『rockin’on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』をはじめとしたフェス出演や地上波TV番組への登場など、活躍の場を広げている「Poppin’Party(ポッピンパーティ)」を筆頭に『BanG Dream!』から生まれたバンドの話題を目にしない日はない。
また、東京在住の方は、JR山手線の駅でよく広告を見かけたり、ラッピング電車に乗ったりしたことがある人もいるのではないだろうか。
そんな人気コンテンツから2018年5月、ボーイズバンドをメインとするプロジェクトが始動。
それが『ARGONAVIS from BanG Dream!(アルゴナビス フロム バンドリ!)』だ。
こちらも男性声優が実際にバンドを組み、ライブなどの活動を行っている。
始動から2年が経ち、この春には満を持してTVアニメの放送もスタートした「ARGONAVIS」。
アニメファンや男性アイドルファンから大きな注目を集めているが、読者の中には「名前は聞いたことがあるけどよく知らない…」「気になってたけど手を出せていなかった…」という人も多いだろう。
そこで、本稿では、プロジェクトの歩みや各バンドの特徴、今後開催されるライブ情報などを初心者向けに解説。TVアニメが始まった今、「AROGONAVIS」にハマる絶好の機会のため、入門記事としてぜひ参考にしてほしい。
- 【目次】
- 1.『ARGONAVIS from BanG Dream!』とは?
- ・ボーイズバンド『Argonavis』誕生
- ・アニメ化、ゲーム化、新バンド始動など、怒涛の展開が続く
- 2.バンドといってもジャンルはさまざま! スカ、テクノ、ヴィジュアル系も…
- ・Argonavis
- ・GYROAXIA
- ・FantômeIris
- ・風神RIZING!
- ・εpsilonΦ
- 3.バンドの特徴を捉えた楽曲が魅力!
- 4.Argonavis・GYROAXIAによるARGONAVIS 3rdLIVE 開催決定
- 5.「Argonavis」の軌跡を3DCGで描く! TVアニメ放送中
- ・3DCGで描かれる、迫力ある演奏シーン
- ・キャラクターそれぞれにフィーチャーしたストーリー
- 6.『ARGONAVIS from BanG Dream!』今後の展開も目が離せない!
■『ARGONAVIS from BanG Dream!』とは?
『ARGONAVIS from BanG Dream!』を紹介するには、まず『BanG Dream!』の説明が欠かせない。
・現在も人気が留まることを知らない『BanG Dream!』
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『BanG Dream!』とは、ライブ、アニメ、ゲームなどさまざまな媒体で展開されているメディアミックスプロジェクトのこと。
声優自身がステージで楽器を演奏しているのが特徴のひとつで、現在は「Poppin'Party(ポッピン パーティ)」のほか、「Roselia(ロゼリア)」「RAISE A SUILEN(レイズ ア スイレン)」「Morfonica(モルフォニカ)」という計4組のリアルバンドが存在している。
こちらは、2015年から「月刊ブシロード」にて約1年間連載されたコミック『BanG Dream![星の鼓動(スタービート)]』からスタートし、2016年には小説版『BanG Dream! バンドリ』が出版。
さらに2017年1月から4月にかけてTVアニメ第1期が放送されたほか、同年にスマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』がリリース。
オリジナル曲やアニソンカバー楽曲を使用したリズムゲーム、バンドメンバーとの会話を楽しめるアドベンチャーパートが人気を呼び、リリースして1か月で国内ユーザー数100万人超えを記録。2020年4月には、1200万人を突破した。
・ボーイズバンドプロジェクト『ARGONAVIS from BanG Dream!』誕生
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2018年5月、『BanG Dream!』にはガールズバンドしかいなかったところに、突如発表されたのが、ボーイズバンドプロジェクト『ARGONAVIS from BanG Dream!』の始動。
そしてバンド「Argonavis」結成が発表され、同年9月に東京・下北沢GARDENにて行われた「0-2nd LIVE -始動-」にてキャラクター名とシルエットが公開。
その後、5人体制で正式に活動を開始することが明らかとなった。
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カメラマン:西槇太一
