最終作「シン・エヴァ」を観る前に総復習! 新劇場版「エヴァ」シリーズ過去3作の物語と“謎”をおさらい | アニメ!アニメ!

最終作「シン・エヴァ」を観る前に総復習! 新劇場版「エヴァ」シリーズ過去3作の物語と“謎”をおさらい

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の最終作、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が近日公開予定となりました。最終作の鑑賞前にこれまでのあらすじ、残された謎や旧作との違いなどをおさらいしておきましょう。

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『発表!全エヴァンゲリオン大投票』(C)カラー
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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の最終作、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が近日公開予定となりました(新型コロナウイルスの影響で、6月27日に予定していた公開の延期を発表)。

前作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の公開から約8年が経過していますが、最終作の鑑賞前にこれまでのあらすじ、残された謎や旧作との違いなどをおさらいしておきましょう。

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序


『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』場面写真(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』場面カット【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
本作は、地球の総人口の半分を奪った未曾有の危機「セカンドインパクト」発生から15年後の日本を舞台に、14歳の内向的な少年、碇シンジが「使徒」と呼ばれる巨大生物との戦いに巻き込まれていく物語。他者との接し方を知らないシンジが、恐怖を抱えながらも汎用ヒト型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオンに乗り込み、戦うことで成長していき、上司の葛城ミサトや同じエヴァパイロットの綾波レイとの関係を少しずつ築いていきます。同時にシンジたちが所属する組織・ネルフや、その上部組織・ゼーレが推し進める謎の計画「人類補完計画」の行方も示されています。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』場面カット【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
旧TVシリーズの第六話「決戦、第3新東京市」に相当する、日本中の電力を一点に集めて使徒を殲滅する「ヤシマ作戦」までの内容が、旧作を凌ぐ迫力とスケールで描かれています。旧作でもお馴染みである、作戦後にシンジから「笑えばいいと思うよ」と言われた時の綾波レイの微笑みは、今回あらためて多くのファンを惹きつけました。

旧TVシリーズとの違い


『序』の展開の多くは、旧TVシリーズと重なっていますが、いくつかの違いは存在しています。旧作の舞台は西暦2015年と年代が明確にされていましたが、本作では「セカンドインパクト」の15年後とだけ言及され、正確な年代は明らかになっていません。また、旧作では物語の中盤以降に登場する、ネルフ本部に隠された巨大な人型生物「リリス」が本作では早くも登場したことも大きな変更点です。

使徒に関しても、旧作第一話で遭遇する使徒は第三の使徒でしたが、新劇場版では1つずれて第四の使徒になっています。さらに、旧作では青かった海が新劇場版では赤くなっているのもビジュアル面での大きな違いです。
そして、旧作では最終盤に登場した人気キャラクター、渚カヲルが本作で早くも登場したのも見逃せない相違点でしょう。



ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破


『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』場面写真(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』場面カット【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
多くの展開が旧TVシリーズと重なっていた『序』とは打って変わり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では独自の展開が格段に増加しています。ドイツ出身のエヴァパイロット、式波・アスカ・ラングレーが加わり、シンジ、レイと3人で使徒に立ち向かい、新たな関係を築いていきます。

前作ではほとんど感情を見せることのなかったレイも「碇君といるとポカポカする」と発言したり、シンジのために食事会を企画するなど、少しずつ他者と関わろうと変化していく様子も見どころ。

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』場面カット【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
また、ネルフやゼーレの陰謀が加速し、犠牲になる子供たちの姿も描かれます。シンジも父ゲンドウのやり方に反発し、エヴァパイロットを辞退。しかし、レイを救うために再びエヴァに乗り込み、サードインパクトに引き金になってしまいます。

本作は、旧TVシリーズ第八話から第弐拾話までに相当する部分を、大幅にエピソードを追加・変更しています。ファンを最も驚かせたのは、やはりエヴァの新機能、裏コード「ザ・ビースト」でしょう。パイロットの目が変色し、理性がなくなるような描写とともに、機体も獣のような形状に変形。戦闘力が大幅に高まり、終盤の戦闘シーンを一層盛り上げました。

また、サードインパクト直前では有名フォークソング「翼をください」が劇中歌として使用され、壮大なスケール感に荘厳さを加えています。

旧TVシリーズとの違い


最大の変更は、旧作には登場しなかった真希波・マリ・イラストリアス(漫画版には登場経験あり)が新たなエヴァパイロットとして登場すること。シンジの父を「ゲンドウ君」と親しげな雰囲気で呼ぶなど意味深な発言が多く、その存在は謎に包まれています。

