私は寝る前にYouTubeを見ることが多いのですが、見てくださった方に「明日も一緒に頑張ろうぜ!」と次の日への活力となる動画になったらいいな、と思っています。


声優としては、もっと演技力を高めていきたいです。アニメにはさまざまな性格や年齢の子がいるので、役の幅を広げたいと思っています。
とくに癖のあるキャラクターはとても楽しいので、今後もたくさん演じたいです。個性的であればあるほど、そのキャラクターについて考える時間が長くなりますし、愛着がわきます。性格、発言、背景などの答えを見つけていく作業が大好きなんです。

役の幅を広げるときに必要なのは人としての引き出しですし、観察力や経験も大切。これから人生を歩んでいく中で演技に通じる力はどんどんつけていきたいと思います。
HiBiKi StYleでもさまざまな企画に挑戦させていただけるので、引き出しを増やすためにも大切に取り組んでいきたいです。将来素敵な声優さんになれるよう、これからもがんばります!

――では、最後にこれからHiBiKi StYleを見てみようという方にメッセージをお願いします。

紡木: YouTube動画を見るきっかけがない人もいると思います。私自身、HiBiKi StYleに出演するまでは、あまり動画を見る機会がありませんでした。
YouTubeに踏み出せなかったという人は、一度でいいのでHiBiKi StYleをチェックしてください。「おもしろいからほかの動画も見てみよう」とみなさんの世界が広がれば、このうえない幸せです。
HiBiKi StYleは私以外にもかわいい方やかっこいい方など、多岐にわたるスタイルの役者がいるので、ぜひ自分の好みに合った動画を探してみてください!


◆◆◆
ブシロードコンテンツの魅力と、響所属声優の生き生きとした姿が楽しめるHiBiKi StYle。
その裏側には、誰もが笑顔になれるようなエンタメを届けようとする制作陣と声優の熱い想いがあった。HiBiKi StYleの動画を見て、ぜひ「響箱推し」になっていただきたい。
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《ハシビロコ》

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