上映終了後のトークショーには、富野由悠季総監督と荒木啓子PFFディレクターが登壇。「未来の問題を子供たちに考えて欲しくてベルリとアイーダの物語を創った」という富野総監督が、客席の少年少女へ向けて本作へ込めた思いを語り、寄せられた質問に答えた。
富野総監督は、PFFで本作が上映されたことについて「今日この場に呼んで頂いたことに驚いてもいるしあきれてもいます。『ガンダム Gのレコンギスタ』という巨大ロボット物がここで上映されると思っていませんでした。でも本当のことを言うと当たり前だろ、と(笑)。25年遅いです(笑)」とコメント。
そのうえで「アニメが一般化してる今の人はわからないかもしれないけど、アニメは映画ではないと言われ続けてこの50年過ごしてきました。だから映画界には恨みつらみしかありません。でも、それがあったからここまでやってこられました」とも振り返る。
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劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ I』「行け!コア・ファイター」については、「TV版の不足しているところを補って5本の映画にまとめています。なので最後のエンディングはTV版と全く一緒だけど至る道が全然違います」と紹介。
自身でもよくわかっているという「TV版での作劇の破綻」を取り上げ「TV版では一番肝心なベルリとアイーダの話が抜けてしまっていました。一目ぼれした女性だったけど、恋人を殺してしまったという関係で最後まで行ってしまったんですね。姉弟だと自覚したときの反応するシーンがドンと抜けてしまっていたんです」と言及する場面もあった。
また作品に込めた思いとして「僕は作品を通して世直しをしたい。でも世直しの方法論を示すことはできないんです。だから未来に起こる問題をテーマにしている。宇宙エレベータの技術的な問題やフォトン・バッテリーで表しているエネルギー問題を、そこでやっている劇を通して問題提起しています。それを観た子供たちが30年後、50年後に答えを出してくれるかもしれないと期待しています」というコメントも。
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最後は「今日改めてこの作品を観てもあまり上手じゃない、一般的に伝わるように作られてないと反省はしています。でももしこれを見て、5、6人でも伝わる人がいるならば『Gのレコンギスタ』という作品は50年持つと思います。そのうぬぼれがないと作品を作れない。その自負心を持ってやっています」としたうえで、「余命の問題もあるので再来年までには全5部作をやってほしいですね。そして目が黒いうちに次回作に行きたいと思っています」と力を込めた。
劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ I』「行け!コア・ファイター」は、11月29日より2週間限定上映。
また「富野由悠季の世界」が行われていた福岡地域で本作の上映を望む声が数多く上がったことから、イオンシネマ福岡でも上映されることが追加決定した。
劇場版『ガンダム Gのレコンギスタ I』「行け!コア・ファイター」ぴあフィルムフェスティバル(PFF)特別先行上映&富野由悠季トークイベント
【開催日】2019年9月14日(土)
【場所】国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU
【登壇者】富野由悠季総監督、荒木啓子(PFF ディレクター)
劇場版『ガンダム G のレコンギスタ I』「行け!コア・ファイター」
2019年11月29日(金)より2週間限定上映
【上映劇場】全国23館
【開催日】2019年9月14日(土)
【場所】国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU
【登壇者】富野由悠季総監督、荒木啓子(PFF ディレクター)
劇場版『ガンダム G のレコンギスタ I』「行け!コア・ファイター」
2019年11月29日(金)より2週間限定上映
【上映劇場】全国23館
(C)創通・サンライズ