「ジャイアンから脱しなければいけなかった」声優・木村昴の転機となった作品とは? 3ページ目 | アニメ!アニメ!

「ジャイアンから脱しなければいけなかった」声優・木村昴の転機となった作品とは?

『ドラえもん』のジャイアン役などで知られる木村昴にインタビュー。後編となる今回は、声優キャリアにおいてターニングポイントとなった作品や今後の展望についてうかがった。

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■楽しんでもらえるパフォーマンスを一生続けたい



――そして『スモールフット』では、吹き替えと歌を担当されています。今回の歌で特別意識した部分はありますか?

木村
主人公である“ミーゴらしさ”ですね。今回歌った曲はストーリーに沿って流れるので、ある種ミュージカルなんですよ。ライブじゃない。なので、メロディを借りて喋っているようなイメージで歌いました。
事前に準備していったのは“ちゃんと歌う”感じだったんですけど、そこは結構ガッツリ変わって、「こうすればもっとミーゴらしくなる」とディレクションしてくださる先生にアドバイスをもらいながら、またハッピーな一日がはじまることをミーゴが喜んでいるように歌いました。


――夢だったミュージカルに近いことができたんですね(前編参照)。

木村
そうですね! だからこういうミュージカルのようなアニメーション作品も大好きなんですよ。何が良いとか説明できないくらい昔から好きだし、観ているとシビれるし涙が出ちゃうんですよね。本当にわけも分からずブワッと。『スモールフット』もそれぐらい素敵なものが詰まっています。
あと、スートンキーパーっていうキャラクターを本国ではラッパーのCommonが担当していて、歌もラップなんですよ。それをCommonが演じているんです。向こうではレジェンダリーラッパーのCommonがですよ!? そんな役を、日本では立木文彦さんが演じていて……。

――立木さんのラップが聴けるんですね。

木村
そうです! しかも、日本版のラップはSOUL'd OUTのDiggy-MO'さんが書いてるんですよ……ヤバっすよ。すごくないっすか!? 立木さんはどうなるんだろうって。しかも5~6分ある長いシーンで、セリフを織り交ぜながらなので。
まだ完成版を観ていない(インタビュー時)ので、めちゃくちゃ楽しみです。超聴きたい!

――ちなみに、ミーゴにはどんな印象を持ちましたか?

『スモールフット』(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.ミーゴ 『スモールフット』より
木村
素敵ですよね! 僕らが忘れかけている部分を、ちゃんと持っているような気がします。
人間、大人になると表面的になって人を見かけで判断しがちじゃないですか。コンビニで外国人の店員さんにやたら横柄に接する大人とかまさにそうですよ。僕はハーフなので、そういう場面を見ると思うところがあるんですよね。
でもミーゴは、見た目も文化も全く違う人間とも分け隔てなく接しようとするんですよ。そこに、この作品の大切なメッセージがあると思います。


――いろんな話を聞けました。ありがとうございます。では最後に、今後の展望を聞かせてください。『ヒプノシスマイク』もあり、ある程度夢を叶えてしまった感もあるように見えるのですが……。

木村
変わらず、息長く、声優をやっていけたらというのは変わりませんが、今後トライしていきたいこととして仕事で海外に行ってみたいですね。それこそ、吹き替えられる側になりたいです!
超ビッグドリームすぎて気持ち悪いかもしれないですけど(笑)。

――英語もドイツ語も話せる木村さんなら、できることですもんね!

木村
体ひとつあって言葉さえ話せれば、どこでも行けると思うんですよ声優って。
アメリカでアニメーションの声を僕が英語でやって、それが日本に渡って「吹き替え:関智一」みたいな!(笑)。生意気ですけど、夢だからいいんです大きくて。しゃべるのはタダだし!
そうして、大層かもしれないですけど、海外と日本のアニメーションや声優カルチャーの架け橋になるのも面白いかなと思います。

――素晴らしい夢です。

木村
あとはせっかく声優にしていただけたので、声優が誰もやったことないことを一番にやってみたいですね。
例えば、「~とデートなうに使っていいよ」って声優さんで最初にやったの山寺宏一さんなんですよね! ああいうの、すごいなって思うんですよ。
だから僕もTik Tokやってみたりしているんですけど(笑)。そういう新しいことを模索していきたいですね。
いずれにしても、みなさんに「明日も頑張ろう」って思ってもらえるよう楽しんでもらえるパフォーマンスを一生していきたいです。

『スモールフット』
10月12日(金) 新宿ピカデリー他 ロードショー!
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED.
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《松本まゆげ》

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