なお、キャラクターを演じる声優がリアルでもバンド活動を行うということは同じだが、『BanG Dream!』とは世界線が違う設定となっており、ガールズ、ボーイズ両バンドが物語中で関わることはない。そのため『BanG Dream!』の知識が無くても、問題なく本プロジェクトを楽しめるので安心してほしい。
・アニメ化、ゲーム化、新バンド始動など、怒涛の展開が続く
2019年5月、記念すべき5人揃ってから初めての“フルライブ”である1stライブ「BanG Dream! Argonavis 1st LIVE」を舞浜アンフィシアターにて開催。アニメーションミュージックビデオの制作やコミカライズ連載の開始が発表される。
……そしてここから、怒涛の展開と言っていいほど重大発表が重なることに。
同年11月に行った「ARGONAVISプロジェクト発表会」にてTVアニメ化、アプリゲーム化が発表されたほか、なんと新バンド「GYROAXIA(ジャイロアクシア)」「Fantôme Iris(ファントムイリス)」を初公開。
また、「月刊ブシロード」にて4コマ漫画『ぷちゴナビス』の連載も開始となった。
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カメラマン:西槇太一
さらに2020年1月には、追加となる新バンド「風神RIZING!(フウジンライジング!)」、2020年2月に「εpsilonΦ(イプシロンファイ)」の存在も明らかに。
また、4月よりTVアニメ放送がスタート、後半にはスマートフォン用ゲームアプリ『アルゴナビス from BanG Dream! AAside』が配信開始予定だ。
■バンドといってもジャンルはさまざま!スカ、テクノ、ヴィジュアル系も…
プロジェクトタイトルになっている「Argonavis」のほか、前述した通り『ARGONAVIS from BanG Dream!』には「GYROAXIA」「Fantôme Iris」「風神RIZING!」「εpsilonΦ」というボーイズバンドが存在する。
ここからは、各バンドの特徴や、メンバーを紹介していこう。
・Argonavis
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ボーカル・七星 蓮(CV:伊藤昌弘)、ギター・五稜結人(CV:日向大輔)、ベース・的場航海(CV:前田誠二)、キーボード・桔梗凛生(CV:森嶋秀太)、ドラム・白石万浬(CV:橋本祥平)からなる「Argonavis」は、北海道函館市を拠点とした、全員が大学一年生のバンド。
普段は大人しいが、音楽のことになると熱い蓮。ポジティブなリーダー・結人。慎重な性格の航海。天才・凛生。合理主義なムードメーカー・万浬という、個性がバラバラで一見合わなそうに見える5人だが、パズルのピースのようにそれぞれが持つ音楽性がピッタリと合わさった瞬間、奇跡の旋律が生まれる。
ポップなメロディに疾走感溢れるサウンドで、聴いていると元気になれるような楽曲が多い青春系ロックバンド。
・GYROAXIA
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ボーカル・旭 那由多(CV:小笠原 仁)、リードギター・里塚賢汰(CV:橋本真一)、リズムギター・美園礼音(CV:真野拓実)、ベース・曙 涼(CV:秋谷啓斗)、ドラム・界川深幸(CV:宮内告典)からなる「GYROAXIA」は、激しいバンドサウンドが特徴。
リーダーである那由多は、圧倒的な歌唱力とカリスマ性によって、GYROAXIAを“支配”している。
バンドメンバーには能力以外を求めておらず、求めるレベルに達しなければ容赦なく切り捨てるほど。そんな彼のもとに集った4名で構成されているだけあり、かなりの実力派バンドだ。
また、リードギターの里塚賢汰は、「Argonavis」のベース・的場航海の兄。両親の離婚によって別々に暮らしているが、折に触れて気にかけている。音楽の魅力はもちろん、両バンドの兄弟ふたりに“関係性萌え”を見出すのも楽しみ方のひとつだ。
・Fantôme Iris
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全員が社会人で構成された、名古屋出身のヴィジュアル系バンドである「Fantôme Iris」。
ボーカルのフェリクス・ルイ=クロード・モンドール(CV:ランズベリー・アーサー)が語学教師。ギターの黒川 燈(CV:和田将弥)が医療系システムエンジニア。同じくギターの洲崎 遵(CV:福山 潤)がプロゲーマー(ニート)。ベースの御劔虎春(CV:代永 翼)が保育士。ドラムの楠 大門(CV:鮎川太陽)がカフェ経営兼夜間警備員という、一風変わった経歴を持つメンバーが集まった。
楽曲、パフォーマンス、衣装などは、ヴィジュアル系らしいゴシックテイスト。
自由奔放なフェリクスがメンバーを振り回しているように見えつつも、どこか「ついていきたい」と思わせる人間的魅力が備わっている彼を中心とした、強固な関係性が築かれたバンドとなっている。
・風神RIZING!
