「バンドリ!」キーパーソン・中村航が明かす誕生秘話。ポピパの物語づくり、「ARGONAVIS」との違いまで【インタビュー】 | アニメ!アニメ!

「バンドリ!」キーパーソン・中村航が明かす誕生秘話。ポピパの物語づくり、「ARGONAVIS」との違いまで【インタビュー】

BanG Dream!にArgonavisにD4DJ、ブシロードの人気プロジェクトに多く携わる小説家・中村航。彼にその軌跡や、ものづくりの思考・心得を聞いてみた。

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ブシロードプロジェクトのキーパーソン
中村航スペシャルインタビュー


BanG Dream!にArgonavisにD4DJ、ブシロードの人気プロジェクトに多く携わる小説家・中村航。彼にその軌跡や、ものづくりの思考・心得を聞いてみた。

中村航 プロフィール



1969年生まれ。A型。2002年『リレキショ』にて第39回文藝賞を受賞し小説家デビュー。ベストセラー『100回泣くこと』ほか、『デビクロくんの恋と魔法』、『トリガール!』など、映像化作品多数。

※本インタビューは「月刊ブシロード2020年5月号」からの転載記事となります。

みんなで走ってたバンドリ!創成期


――中村先生は、どのような経緯で『バンドリ!』プロジェクトに携わるようになったのでしょう?

中村:ブシロードさんが「ガールズバンドものを制作したい」ということで、バンドものの原作が書ける人を探していたところ、僕の著書である『ぐるぐるまわるすべり台』(文春文庫)を読んだ編集者からお声がけいただきました。

物語づくりだけじゃなくて、リアルバンドも動かしてライブをやって、アニメやゲームにも展開するという話を聞いて、ワクワクしましたね。

――実際に携わることになり、何から作りはじめたんでしょうか?

中村:「愛美さんを主人公としたガールズバンドもの」というところから、少しずつ広げていきました。
メンバーの数だとかバンド編成だとか楽器をどうするだとかも、指さし確認しながら、決めていった感じです。

最初は関わる人間もまだ少なくて、手作り感満載でしたけど、楽しかったですね。
スタッフはもちろん、キャストのみんなが、本当に頑張ってたので。僕も前向きに取り組んできました。

――Poppin'Party(ポピパ)の物語はどのように生まれたのでしょうか?

中村:「香澄がメンバーと出会っていく物語を作ろう」という大枠があって、キャラクターのバランスをとっていきました。

香澄
ただ「キャラクターとリアルがリンクする」がコンセプトでもあったので、キャストによってキャラも多少変わったり、さらにストーリーも修正したり…。

実際に起こったことを盛り込みつつ、相互作用しながら同時進行で作っていった感じです。
ある意味、プロレス的な手法かもしれませんね(笑)。

――ポピパには星のテーマやモチーフが多い気がしますが…?

中村:もともと星のイメージは「ランダムスター」というギターから出てきたんです。女子高生がランダムスターを持ったら面白いかなと。
街で星のマークを追いかけていったら、星型のギターに出会った。そして、かつて自分が星を見たときに感じたドキドキを思い出して、『キラキラドキドキしたい』に繋がっていく。

もうひとつ、これはまったくの偶然なんですけど、ポピパメンバー4人の名前の頭文字を取ると「STAR(星)」(沙綾=Sa-ya、たえ=Tae、有咲=Arisa、りみ=Rimi)になるんですよね。
もうきっとこれは、香澄もキャストもスタッフも「みんなで星を追いかけていく」というのが、バンドリ!プロジェクト全体の宿命的なテーマだったんですよ(笑)。

Poppin'Party

ポピパの歌詞は香澄が書いている


――ポピパの楽曲の歌詞を手掛けるようになったのは?

中村:音楽ものの作品で、オリジナル曲の歌詞は、絶対に大事だと最初から思ってました。
歌詞がストーリーを引っ張るときもあるし、その逆もある。自分がやるべきだと思ったし、何よりやりたかったんですよね。

僕自身が学生時代からバンドをやっていて、小説を書く前から作詞はしていたんですよね。
最初に「Yes! BanG_Dream!」の歌詞を作って、見てもらって、「ほら、できるでしょ?」みたいな感じですかね(笑)。

――作詞をする際に心がけていることはありますか?

中村:「香澄が作詞している」ということを念頭に、香澄以外からは出てこない「強い言葉」を、必ずひとつは作りたいと考えています。

それから、聴いた人に伝わる・共感する「メッセージ性」と、短い歌詞の中でも感じられる「物語性」を共存させたいなと。
そういった意味では、「STAR BEAT!~ホシノコドウ~」、「八月のif」、「キズナミュージック」あたりは、特にうまく仕上がったかもしれないです。

コミック『BanG_Dream![星の鼓動]』第1巻&第2巻
最近は歌詞を作りながら、「メンバーがこういう気持ちで、こういう歌い方で歌ってくれるだろうな」というのが、だいたいわかるようになりましたね。


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