◆多数をなぎ倒す爽快アクションと、高LVキャラに挑む“足掻き”も楽しい『シャイニング・フォース ネオ/イクサ』
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当時気になっていたけれどプレイする機会がなかった『ロードス島戦記 邪神降臨』の流れを汲む作品として『シャイニング・フォース ネオ』のことを知り、早速手を出してみたところ、アクションの小気味よさに陥落。その続編となる『シャイニング・フォース イクサ』ともども、お気に入りの作品となりました。
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見下ろし型の視点で、数多の敵をなぎ倒すアクションRPG形式の本シリーズは、装備やLVアップによる戦力強化に加え、ハック&スラッシュ要素もあり、爽快感が満点。また、ちょっとルートを外れて進むと、高LVの敵がごっそり現れて一発昇天するなど、侮れない緊張感もそこかしこにありました。
この、LV差のある敵をどうやって倒すかに燃え、少し育成が進むたびに舞い戻り、「うーん、まだダメか・・・」「あとちょっとでいけそうだな」と模索するひとときもまた、楽しい時間のひとつでした。
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そして、前作の魅力を受け継いだ『イクサ』は、「トウマ」と「シリル」のダブル主人公制に。シリルはボウガンも使えたため、LV差のある強敵を遠距離で射殺する楽しさと、一瞬のミスでやられる緊張感を存分に味わえ、こちらも印象に残る作品となりました。
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ちなみに、ゲーム進行に則ったルートを進んでいけば、LV差の大きい敵と戦うことはありません。決して、無茶なLV差を覆すのがゲーム性の主軸ではなく! ですが、そういった無茶なプレイを許容する懐の広さも、本シリーズが持つ魅力のひとつでしょう。
◆衝撃的な“5センチメートルジャーニー”『ボクは小さい』
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長いゲーム史の中には、個性豊かな作品が数多くあります。決して主流にならない切り口でも、しっかりとしたゲーム性を備えて魅力へと昇華した作品も少なくありません。この『ボクは小さい』も、稀有で素晴らしいゲームのひとつです。
洋館全体を舞台とするゲームはいくつもありますが、本作の舞台は日本の標準的な一軒家のみ。非常に狭い範囲と思われるかもしれませんが、しかし実状はまったく異なります。というのも、主人公の大きさはわずか5cm。そのため相対的に、4LDKの家屋が相当な広さとなります。
本作の目的は、この家屋で助けを待つ仲間を救出しながら、指名手配中の凶悪犯を捕らえること。しかし、巨大過ぎる家の中は、行きたい場所に移動するのも一苦労。人間サイズでは想像もしない経路を使って移動する醍醐味は、初めて味わう新体験でした。
住人達の生活や会話をこっそり覗くのも刺激的ですし、ゲームを進めていくことで時間移動も可能になり、そこから新たな発見に辿り着くのもまた楽しい。ちょっと視点を変えるだけで、日常にある非日常が垣間見えてくる──そんな、新しい扉を開けてくれたゲームでした。
『ボクは小さい』の影響で、ハードは異なりますが、同じく「家」を舞台とした『ちびロボ!』にも手を出し、こちらも非常に楽しいひとときを堪能しました。家の中を大冒険するゲームは希少ですが、このジャンルに外れなし! と言いたくなるきっかけとなった『ボクは小さい』。個人的なPS2史に残る名作です。
◆戦闘が面白い! 100年の歩みが切ない! 台詞も印象的な『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』
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それぞれの列で行動内容が変化する「3列×4マス」のフィールドに7人のメンバーを配置し、戦況に合わせて隊列を入れ替える「ローテーションバトル」を採用した『7~モールモースの騎兵隊~』。
敵が誰を攻撃するかといった一部ランダムの要素はありますが、事前に決定する隊列の配置とローテーションのタイミングが戦局の大半を握っており、戦力の分析と戦略から導き出す計算が、勝利という結果に辿り着いた時の達成感は並みならぬものがありました。
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この「ローテーションバトル」の楽しさを提案した『7~モールモースの騎兵隊~』は、バトルと育成が主軸で、チュートリアルを兼ねた物語は比較的あっさり風味。ですが、「ローテーションバトル」を受け継ぎ、物語面をたっぷり膨らませた『ヴィーナス&ブレイブス』が、約2年後に登場しました。手応えのあるゲーム性と物語が結びついて、面白くないわけがありません。
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しかも『ヴィーナス&ブレイブス ~魔女と女神と滅びの予言~』は、設定やシチュエーションも秀逸。不老不死の主人公「ブラッド」は、100年後に訪れる災厄に立ち向かうべく、多くの仲間たちを率いて戦いや育成に励みます。しかし、人の寿命は限られており、戦闘に耐えうる最盛期は更に短め。早ければ数年単位で、出会いと別れを経験することになります。
ゲーム開始直後から、戦力外の騎士を団から外したり、ブラッドを慕う少女の気持ちに応えられず、彼女が別の仲間と結ばれた姿を見送るといったシーンが続々と。「退団」などのチュートリアルを兼ねているとはいえ、ブラッドの孤独を存分に表現してくれます。
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ですが、別れだけではないのが、『ヴィーナス&ブレイブス』の憎いところ。戦力外通告をした騎士のその後を意外な形で知ることができたり、引退した団員の息子や娘が入団希望者として訪れたりと、新たな出会いに繋がる時も。切ない別れと嬉しい出会いの折り重ねが、本作の思い出をより深いものにしてくれます。大事なのは間合い、そして引かぬ心──そんな名台詞も忘れられない、100年の“重み”が“絆”となる作品です。
今回は、以上の6本をピックアップさせていただきましたが、この他にも数多くの作品がPS2を彩りました。名作からマイナー作まで、その幅広さも魅力のひとつ。当時と違い、今はインターネットが非常に身近な存在となっているので、お気に入りの1本をSNSで語ってみたり、他のユーザーの思い出を辿ってみてはいかがでしょうか。
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