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2019年7月27日、千葉・舞浜アンフィシアターにて「けものフレンズ」プロジェクトのイベント「けものフレンズ PARTY」が昼夜2公演で開催されました。本稿では昼公演のレポートをお届けします。
吹き荒れるアドリブにとびかう笑い!
サーバル、フェネック、アライグマの3人からなるユニット「どうぶつビスケッツ」とペンギンアイドルユニット・PPP(ペパプ)による「ようこそジャパリパークへ」で幕を上げたステージは、演じるフレンズの衣装をまとったキャストたちによる寸劇に楽曲が差し込まれるというミュージカル然とした構成でした。
物語はサーバル、フェネック、アライグマの3人が招待されたパーティー会場に向かうところからスタート。「けものフレンズ」の物語は、現在ではサービス終了となっているNEXON版のスマートフォンゲーム、TVアニメ第1期、第2期などあり、明言は避けられつつもそれぞれ大きく年代が離れているらしいことが示唆されていますが、今回のステージではそんな時空を乗り越えてしまう門が開いてしまっており、パーティー会場を探す3人がさまざまな場所で多くのフレンズたちと出会う様子が描かれます。
奈落からのステージリフトでガン寝しながら上がってきて観客の笑いをひとしきり誘うのはジャイアントパンダ。遠野ひかるさんが演じるレッサーパンダにどれだけ声をかけられても一向に目を覚まさず、しまいには「何かかわいいセリフを言ってくれたら起きるかも…がんばれ遠野ひかる…」と寝言で言い出したときには、遠野さんが「打ち合わせと違う…! というか、起きてるよねそれ!?」と焦りだし、会場はさらなる笑いに包まれました。
「けものフレンズ」にかぎらず、このように演者たちのアドリブが飛び出すのは舞台劇ならではの魅力のひとつです。タヌキが「"かわいい"で通じるのは27歳まで!」と暴言(?)をはいたり、アライさんが「ダンスなんてイヤなのだ! こういうのはPPPの担当じゃないのか!」と本気でイヤがったり、オイナリサマが「私にもソロ曲をください!」と懇願し始めたりと、あまりにも自由なフレンズたちに、笑い声がたびたび起きました。
アニメから「けものフレンズ」に入った方は「オイナリサマって誰?」と思われるかもしれませんが、前述したNEXON版のスマートフォンゲームや舞台「けものフレンズ」にのみ登場している、その名の通りお稲荷様のフレンズです。NEXON版のストーリーは、あにてれで有料配信されているショートアニメ「ようこそジャパリパーク」で取り扱われているので、もしかしたら今後、こちらに登場することもあるかもしれません。
そうして物語が進むと、各地でパーティーを企画・開催していたのはオイナリサマだったことが判明。突如開いてしまった時空を超える門の向こうから大量のセルリアンが押し寄せようとしているので、門を閉じるためにフレンズたちを集めていたのです。
サーバルは門を閉じることで、今までに出会ってきたフレンズたちともう二度と逢えなくなることに逡巡しますが「みんなに会えることも大切だけど、みんなが笑っていることが一番大切!」と門を閉じることを決意。ここで野中藍さんが演じるNEXON版のサーバルもサプライズ出演し、フレンズ一同が力を合わせることで無事に門は閉じられるのでした。
そうしてすべてが終わったあとに、スマートフォンアプリとアーケードゲームで制作中の『けものフレンズ3』発の声優ユニット「はなまるアニマル」と「×(ばってん)ジャパリ団」が登場。「せっかくパーティーのために歌を用意してきたのになー」と、それぞれのユニットのテーマ曲となる「いつだってはなまる」と「ジャパリラプソディ」を初披露してくれました。
『けもフレ3』配信日ほか、年内の最新情報が続々発表
観客からの熱いアンコールで「ホップステップフレンズ」と「乗ってけ!ジャパリビート」が歌われると、ここで最新情報コーナーに。公演史上最多となる、20人のフレンズが登場する舞台「けものフレンズ」最新作の公演が2019年秋に決定したこと、同じく2019年内に、これまでに開催して好評を博した「けものフレンズがーでん」と「けものフレンズ 屋形船」の開催・運行も発表されました。