『発表!全エヴァンゲリオン大投票』(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』場面カット【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカの名前が変わっているのも(旧作では惣流・アスカ・ラングレー)公開当時にファンを驚かせました。アスカに関しては名前の変更だけでなく、物語上の役割も大きく変更があります。旧TVシリーズでは、シンジの同級生・鈴原トウジが搭乗する三号機の起動実験に乗り込むパイロットにされています。

そして、本作最大の旧作からの変更点は、裏コード「ザ・ビースト」と呼ばれるエヴァの新たな機能。ネルフの一般職員も知らないその能力を、なぜかマリは知っていたのです。
さらに、ネルフの月面基地でエヴァンゲリオンMark.06が製造され、カヲルがそれに乗り込む姿も本作で初めて描かれました。

残された謎


ミサトの元恋人であり、多重スパイの加持リョウジの役割にも変化が見られます。加持がゲンドウに渡すものは旧作では「アダムの幼体」でしたが、本作では「ネブカドネザルの鍵」というものに変更されており、これがどのようなものなのかは明らかになっていません。

新登場のマリの出自も気になります。思わせぶりな発言を多く残し、裏コード「ザ・ビースト」についても知っていたことから、ミサトたちも知らないネルフやゲンドウの秘密にも精通しているのかもしれません。

ゼーレの真の狙いや、それとは異なるゲンドウの狙いなど、それらがサードインパクトの発動とどう関わっているのかなど、多くの謎を残しながらも、大きく物語が動き出し、ファンの期待が最高潮に高まった作品でした。



ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q


『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
『序』『破』と異なり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は旧作と重なる展開はなくなり、完全に新劇場版シリーズオリジナルの物語が紡がれます。物語の舞台は『破』の14年後。ミサトやアスカたちはネルフに対抗する組織「ヴィレ」を結成しており、封印されていたシンジを強奪します。
14年間眠り続けていたシンジはことの成り行きがわからず、ヴィレを急襲したエヴァンゲリオンMark.09に乗ったレイ(のクローン)に付いていくことに。シンジは崩壊したネルフ本部でゲンドウと対面し、カヲルとともにエヴァンゲリオン13号機に乗れと告げられます。

『発表!全エヴァンゲリオン大投票』(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』場面カット【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
シンジはカヲルとの交流でひとときの安らぎを得ますが、サードインパクトが自身によって引き起こされ、それによって世界が崩壊したと知り絶望……。世界をやり直すため、13号機にともに乗ろうとカヲルに誘われますが、ネルフ本部に乗り込んだアスカやマリたちと交戦することに。さらにはゲンドウの策略によってカヲルを目の前に亡くし、フォースインパクトの引き金になりかけてしまうのです。

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』場面写真(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』場面カット【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
今回は、『破』で大重症を負い、安否が危ぶまれていたアスカが大活躍。ヴィレの中心としてシンジ奪還作戦の最前線で戦い、フォースインパクトを防ぐためのクライマックスでビーストモードを披露して、敵を食い止めます。絶望したシンジに呆れながらもきっちり助けるなど、ヒーローの立ち位置に努めています。

『発表!全エヴァンゲリオン大投票』(C)カラー
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』場面カット【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
本作ではエヴァ同士の戦いが描かれるのも大きな見どころ。改2号機と8号機のコンビと、13号機とMark.09がぶつかり合う展開は、前2作や旧TVシリーズにもなかった展開です。

また、激しい戦闘シーンだけでなく、シンジとカヲルがピアノの連弾で心を通わせていくシーンにも注目。美しい音楽と映像による優れた感情表現となっており、シンジがなぜカヲルに信頼を寄せるのか、旧作以上に説得力ある表現がなされています。

新たに追加された謎


前作『破』から一気に14年が経過し、さらに謎が大きく広がりました。その14年間に何があり、ミサトたちはネルフと敵対することになったのか。前作で瀕死の重傷を負ったアスカが復活できた理由、そしてエヴァパイロットたちが一様に年を取っておらず、それをアスカが「エヴァの呪縛」と表現したこと。前作で登場した「ネブカドネザルの鍵」の役割、そしてそれを持ち込んだ加持リョウジの消息など、数多くの謎が残されています。ゲンドウの目指す最終目標も未だ詳細は不明のままとなっています。



今までの作品を旧作シリーズと比較しながら振り返ってみましたが、多くの謎が提示されており結末の予想も難しいですね。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では、これらの謎に全ての決着が着くのでしょうか。終わってしまうのが名残惜しくもありますが、この壮大な物語の終着点を見届けられる日を楽しみに待ちましょう。

(C)カラー (C)カラー/Project Eva. (C)カラー/EVA製作委員会

《杉本穂高》

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