劇場版「ダンまち」は神たちの“恋愛事情”に注目? 知っていればより楽しめる“三大処女神”の神話エピソード 2ページ目 | アニメ!アニメ!

劇場版「ダンまち」は神たちの“恋愛事情”に注目? 知っていればより楽しめる“三大処女神”の神話エピソード

『劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(ダンまち) -オリオンの矢-』が2月15日から劇場公開した。

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『劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-』場面カット(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/劇場版ダンまち製作委員会
『劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-』場面カット(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/劇場版ダンまち製作委員会 全 6 枚 拡大写真

■アルテミス



『劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-』場面カット(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/劇場版ダンまち製作委員会
同じくオリュンポス十二神に数えられ、アポロンの妹であるアルテミスは、“狩猟”と“純潔”の女神だ。
一方で“出産”の守護神としても知られている。非常に気が強く男勝りの性格で、純潔の誓いを立てていたために、男とは距離を置いており、どちらかで言えば、男嫌いと伝えられている。武勇に優れており、人間に罰を与える時は疫病をもたらしたと伝えられている。

さらに純潔への意識の強さを現す逸話も。アルテミスに使える下級精霊で純潔の誓いをしていたカリストが、女好きの最高神ゼウスに狙われて妊娠させられた際、怒ってカリストを熊に変えて森に追放したことがある。

とくにキレたら恐い逸話には、偶然、人間の狩人アクタイオンに水浴びしているところを覗かれたアルテミスが激怒して、アクタイオンを鹿に変えたうえに愛犬たちに襲わせたことがある。

そんなアルテミスが唯一心惹かれたとされる男性がいる。それがギリシア一優秀な狩人であった人間オリオンだ。
狩猟を通してアルテミスは次第にオリオンとの仲を深めていくのだが、兄であるアポロンが妹の純潔が奪われることを心配して引き離すために一計を案じる。

それはオリオンを海上に立たせ、何も知らないアルテミスを「この距離でも射貫く腕前あるかな?」と挑発して頭を射抜かせるというもので、アルテミスは自らの手でオリオンを殺めてしまう。
その悲しみからオリオンを生き返らせて欲しいとアルテミスは奔走するが、死者を生き返らせるのは理に反するとして願いは叶えられなかったため、ゼウスはせめて「オリオン座」として宙に輝かせることでアルテミスの心を慰めた。

『劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-』場面カット(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/劇場版ダンまち製作委員会
劇中では、苛烈な女神であるアルテミスも地上に降りてきて、眷属を持ってファミリアを築いたことで大きな変化があったもよう。ベルに惹かれる気持ちに抗うことをせず、仲むつまじい姿が多く見られる。

■運命に選ばれし少年と、月夜に降り立った女神が紡ぐ【約束の物語】が示すのは?


『ダンまち』は神々が刺激を求めて地上に降りてきて、人間とずっと一緒に過ごすことを決めた世界の物語だ。劇中では「恋」を一つの感情だけで括らず、多様な意味を持たせた広義として解釈している。それによって、原作の持ち味である神と人の距離感の近さを改めて描いている。

注目すべきは、女神であっても一人の女の子として守ろうとするベルだ。彼にとって女神は特別な「高嶺の花」の存在でありながらも、あくまでも守りたい女の子なのだ。一見矛盾しているが、そこには真っ直ぐ向き合う心の在り方が見て取れる。

ギリシア神話では神と人それぞれの恋が描かれ、本来遠い存在である神と人を繋ぐ“共通言語”の役割も担ってきた。だからこそ、本作は共感しやすく、多くの人にとって身近な物語になるのではないか。

(C)大森藤ノ・SB クリエイティブ/劇場版ダンまち製作委員会
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《乃木章》

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