さらに、「秋からは毎月お祭り騒ぎです!」と、スマートフォンアプリ『けものフレンズ3』の配信日が9月24日に決まったと発表! 同時に、事前登録が10万件を突破したとのことで、同作のストーリームービーが公開されました。英語で話すブロンドの少女が、同じように英語でガイドするラッキービーストを連れ立ってジャパリパークへと踏み込んでいくという内容で、さらなる世界観の広がりに観客はもちろん、舞台上でいっしょに見ていた「どうぶつビスケッツ」や「PPP」も「なにこれええええええ!?」と大きな驚きを見せていました。ちなみに事前登録はまだまだ受付中で、11万件達成でオリジナルグッズ第2弾が製作されるとのことです。
YouTube:https://youtu.be/vx_M1au713o
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続く10月4日には、同作の主題歌「け・も・の・だ・も・の」のシングルが発売決定。作詞・作曲・編曲は大石昌良さん、歌はどうぶつビスケッツ×PPPという、「ようこそジャパリパークへ」、「乗ってけ!ジャパリビート」と同じ座組での楽曲になるとのことで、こちらもヒットナンバーになりそうです。そして11月9日には、東京の「LINE CUBE SHIBUYA(ライン キューブ シブヤ)」で「けものフレンズ3」のライブが開催されるとのことです。
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さらに、秋に今回の「けものフレンズ PARTY」のDVDが発売されることが発表され、定番の大ヒットナンバー「ようこそジャパリパークへ」が披露され、ステージは幕を下ろしました。そして最後には、「けものフレンズ」プロジェクトからの卒業を発表していたフェネック/オオアルマジロ役の本宮佳奈さんが1人で登場。
「今日、最初に「ようこそジャパリパークへ」を歌っているときからみなさんが満面の笑顔で、それを見て泣きそうになってしまいました。約2年の間、大勢の方に支えられてきました。こんなに大きな舞台に立たせてもらえるなんて思ってもみませんでした。フェネックも、オオアルマジロもかけがえのない存在で、楽しく演じられたのはみなさんの応援と、笑顔と、温かい声援のおかげです。とても幸せな時間をいただきました。これからも「けものフレンズを盛り上げていってくださったら嬉しいです」と涙をこらえながら挨拶し、万雷の拍手に包まれて昼の部は終演となりました。
それを見た筆者はなんとなく、寸劇中で時空を超える門を閉じる決意をしたサーバルが口にした「会えなくなるのは寂しいけれど、私たちはずっとずっと友達だから!」というセリフを思い出し、「あれはサーバル(役の尾崎由香さん)からフェネック(役の本宮佳奈)に向けた手向けの言葉でもあったのかもしれないなぁ」と、勝手にエモさを感じてしまうのでした。
今回ついに配信日が発表されたスマートフォンアプリ『けものフレンズ3』は、公式サイト、公式Twitterほかで事前登録を受け付け中です。
■2019.07.27「けものフレンズ PARTY(昼の部)」セットリスト
M01. ようこそジャパリパークへ
M02. ふたりはパンダ
M03. ようこそぉ~ジャパリカフェへ~
M04. ジャパリダンス
M05. じょうねつダンス
M06. けものとおどろう
M07. たーのしーたーのしーたーのしー!
M08. 大空ドリーマー
M09. アラウンドラウンド
M10. きみは帰る場所
M11. いつだってはなまる
M12. ジャパリラプソディ
M13. フレフレ!ベストフレンズ
アンコール
en01. ホップステップフレンズ
en02. 乗ってけ!ジャパリビート
en03. ようこそジャパリパークへ
(C)けものフレンズプロジェクト2G (C)SEGA