「ガンダムNT」澤野弘之、音楽は「劇場版とは知らず」制作!? 秘話満載のトークショーレポ
12月4日、映画『機動戦士ガンダムNT』の公開を記念するスペシャルスタッフトークショーが開催。会場には音楽・澤野弘之、脚本・福井晴敏、プロデューサー・小形尚弘らが登壇した。
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『機動戦士ガンダムNT』の音楽を澤野に依頼した経緯については、小形が「『UC』から1年後の話で、このスタッフで、澤野さんに依頼しなかったら不自然ですよね。当然、1年後の宇宙世紀のお話をやります、ということでオファーをしていたんです」と説明。
昨年に正式なオファーを受けたという澤野は「その時はまだ劇場版とは知らず、20分くらいの短編が何本かだと思って作っていました。そしたら、今年の4月にサンライズさんの新作発表会に『NT』が出るというので見ていたら、“劇場版”と書いてあって。『劇場版だ!!』って(笑)」との驚きがあったことを明かす。
また本作の誕生秘話については、小形が「お台場に実物大ユニコーンガンダムの立像が立つことが決まった時、何か『UC』にまつわることを作りましょう、という話になりました。そうすると小説『不死鳥狩り』ですかね? というところから、『NT』が生まれてきました」とのエピソードを披露する。
すると福井も、「皆さんも先の話を観たいはずであろう、というところで、続編という形で『不死鳥狩り』を織り直しました」と、現状に至るまでの試行錯誤について述べた。
澤野に依頼することを大前提としてスタートだけに、音楽のオファーは手探りの作品づくりが進む中で行われたとのことだが、小形は「まず“Vigilante”は最初からメインMSの登場シーンで使いたいというのは伝えた気がします」と回想。
それを受けた澤野は、「エレクトロニカをフィーチャーしたものにしたい、ということだったので、そういった楽曲のサンプルを(吉沢俊一)監督にお渡ししたり。そうしていく中で、僕自身、歌でよりアクセントをつけていきたいと思っていたので、すこし歌を入れていったりしました」と、曲作りの裏話を語っていく。
さらに小形からは、「いままで劇中でがっつり歌を流す、ということをしたことがなく、どこかで澤野さんの歌入りの曲を流したいな、というのがあったんです。前半のシナリオがあがったときに、ナラティブガンダムが登場するときにそれをいれたい、という発注でしたね」と、“Vigilante”を発注した際のエピソードも飛び出した。
このほか劇中の「ある重要なシーン」で登場する“Cage”については、小形が「福井さんにも吉沢監督にも、『“Cage”という曲は、まさにテーマに沿った曲なので、ここに使ってください!』というようなオーダーをしました」と触れると、福井も「シナリオを書く前から、『こういう感じで使いたい』と、曲が先に送られてきました」と相づち。
主題歌“narrative”には、澤野が歌詞について「作品の内容に寄り添いつつ、子供時代を思い浮かべ前向きに取り入れながら、真面目に書いてみました」と言及しつつ、ボーカルを担当したLiSAに「サビへのアプローチもすごく考えてくれて、LiSAさんの声がより『NT』の世界観をつくりあげていただいたな、と思います」と太鼓判を押した。
最後に本作の音楽に関して、澤野が「『UC』でつくった音楽を今回新たにフィーチャーし直す、というのも再び『UC』の音楽に向き合えたのでよかった」とまとめると、小形は「今回は『UC』と差別化したいと思っていて、すごく新しいなぁと思いました」と大満足の様子をうかがわせる。
福井も「今回はガンダムらしからぬ、メロドラマなんですよね。それが音楽のドライな感じと良い化学反応を起こしてしていたと思います」と絶賛し、小形が「やっぱり劇場の環境で聞くのがいいですよね。音を浴びるような体験ができると思います」とアピールしたのちにトークショーが終了した。
映画『機動戦士ガンダムNT』スペシャルスタッフトークショー
日程:12月4日(火)
場所:新宿ピカデリー
登壇者:澤野弘之(音楽)、福井晴敏(脚本)、小形尚弘(プロデューサー)
(C)創通・サンライズ
《仲瀬 コウタロウ》
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