時間跳躍が可能な懐中時計によって、同じ幕末でありながら史実とは違う「異世界」の幕末へとやってきた高杉晋作と桂小五郎がバディを組み、幕府を手中に収めた無限斎との戦いが描かれている。
特筆すべきは、原案ゲームとは違って一切、恋愛要素がないこと。また、時間跳躍を自由に行える無限斎に連れてこられた、真田幸村や松尾芭蕉といった過去の偉人が敵として登場することだ。
早くも第2期制作が発表されており、予測不可能なストーリーに注目が集まっている。そこで、主人公・高杉晋作を演じた中村悠一さんと、桂小五郎を演じる江口拓也さんにインタビューを行い、第1期の振り返りから第2期への期待を語ってもらった。
さらに様々な偉人が登場するということで、第2期ではどのキャラが登場するか、江口さんに絵を描いてもらい、それを中村さんに当ててもらうというコーナーも実施。果たしてふたりの予想は当たるのか……!
[取材・構成=乃木章]
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■アニメの台本を見て「結構キャラが違うな」と思った
――まず、第1期を振り返っていかがでしょうか?
江口拓也(以下、江口)
第1話の時点で原案とはだいぶ違いますよね(笑)。台本を読んだ時に「こういうテイストになるんだ!?」と先が予測不可能な状況で、流れに身を任せながら今後の展開に注目していました。
第2期を前に無限斎編が終わるんだということ、敵の十二将が全員登場していないことに驚きました。
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中村悠一(以下、中村)
メディアを変えるので、表現の仕方は変わるとは予想していたんです。蓋を開けてみたら、一切恋愛要素がない(笑)。
原案を踏まえてアニメを観た人は戸惑ったんじゃないでしょうか?
――アニメではふたりがバディとして描かれていますが、事前に擦り合わせたことはありましたか?
江口
どの現場でも台本を読んだ時の役柄の気持ちを持って来るので、現場で特別に擦り合わせるということはありません。
中村
ドラマCDならまた話が変わりますけど、アニメは監督のビジョンが第一にあって、それに対してどう沿っていくかという作り方。「僕はこう思うんでこう演じさせてください」というふうにはいかないです。分業制がはっきりしていますから。
関係値の話では無く、物理的な距離感で江口くん、今、俺とどのくらい離れているつもり?」といったくらいの相談はありますけど。
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――恋愛要素がないということで、キャラクターを演じるうえで違いはありましたか?
江口
最初、どこまでゲームの桂を持ち込むべきなのかで悩みました。アニメとゲームとでは桂のキャラクター像が変わっているんですよ。ゲームで演じている時は素朴な感じというか、物語の中心で事件を解決するタイプではないですし。
アニメ第1話は原案ゲームを楽しんでくれた方がまず観てくださる思うので、「桂を忘れちゃっているんじゃないの?」と言われないか不安がありました。
途中で完全に別物と割り切るまでに多少、時間はかかりましたね。
中村
台本読んだ時に、「結構キャラが違うな」とは思いましたよね。ゲームの高杉を演じるうえでのルールを念頭に置いちゃうと、アニメの高杉とは噛み合わないんです。アニメだと高杉の表現はともすれば若さ全開といった感じで、ゲームでは大人な男性像でしたから。
なので、「ここまで変わるなら、1回忘れて組み直さないと無理だな」と思いました。
僕はどちらかというと、キャラクター像よりは原案ゲームが恋愛アドベンチャーで、ファンにそれぞれ好きなキャラクターがいる中で、「こんなに高杉にスポットを当てて大丈夫かな?」と思いましたね(笑)。
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