世界最大級のコスプレイベント「世界コスプレサミット」とのコラボレーションで開催され、麦わらの一味9人に加え、その他のキャラクター11人の計20人が選抜される。
予選を勝ち抜いた20人のコスプレイヤーは、愛知県で開催される「世界コスプレサミット2019」期間内の“最終決戦”に参加可能だ。
オンラインプラットフォーム「Cosplayers.Global」にて応募受付中で、すでに世界中のコスプレイヤーから写真が多数投稿されている。
エントリーを示す「#opcosplayking」のハッシュタグを見てみると、クオリティの高いコスプレ写真の数々を目にすることができるが、一体どのコスプレイヤーがグランプリの座を獲得するのだろうか?
そこで今回、審査員を務め、アニメ『ワンピース』のキャストで、「ONE PIECE COSPLAY KING GRAND PRIX」の審査員を務める古谷徹さん(サボ役)と古川登志夫さん(ポートガス・D・エース役)にインタビュー。
キャラクターに声を吹き込み命を与える「声優」であるおふたりは、役割は違えど同じ“表現者”である「コスプレイヤー」をどう捉えているのだろうか?
おふたり自身のコスプレエピソードも交えつつ、話を聞いてみた。
[取材・構成=松本まゆげ/撮影=市原達也]
■ふたりが考えるコスプレとは?
――まずは、「ONE PIECE COSPLAY KING GRAND PRIX」の開催について、おふたりの心境を聞かせてください。
古谷
「世界コスプレサミット」(以下、コスサミ)には、2004年の第2回から15年間ずっと参加しているんです。ときにゲスト、ときに司会、そして最近は審査員長をずっとやらせてもらっています。
そんなコスサミが『ワンピース』とコラボすると昨年聞きまして。その瞬間からすごくワクワクしていますね!
自分が関わっている大好きな『ワンピース』1作だけのグランプリが開催されるというのは純粋に楽しみです。
――そして古川さんはコスサミ初参加だそうですね。
古川
でも、存在は知っていました。海外のコンベンションに行ったとき、コスプレイヤーさんから「参加したことがある」と頻繁に話を聞きますし、コンペティションに優勝したことがあるという方にもよく会います。
それくらい世界的に有名で、大きな大会なんだなという印象です。徹ちゃんがずっと参加していたコスサミに僕も関われるのは非常に嬉しいですね。
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――しかも、審査員での参加です。審査するうえでどこをチェックしようと考えていますか?
古川
コスプレのクオリティに関してはそれぞれにこだわりがあると思うので、僕がしっかり見たいのは「このキャラクターが好きだ!」という熱い想いです。
写真を撮ったりポーズを決めたりする瞬間に現れると思うので、そこを見たいなと思っています。
――審査対象は、ふたりにとっても思い入れ深い『ワンピース』ですからね。
古川
そうですよ。ポーズを決めてもらったらすぐわかります。熱い想いがある人なら、そのへんでフラフラしていても「写真撮りまーす」となった瞬間、身体や表情がキッとなりますから。
それはキャラクターに対する熱い想いがあってこそなんですよ。
――おふたりから参加コスプレイヤーさんにどんなアドバイスを送りますか?
古谷
やっぱりそこは、演技と一緒ですね。なりきるのが第一で、そうするとハートからパッションがにじみ出てくるはずです。
古川
うんそうだね。衣装を着てメイキャップすれば、みんな近いクオリティにはなるので、そこからどうやって抜きん出るかと言うとメンタリティなんですよ。
コスプレ写真のコンペティションとなると、写真にどれだけ意気込みが写り込んでいるかも大事です。
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――では、おふたりはマイク前で演じるうえで、どんなこだわりを持っていますか?
古川
これはもう、徹ちゃんすっごいたくさんあるんじゃない?
古谷
そんな大それたものはないですよ(笑)。
『ワンピース』でいうと、僕はオーディションを受けるにあたり、サボの少年時代やエースが亡くなるシーンなど、過去のアニメを観て、しっかりと世界観やキャラクターを掴んでから挑みました。
サボ役に決まってからは先ずは「竜の鉤爪」をできるようにならないとダメだなっていうのはありました。
(竜の鉤爪のポーズをしながら)ちゃんとできないとサボじゃないと思って、すごく指を開く練習をしましたね(笑)。
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竜の鉤爪のポーズをバシッと決めてくれた古谷さん
――すぐ出来るものではないですからね。でもそれをやって入り込むことはできる。
古谷
そうして最初のアフレコに臨むことになったんですが、竹内順子さんが演じた少年時代のサボには、彼女の魅力的なハスキーボイスとやんちゃな演技があった。それを大人になる過程で壊したくなかったんです。
そこで、僕の楽な声でやってしまうとハスキーなサボが活きないと思い、アフレコ前日に深酒をしてノドを焼いて、低い声で第一声を出しました。僕は第一声でキャラクターが決まってしまうと思っているので。
それもあって、今までの古谷徹と全然違う声だなと認めてもらえるようになりました。
あとは、サボという男の生きざまですよね。革命軍として人々を自由にしてあげたいという思いがあるので、そこを念頭に置いて常に演じています。
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古川
僕が念頭に置いているのは、「このキャラクターを古川登志夫が演じたらどうなるのか」ということ。それが僕のプラスアルファです。
どなたがやっても、100人いたら100人「このキャラクターはこうだろう」と掴むベースはあると思うんです。そこに僕がやったらどうなるんだろうという独特のものを加味すると、キャラクターが魅力的になるんですよね。
だから同じ役でも、僕がやるのと徹ちゃんがやるのとでは全然違うし、それで良いんだと思います。
もうひとつは、誰もが考える強いキャラクターだとしたら、それと対極にある弱い部分も意識するようにしています。その落差を演じると、深くなるかなと。
――応募者にここを読んでもらえたら、きっと掴めるものがありますね。世界中からのエントリーは、8月3日の最終決戦までに20人に選抜されます。その日に、おふたりが観てみたい『ワンピース』のキャラクターは誰ですか?
古川
『ワンピース』のキャラはどれもインパクトがあって面白いので悩みますけど、ひとり挙げるなら千葉繁さんがやられているバギーですね。
元の顔がわからないくらい目立つ赤い鼻をつけて……。僕もやってみたいなあ。
古谷
僕は、やっぱりエース、サボ、ルフィの3兄弟揃ってほしいですね! クオリティの高い3兄弟を見てみたいです。
――それを古谷さんと古川さんが審査すると。
古川
そうですよ。ポイント取りやすいかもしれないよ~?(笑)
審査は、徹ちゃんが厳しくて、僕はあま~い気がします。
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