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「風神RIZING!」は、長崎出身のスカバンド。「Argonavis」「GYROAXIA」と同じく、メンバー全員が大学生で構成されている。
メンバーは、ボーカル&サックス・神ノ島風太(CV:中島ヨシキ)、ギター・椿 大和(CV:金子 誠)、ベース・早坂絋平(CV:阿部 敦)、トロンボーン・若草あおい(CV:酒井広大)、ドラム・五島 岬(CV:吉野裕行)の5名。
風太、あおい、岬、絋平は幼馴染。大和は高校卒業直前に東京から長崎へ越してきたためフウライメンバーとの付き合いは短いが、5人はいつだって仲良しだ。
・εpsilonΦ
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なんと、ボーカルの宇治川紫夕(CV:榊原優希)が中学1年生、その他のメンバーも高校生という「εpsilonΦ」は、京都出身のオルタナティヴロックバンド。
ボーカル・宇治川紫夕のほか、ギター&ボーカル・二条 遥(CV:梶原岳人)、その双子の弟でベース担当・二条 奏(CV:市川太一)、シンセサイザー・鞍馬 唯臣(CV:峰岸 佳)、ドラム・烏丸 玲司(CV:立花慎之介)で構成されている。
他人の苦痛・怒り・絶望の表情に楽しみを見出し、幼い頃から多くの人生を台無しにして生きてきた紫夕。弟への憎悪に苦しむ遥。兄に歪んだ愛情を向ける奏。人間観察が趣味の唯臣。紫夕に付き従いながらも復讐に燃える玲司という、“闇が深い”バンドだ。
その闇は音楽性にも反映され、アンバランスの中に美しく歪んだメロディーを奏でている。
■バンドの特徴を捉えた楽曲が魅力!
ここからは各ユニットの音楽面の魅力を深掘るために、代表曲をピックアップして紹介していく。
・ゴールライン/Argonavis
本楽曲は、「Argonavis」の記念すべき1stシングル。作詞をストーリー原案の中村 航、作曲を渡辺拓也が担当し、終わりの見えないゴールへとスタートを切る「Argonavis」の“決意”を表現している。
疾走感あるサウンドにのせた、勇気が湧いてくるような歌詞を、蓮が優しい声でエモーショナルに歌い上げている。
・MANIFESTO/GYROAXIA
重く響くラウドサウンドにのせた力強い歌声と、挑発的なパフォーマンスが特徴。
GYROAXIAはArgonavis 2nd LIVEでシークレットゲストとして初めてライブ出演、2曲のみの披露だったのだが、初出演、初演奏とは思えないパフォーマンスを魅せつけ、観客を一気に熱狂の渦に巻き込んだ。
・銀の百合/Fantôme Iris
ヴィジュアル系らしいヘヴィでダークなサウンドに気品あるストリングスが取り入れられ、特徴的な歌詞とともに幻想的な世界観が表現されている。
・バンザイRIZING!!!/風神RIZING!
