
1994年に発売した「プレイステーション」で、ゲーム業界に大きな影響を与えたソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)。その後も後継機を次々と手がけ、今はPS4を国内外に向けて展開しています。
その一方で、ハードだけでなく様々なゲームソフトもリリースしており、SIEジャパンスタジオ(旧:SCEジャパンスタジオ)だけでも『ICO』や『SIREN』、『GRAVITY DAZE』に『SOUL SACRIFICE DELTA』など、今も語り継がれる作品を次々と生み出しました。
そんなSIEジャパンスタジオの中でも、特に個性的な作品として注目と人気を博したタイトルのひとつが、『サルゲッチュ』です。「ピポサル」と呼ばれるサルを捕まえる、つまりゲットするのが目的の本作は、まさにタイトルに偽りナシなアクションゲーム。ユニークな設定に加え、アクションとしての完成度の高さも光り、話題となった一作です。
そんな『サルゲッチュ』が発売されたのは、ちょうど20年前となる1999年6月24日。この記念すべきアニバーサリーを祝い、『サルゲッチュ』の魅力などを振り返ってみたいと思います。
◆とぼけた「ピポサル」が可愛くて、アクションとしての魅力も満点! コントローラの発展も後押しした『サルゲッチュ』
前述の通り本作は、「ピポサル」を捕らえるべく、主人公のカケルが奔走するアクションゲームです。「ピポサル」とは、頭の良くなるヘルメット「ピポヘル」を被ったことで知能が向上したサルの通称。人類侵略を目指す「スペクター」がこのヘルメットを作り、「ピポサル」たちを利用しようとします。
この「スペクター」の陰謀を阻止するのが本作の目的となりますが、敵であるはずの「ピポサル」の表情やアクションがとても豊かで親しみやすく、どうにも憎めません。とぼけた感じの顔つきは、見ているだけもつい和んでしまうほど。また、「ピポヘル」のおかげで知能が上がっているため、意外な賢さ(?)を覗かせる場面もあり、バラエティに満ちた「ピポサル」たちから目が離せなくなります。
さらに本作は、コントローラ方面についてもユニークな作品でした。というのも、『サルゲッチュ』は、世界で初となるデュアルショック専用ソフト。分かりやすく言えば、コントローラについた2本のスティックを駆使する前提で作られたソフトです。
近年の据え置き機向けゲームコントローラは、配置はともあれ、左右それぞれにスティックが設置されているのが標準的です。しかし家庭用ゲーム機の黎明期は、コントローラにスティックなどはなく、ボタン以外には十字ボタンや方向キーがあるのみでした。ファミコン、スーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジンなど、かつてのクラシックゲームに標準搭載されていたコントローラは、いずれもこの形です。
実は、プレイステーションの初期型コントローラにもスティックはなく、後発のデュアルショックで2本のスティックを搭載。そんな状況の中で、初の専用ソフトとして『サルゲッチュ』が登場しました。2本のスティックを使いこなすことで直感的な操作を実現した本作は、コントローラにおける新たなスタイルを後押しした、とも言えるでしょう。
ユニークさで印象に残り、コントローラの可能性を切り開き、プレイステーションを代表するソフトのひとつにもなった『サルゲッチュ』。その人気ぶりは、数多くのシリーズ作を生み出すほどでした。続いては、そんなシリーズ展開について軽く触れたいと思います。
◆様々なプラットフォームで「ピポヘル」が大活躍! そして、『サルゲッチュ』関連に新たな動きが・・・?
プレイステーション向けに登場した『サルゲッチュ』ですが、このプラットフォームに登場したシリーズ作は1本のみ。2本目となる『ピポサル2001』はPS2向けに登場し、『サルゲッチュ2』、『ガチャメカスタジアム サルバト~レ』、『サルアイトーイ 大騒ぎ!ウッキウキゲームてんこもりっ!!』、『サルゲッチュ3』、『サルゲッチュ ミリオンモンキーズ』も同ハードに展開しました。
PS2だけで6本も登場した本シリーズの勢いは、PSPにも受け継がれ、『ピポサルアカデミ~ア -どっさり! サルゲ~大全集-』、『サルゲッチュP!』、『ピポサルアカデミ~ア2 -あいあいサルゲ~ジャンケンバトル!-』、『サルゲッチュ ピポサルレーサー』、『サルゲッチュ サルサル大作戦』、『サルゲッチュ ピポサル戦記』と、こちらも6本をリリース。
そんな『サルゲッチュ』のゲーム展開は、PS3向けとなる『フリフリ! サルゲッチュ』で、一度ピリオドを迎えます。このほかにも、アニメ化やコミカライズなども実現させていますが、現時点での新たな展開はしばらく音沙汰がなく、シリーズファンにとっては寂しい時期が続いています。
ピポサル (あれから20年。ずっと逃げ回ってきたけど、もう追いかけてくるヤツもいないかな・・・?)
