■増田さんが選ぶ、女性部門の大賞候補は？
――では、ここからは女性部門です。
増田
僕は女性ではないのでなかなか選ぶのは難しいですが……（笑）、電子書籍はエッジの効いた作品が読まれる傾向にあるので、そういった目線も含めて3作品選びました。
まず1作目は『ドラゴン、家を買う』です。
安心安全なマイホームを求めて、案内役のエルフ・ディアリアと共に内見の旅へ出ます。ファンタジー世界のユニークな物件を巡る珍道中は癒しと笑いで一杯です！
増田
ここ数年で、魔物たちの文化に着眼した作品はドっと増えてきましたが、ここまでキャッチーなタイトルも珍しいですよね。「ドラゴンが家を買うの!?」「どんな家なんだろう？」と気になってしまう。
某ゲーム作品のオマージュもあって、ゲーム作品ではただの敵としか思えなかったモンスターたちにも「こういう想いを持っていたかもしれない」とか「彼らにも名前があったんだろうな」と想像が膨らんで面白いです。
――続いて、2作品目は？
増田
これは受賞しそうというより、僕が気になった作品なんですけど……『中学聖日記』。
増田
1巻を読んだ時点では、中3男子の黒岩と、新任教師・末永の2人の視点しか描かれませんが、今後2人の間に誰か入ってくるのか、もしくは永遠と2人だけの気持ちの揺らぎ合いが描かれていくのか……この先の展開がすごく楽しみですね。
――生徒と教師の恋模様が描かれますが、黒岩に共感したりは……？
増田
それはなかったです。むしろ末永の婚約者目線になって「これは嫌だなぁ……」と思ってしまいました。好きな人に「結婚できない」と言われて、その原因が中学生だったら「くそーっ！」ってなりますよ（笑）。
――では、女性部門、3つ目の大賞候補は？
出版社推薦コメント：極彩の家という山深い寺院で隔離して育てられる、鮮やかな色の髪を持つ「色彩の子」。そんな閉じられた環境の中で恋、友情、憎しみなど、複雑な想いを抱きつつも、成長していく姿を描く和風メロウ・ファンタジー！
増田
「どういった内容だろ？」と気になって読んでみたところ、予想できたのが5割、全く予想付かなかったのが5割でした。
マンガの表紙って、どんな内容なのか予想がつき過ぎると「こういうマンガなんでしょ」って手を出さなくなりがちですが、本作の表紙はそのさじ加減が絶妙で良いなと思いました。
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