スカバンドなだけあり、トランペット、トロンボーン、サックスが取り入れられた派手なサウンドに、明るく爽やかな曲調が特徴だ。
・光の悪魔/εpsilonΦ
シンセサイザーがきいたサウンドと、どこか心をえぐるようなメロディアスな部分が配合され、かわいらしい見た目と相反したヒリヒリした印象を持つ。
また、ツインボーカルによる紫夕と遥の高音のハモリがよりカオスな雰囲気を演出している。
■Argonavis・GYROAXIAによるARGONAVIS 3rd LIVE開催決定
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上記の楽曲を聞いて、ぜひライブに行ってみたいと思った方もいるのではないだろうか。
そんな方に朗報! ARGONAVIS 3rd LIVE「CROSSING」の開催が予定されている。
ただ、2020年4月28日(火)・29日(水・祝)の2日間にわたって行われる予定だったのだが、新型コロナウイルス感染症の情勢による外出自粛要請を受け、“延期”を発表。振替公演の日程は、後日改めて公式サイト等にて知らされるとのこと。
延期を受けて、本来イベントが行われるはずだった28日・29日に、3rd LIVEのセトリ、演出を基にキャラクターが織りなす"音"のみのライブ『ARGONAVIS 3rd LIVE CROSSING "Sound Only Live"』のYouTube配信が決定。
DAY.1にはFantôme IrisよりVo.FELIX(CV.ランズベリー・アーサー)、DAY.2にはεpsilonΦよりVo.宇治川紫夕(CV.榊原優希)のゲスト参加が決定しており、2DAYSで異なるセットリストとキャラクターによるMCやボイスドラマで構成されるフルボリュームでお届けする無料配信ライブとなっている。
アーカイブ配信の予定はないということなので、両日合わせての視聴をオススメする。
■「Argonavis」の軌跡を3DCGで描く! TVアニメ放送中
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『ARGONAVIS from BanG Dream!』を堪能できるのは、ライブだけではない。
冒頭でも述べた通り、4月10日よりTVアニメ『アルゴナビス from BanG Dream!』が放送中だ。
・3DCGで描かれる、迫力ある演奏シーン
アニメでは、「Argonavis」の軌跡が迫力ある3DCGで展開。また、バンド演奏シーンでは、生演奏ライブも行う声優自身のモーションキャプチャーを使用するなど、等身大のリアルさを追求している。
ボーカル・蓮の歌っている時の動作はもちろん、ギター、ベース、キーボード、ドラムを演奏する指の動きに加え、弦やハイハットの揺れまで実写のような再現度。
これらは、アニメが始まってすぐに流れるオープニングで堪能することができるのだが、まるで実際にライブDVDを見ているようなカメラワークもあって、より臨場感あふれるライブシーンを味わうことができる。
・キャラクターそれぞれにフィーチャーしたストーリー
公式サイトにキャラクターの説明はあるものの、これまでそれぞれの物語を深く描いたコンテンツはなかった。
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TVアニメでは、結人と航海がどうやって蓮をバンドへと導いたのか、他メンバーはどのようにして加入となったのか、さらに、メンバー同士の関係性などを知ることができる。
今後は「Argonavis」のほか、「GYROAXIA」も登場予定だ。
■『ARGONAVIS from BanG Dream!』今後の展開も目が離せない!
現在アニメも放送中、さらに今年後半にはアプリゲームもリリースされる本プロジェクト。
ガールズバンドたちの活躍が目覚ましいだけあり、こちらも今後の展開から目が離せないところだ。
今回、記事を読んで興味を持った方は、まず楽曲を聴いてオススメのバンドを見つけてみてほしい。その後にアニメを見て、彼らの軌跡に触れた時、きっとあなたは『ARGONAVIS from BanG Dream!』の虜になっているだろう。
そして、よりコンテンツを楽しみたいと思ったなら、折を見てぜひリアルライブに足を運んでいただきたい。「リアル」と「2次元」が融合した本プロジェクトの魅力をダイレクトに味わえるはずだ。
『ARGONAVIS from BanG Dream!』公式サイト
TVアニメ『アルゴナビス from BanG Dream!』公式サイト