— 【公式】サルゲッチュ20周年 (@piposaru20th) 2019年6月23日
#サルゲッチュ #サルゲッチュ20th pic.twitter.com/wo4mgUVA3m
PlayStationR専用ソフトウェア、サル捕まえゲー『#サルゲッチュ』、ついに本日6月24日でウッキウキの20周年!本アカウントでは、20周年を迎えた『サルゲッチュ』を盛り上げるさまざまな情報をツイートしていきます。ぜひフォローしてくだサル?
— 【公式】サルゲッチュ20周年 (@piposaru20th) 2019年6月24日
#サルゲッチュ20th pic.twitter.com/z7fm0KyYm5
ですが、『サルゲッチュ』シリーズの生誕20周年を祝う公式Twitterアカウントが、6月23日に登場しました! ピポサルが「あれから20年。ずっと逃げ回ってきたけど、もう追いかけてくるヤツもいないかな・・・?」といったコメント投稿。さらに、6月24日11:30頃には、「20周年を迎えた『サルゲッチュ』を盛り上げるさまざまな情報をツイートしていきます」といった嬉しい報告も。
また、『サルゲッチュ』20周年を祝う展開なども発表。20周年スペシャルムービーをYouTubeのPlayStation公式チャンネルにてお披露目しているほか、PlayStation Plus加入者を対象に、「PlayStation Plus スペシャル 『サルゲッチュ』 『どこでもいっしょ』 20周年記念テーマ」の無料配信も行われます。この無料配信は、2019年6月24日~8月6日までなので、どうぞお見逃しなく。


さらに、『サルゲッチュ』と『どこでもいっしょ』のスペシャルグッズを取り扱う、期間限定のポップアップショップも、「東京駅一番街 東京キャラクターストリート G階」にオープン。このショップでしか入手できない東京駅丸の内駅舎モチーフのオリジナルデザインや、『サルゲッチュ』と『どこでもいっしょ』のコラボ商品などが用意されています。
ここから更なる展開に繋がって欲しいところですが、そちらに期待を馳せつつ、まずはこの『サルゲッチュ』に関する新たな動きを堪能しておきましょう!

【関連記事】
・『俺の屍を越えてゆけ』本日6月17日で20周年! 命の積み重ねで歴史を作る“一族育成RPG”は唯一無二の魅力を纏う─読者の思い出も熱量全開
・PSの「おバカ」枠代表な『せがれいじり』が20周年─“ナンセンス”だけど“ハイセンス”!? セケンに飛び出す「せがれ」は成長するのか
・『エースコンバット3 エレクトロスフィア』本日5月27日で20周年─シリーズ作では異色ながらも、近未来を描く手法と先見性は完成度高し!
・20周年を迎えた『あすか120%ファイナル BURNING Fest.』は、美少女と2D格闘を組み合わせて“面白い!”を生み出した名シリーズを締めくくる一作
・可愛い彼女を“パーツ”で育成!『マリオネットカンパニー』本日5月20日で20周年─「本作でメカ娘好きに」「遠回りして特典をゲット」など読者の想いも
・『カルドセプト エキスパンション』本日5月1日で20周年! ボードゲーム+デッキ構築が新たな刺激を生み出す─PSでも好評を博した名作を振り返り
・PS版『デビルサマナー ソウルハッカーズ』本日4月8日で20周年! 時代を先駆けたシナリオと魅力的なゲーム性を合わせ持つ名作RPG
・『サガ フロンティア2』本日4月1日で20周年! 忘れられない魅力やその後のシリーズ展開を振り返る
・PS版『ToHeart』本日3月25日で20周年─健気系幼なじみにメイドロボ、黒魔術な無口先輩・・・とても一人に絞れない! 不朽の名作を今遊ぶには?
・『北へ。White Illumination』本日3月18日で20周年!“女性美”を引き出す繊細なキャラデザに惚れる─開発を手がけたレッド・エンタテインメントの昔と今